第4話 俺たちのバイキング
「な―、ジュース飲む?」
「相変わらず変わり身が速いな、いつも通りのとぼけた顔しやがって」
「俺さ―、バナナオレにするわ」
「俺はココアで」
中庭の入り口近くにある自動販売機で一本ずつ買って部屋に帰る。
スムーズに部屋に帰り着いて俺が鍵を開けると隼人は
俺のバナナオレの缶まで取り上げて机に置いて戻ってくる。
「史郎忘れてるだろ?」
「いや」
「夕飯バイキング。鍵かけて、いくぞ」
まだ手に持っていた鍵をかけて隼人を追いつく
「お前のバナナオレ冷え冷えじゃなくてぬるくなるな―」
「ココアだって冷めるだろ」
「俺冷ましたいんだもん」
そんなことを話している間に合流していく人が増えていく、
バイキング会場に着く頃には前後挟まれ10人以上の集団になっていた。
「これさー、座れるよな?」
「座われない人数予約とってないだろ」
「廊下妙に狭いな」
ガラスのビールケース置かれた難所を通り過ぎた俺たちは
バイキング会場に辿り着いてチェックボードを持った仲居さんに
14番の札付きのテーブルに案内される。
着くや否や俺たちはテーブルを去ると
素早くトレイに食べたいものをぎゅうぎゅうにしてまた帰ってくる。
さっさと座った俺とは対照的に隼人はトレイだけ置いて
二人分のお冷をもらいにまた行ってしまったので
俺は二人のトレイをテーブルにきれいに並べた。
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