第3話 雑魚狩りで大量に稼いだお金で、装備品をどんどん強くするやつ
解放区【UMEDA-01】は、
かつて
(やっぱり解放区内は快適だな。綺麗な水が飲めるし、安全に眠ることが出来る。魔物の跋扈する未解放区とは比べ物にならない)
迷宮を平定した跡地に出来た都市なので、未だに魔物が出没したりするものの、ほとんど安全に暮らせることから、解放区【UMEDA-01】は《特別指定都市》に認定されている。
規律正しく機械化された街並み。
整備された上下水道・送電網・通信等のインフラ設備。
複数の軍用ドローンが巡回する警備システム。
遥か高度に発展した
外部環境に依存しない、半永久的な自給自足を達成した巨大な生活拠点。それがこの解放区【UMEDA-01】であった。
(早く探索者ギルドに行って、魔石を換金しなきゃ。今日はさっさと眠って英気を養いたい)
連日の魔物狩りによってすっかり疲れ切ってしまった俺は、今すぐに休息を必要としていた。肉体の疲れというよりは精神的な疲れの方が大きい。いつ魔物に襲われるのかと警戒しながら眠る夜は、全く休まった気がしないのだ。
可能であれば今ベッドに身を投げ出したいぐらいである。
もちろんこの遠征のおかげで魔石はかなり稼げたのだが。
今からギルドでいくらで売れるのか楽しみである。
――探索者支援機構、通称ギルド。主務省所管課は、経済産業省 ダンジョン産業政策局。主に探索者業務に関する事業支援、就労支援を行う独立行政法人である。フリーランスの個人探索者のサポートから、中小クラン設立(≒法人立ち上げ)の援助までを行っている。
素材の売買はもちろん、装備品の購買と修繕、各種
とはいえF級探索者の収入程度ではそういったギルド設備の利用料が高すぎるため、たいして利用できないのだが、まあ仕方がない。
収入が安定し始めた今ならば思う存分利用できそうだが、身に染みついてしまった貧乏性ゆえか、中々食指が動かない。
(いつもの安宿でいいかな。静脈認証付きのオートロックの宿泊部屋じゃなくても別にいいし)
たんまりとため込んだ魔石を売却し終わった俺は、そのままその足で、
魔物が跋扈する未解放区でも野宿している俺にとっては、さほど気になるような治安ではなかった。
◇◇◇
■カンザキ・ネクロ
【探索者ランク】
F級探索者
【ジョブクラス】
《一般人Lv5》《死霊使いLv1》
【通常スキル】
「棍棒術3」「強靭な胃袋1」
《死霊使いLv1》
備考:
・一日当たり一匹の死霊と使役契約を結ぶことができる。
・??????
〇装備品
・防刃シャツ
・防刃ジャケット
・防刃ボトムウェア
・防刃手袋
・軍放出品 運搬用リュックサック
・他
◇◇◇
「毎度お買い上げありがとうございます。占めて260000マナになりますが、当店のゴールド会員様であるお客様は、一割引きして234000マナのお支払いとなります」
にこやかな笑顔を浮かべる店員から商品を受け取る。電子端末で決済を終わらせた俺も、満足のいく買い物に頬を緩ませていた。
探索者たるもの、装備品に妥協をするのは良くない。
これはあくまで俺個人の哲学なのだが、命がけで仕事を行うのだから、仕事道具には拘りたいと思うのは普通だろう。
今日買ったものは《ラプラス・スポーツ》の防刃シャツの
この防刃シャツ一着だけで、今回魔石を売って得た収入がほとんど吹き飛んでしまったが、別に後悔はない。
(これで防刃服は大体揃ったかな。こういう装備は特にお金をかけたほうがいい、不意に魔物に噛まれたりするのが一番怖いからな)
特に、解放区から遠く離れて野宿するような俺の場合は、こういった高性能な防具が欠かせない。ポリカーボネイトの防護盾とかも一応持ってはいるのだが、不意打ち対策としては身に着ける防具が一番大切になってくる。
もっと収入に余裕が出てきたら、複数着の予備を購入しておきたいところであった。
(さて……。十分に英気を養ったら、また遠征に出かけるかね。解放区の外部に放置してきた骸骨たちも気になることだし)
飲料水と浄水フィルタと携帯食料を大量に買い込み、いくつかの消耗品を補充し終わった俺は、早くも次の探索のことを考えていた。
別に仕事人間という訳ではないのだが、《死霊使い》の能力に目覚めてからというものの、あれこれ試したいことをいっぱい思い付いていた。
――――――
独り言:
スマホのハイエンドモデルとか調べるのが好きなので、装備品(ガジェット等)もハイエンドモデルという言い方にしました
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