第14話 戦闘:《凶暴種》のワーウルフ①

 ◇◇◇






 ■カンザキ・ネクロ

【探索者ランク】

 F級探索者

【ジョブクラス】

《一般人Lv8》《死霊使いLv2》

【通常スキル】

「棍棒術3」「強靭な胃袋1」「投擲術1」


《死霊使いLv2》

 備考:

 ・一日当たり二匹の死霊と使役契約を結ぶことができる。

 ・??????


 〇装備品

 ・防刃シャツ

 ・防刃ジャケット

 ・防刃ボトムウェア

 ・防刃手袋

 ・軍放出品 運搬用リュックサック × 5

 ・他


 ○魂魄値上限(50):

 - 人型スケルトン(1) × 6匹

 - ケンタウロス型スケルトン(2) × 21匹






 ◇◇◇






 探索者の原則、それは水を確保する事である。

 人間は、食事は一週間食べなくても何とかなるのだが、水は三日持たないと死ぬ。

 そのため俺は、滝の近くを拠点に活動していた。


(滝のそばの【浸透係数】もそんなに高くないし、多分大丈夫だろう)


 すでに周囲の環境調査も実施済みである。危ない魔物の姿は確認できなかった。

 念のため骸骨たちに周辺を巡回させて、見つかった魔物を根こそぎ狩っていけば、より安全を確保できるだろう。


 とはいえ、骸骨の骨が流れていくのが嫌だったので、従魔たちを川の中に入らせることは避けていた。

 川から少し離れた場所に陣取っているのもそれが理由である。川から上陸してこようとする魔物がいればそれを退治すればいい。川の中に入る必要はない。


 念のため、岩場にいくつか罠もしかけておいた。

 ワイヤーの括り罠なので、熊型の魔物とかが近寄ってきて足を引っかけたりすれば、きっと足を絡めとられて動けなくなるだろう。


 そう思っていた。






「あっ」

「えっ」


 滝のそばで身体でも洗おうかなと思い、服を脱いで向かったところ、そこには先客がいた。


 見れば、少女が、あられもない姿でワイヤーのくくり罠に引っかかっていた。

 彼女は足首に頑強に巻き付いたワイヤーを、必死にほどこうとしゃがんでいた。

 その光景を目の当たりにした瞬間、俺は脳がフリーズしてしまった。


「え、め、めめめん……?」

「あ、え、お、おち……」


 何でこんなところに。

 しかも全裸って何故。

 それ以上に、のはどうしてなのか。


 情報量が多すぎて頭の回転が付いていかない。状況の整理ができない。

 俺は思わず息を呑んでしまった。


 そのぎょろりとした目は俺をまじまじと見つめていた。正確には俺の顔ではなく、もうちょっと下の方に釘付けになっていたが、「あ、ちょ、だめ」と少女が目を大人しくさせようと必死になっていた。


「……屍鬼グール、なのか?」

「……っ」


 腹部に巨大な目。そして呪文めいた文字の刺青。それらは明らかに屍鬼グール化した人間の特徴であった。


 紅潮していたはずの少女の顔から、さっと色が失せた。

 からりとナックルダスターから音が鳴った。不吉な直感が脳裏をよぎった。俺は、初対面早々にして、暴いてはいけない秘密を暴いてしまったような気がする。






 ほぼ同時にそれは起きた。

 オオカミの遠吠えのような声が聞こえた。


 奥を見る。

 川の向かいに、ワーウルフたちの群れがいた。しかも運の悪いことに、一部は赤色に変色した凶暴種ライオット種が混じっている。


「嘘だろおい」


 情報が全然整理できなかった。

 だが確実に一つ、分かったことがある。どうやら俺とめめめんは、今からあのワーウルフたちの群れと戦わなくてはならないらしかった。






 ――――――

 独り言:

 窮地に陥っているヒロインを助けるのが主人公の役割ですよね!(両方全裸)(半分以上窮地に陥れたの主人公のせい)



 宣伝:

 本作品は、『放置ゲーみたいにコツコツ徐々にできることが増えていく』というのを主軸にした作品です。


 使役している魔物たちの力で、魔物狩り・ダンジョン攻略・迷宮遺骸物アーティファクトの回収etc……を自動化したり。

 配下の魔物たちを成長させたり、合成してどんどん強化していったり。

 じっくり時間をかけて《癒しberkanaの石》や《戒めthornの毒の短刀》などの自作道具をクラフトして育てていったり。

 スキル石を使ってスキルツリーを成長させたり。


 文明崩壊後ポストアポカリプスな世界観は、ちょっとしたエッセンスとして設定大好きな人の癖に刺さったらいいなと思いながら作りこんでいます。

 じわじわ盛り上がるような、そんな作品にしたいと思っています。


 もし面白いと思っていただけたら、『フォロー&★評価』お待ちしております!

 どうぞよろしくお願いいたします。

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