傭教施設(クロヤ担当)
午前7時
帝国バンクール サール州傭教施設
その傭教施設は他の傭教施設とは違
い、とても広く、貴族が住む屋敷よりも数倍は大きかった。
それもそう、クロヤが担当する州は、とても人気で、一つの州だけでも志望する傭兵見習いはなんと数百人も及ぶ。(他の州は数十人ぐらいなのでその差は歴然である。)
それが3つもあるのだから、それぐらいは大きくないといけない、が、今回は少し事情が異なっており、新たに面接を設けることになったのだ。
(そんなことをしたら傭兵見習いの数がガクッと下がるが、クロヤの発明によって、しばらくは安泰である。)
傭兵見習い達が、傭教施設に来る前日に、クロヤの親代わりである傭兵マスターが急に決めたのである。
今回、何故そのようなことを決めたのかというと、クロヤのバカンスを兼ねたものであるからである。
日頃からクロヤは忙しく、休みもほとんど取れてないのに、泣き言一つ言わずに仕事をする姿を見た[叛逆の杯]のメンバーが傭兵マスターに直談判し、休みを与える代わりに、今まで忙しくて放置していた傭教施設の教官を務めるという条件で、その話は終わった。
メンバーは、それが休みではないと知っていたため、まだ不満を持っていたが、クロヤ本人がそれを快諾したため、渋々受け入れたのである。
だがしかし、まだ、それには罠があった。
条件はもう一つあったのだ。
しかもそれは、
「教える人数を減らす代わりに、1人で教え、3年後に備えてある、実習訓練で、全員が単独で中型魔物を狩れるようにすること。」
なのであった。
中型魔物は傭兵3人以上でなんとか倒せるレベルである。(クロヤは別格)
それを単独で倒すという無理難題を押し付けた傭兵マスターに、メンバーはそれだけは受け入れられないと猛抗議し、1人ではなく2人で教えることになった。(それ以外は良いのかよ…)
クロヤとそのもう1人の人物は、
「カノン・アリカ」
彼女は、[叛逆の杯]副団長であり、
年齢は17歳と傭兵団の中では、1番最年少であるが、実力と頭脳は、他の傭兵団の副団長を優に超えており、クロヤ自身もあと数年で自分と同等、もしくはそれ以上になると絶賛している。(カノン本人は否定しているが…)
そもそも、カノンは元々身体が弱く、
親に捨てられてしまった所をクロヤに拾われ、傭兵団見習いとなってクロヤと一緒に行動していた。
しかし、先の一件(傭教施設を作った原因)で、解体されそうになった傭兵団を二つに分け、クロヤが、もう一つの傭兵団の新たな団長となることで存続し、カノンはクロヤを補助する役として、副団長となったのだ。
(古参の傭兵は、全て隊長の方について行ったが、まだ新しかった傭兵と見習いはクロヤについて行った。クロヤ本人は覚えてないかもしれないが、全員が全員、クロヤに救われた恩があったらしい。)
そして、カノンはクロヤ様と一緒にいられることを嬉しく思う一方、自分はクロヤ様を補助できるのかという不安にかられていた。(クロヤは世界中を飛び回っている為、1人で行動することが多く、補助といっても傭兵ギルドに報告をするだけのことだった。)
だが、ある病がカノンを大きく変えていく。
カノンに狂花病が発病したのだ。
そして、治った後にカノンはある違和感を覚えた。体が軽く、そして何より魔力を感じる、と。クロヤにそれを報告すると、彼はある一つの仮説を立てた。
魔力暴走によって、自分が注いだ魔力が、身体の中に元々あった魔力を貯めている場所を無理矢理こじ開けたからではないか?と。
この仮説は見事的中し、無理矢理彼女の魔力を貯める場所がこじ開けられたため、体が軽くなり、魔力も感じるほどに増えた。
そして、2度も命を助けてくれたクロヤを全てをかけて守りたいと考えた
カノンは猛特訓し、なんと、たったの1ヶ月で、叛逆の杯のメンバーで勝てるのはクロヤだけという強さになった。
(叛逆の杯のメンバーはクロヤが直々に指導していたので傭兵団の中では世界で一、二位を争うほどの強さと団結力を誇る。なお争っている相手は隊長の傭兵団である。)
そして、クロヤと一緒になるために今も、鍛錬を続けている。
カノンは実力と頭脳はとても高い、が、性格は結構厳しめである。
しかし、
クロヤにはとても甘く、いつも、
「クロヤさん、ボクと一緒にご飯食べませんか? クロヤさんと一緒ならどんな料理でも美味しく食べられますからね♪
あ、他の人は誘わないでも良いですからね〜?
ボクは、クロヤさんと食べたいので♡」
と、とても厳しめには見えないのだが、いざ他の人がカノンをご飯に誘うと、
「すいません。ボク、好きな人としかご飯を食べたくないので。あ、話は以上ですか?それでは失礼します。」
と、さっきまでのデレデレが嘘みたいである。
だが、まあ、これだけならまだ良い。
1番ダメなのはクロヤを馬鹿にされることである。(尚、他のメンバーもだが…)
話を戻すが、さっきも言った通り
彼女は性格に難がある。そのため、他のメンバーが行こうと言うが。
「必要無いよ。ボクだけが、クロヤ様を補助できるから。だから、ぜっっったいに邪魔しないでね?」
と、仲間に対してきつーく言う。心の底では信頼し合っているが、クロヤの事となると、とんでもなく変わるのである。(尚、他の(以下略))
また、クロヤがいない時はメンバーはクロヤ様と呼ぶ。そっちの方が好きらしい。
メンバーからは、あまり目立たないようにと釘を刺されたが、正直微妙である。
なので、クロヤに
「副団長の手綱握っといて下さい。
本当にお願いします。」
と、言うしかなかった。
本人は、「手綱?」と首を傾げていたが、メンバーの頼みなので、断る選択肢は無かった。
いよいよ、波瀾万丈の傭教施設始まります。
☆カノン・アリカ
年齢・17歳
身長・167cm
体重・「言うわけないでしょ。あ、でもクロヤ様に聞かれたら〜どうしよ♡」
好きな食べ物・クロヤ様と食べる料理
嫌いな食べ物・クロヤ様以外と食べる料理
好きなこと・クロヤ様を監……察すること
嫌いなこと・クロヤ様を馬鹿にすること。(後で○す。)
↑
クロヤとメンバー(必死に止める。)
趣味・クロヤ様に気づかれないように抱きつくこと。
好きな言葉・努力に勝るものはない
(クロヤ様の受け売り、他の
メンバー全員も好き。)
☆見た目
透き通るような黒髪を三つ編みにしている。
ルビーのように赤い瞳。
ぱっちりとした目つき。
豊満なバスト。
思わず2度、いや、3度見するほどの美少女である。(10人中15人が美少女と言うような)
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