第9話 部屋の移動
人が増えてぎゅうぎゅうの食席。こっちの方がコロナが広まるんじゃないのかな。少し、落ち着いてから介護士を捕まえて聞き出した情報はこうだ。
昼間、藤井さんが感染していたので、全病棟でPCR検査をした。そしたら、2階(私たちがいる所)と3階の入所者でコロナ陽性者が出た。そのため、3階をコロナ病棟にして、コロナ陽性者を隔離する。2階は元気な人だけにする。
3階より2階の部屋の方が少し広いようで、ベッドが二つ入るので今日から一部の部屋を二人部屋にするとのことだった。
横山とは絶対になりたくない。
介護士が申し訳なさそうに近づいてきて、
「八木さん、常盤さん、同じようこさん同士、少しの間だけ同じ部屋にしていただけませんか?常盤さん、来て早々に申し訳ありません。吉井さんと五十嵐さんも同じ部屋で、お願いします。」
と言う。
無言の私たちに、
「ありがとうございます。」
と言い、素早く次の業務に移っていく。
私たちは嫌って言えないわけよ。
あんな、大変そうな姿を見せられたら、協力しないわけにはいかないわ。
まったく、最初から落ち着かないわ。
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