これから、どうするか...

目を閉じれば満天の星空、耳を澄ませばおよそ人では無いもの達、実態の無いものたちの声...私は狂ってしまったのだろうか?


「神経に異常は見られないな、よし...しかしまさか架空の戸籍で抑えておいたセーフハウスを本当に利用する日が来るとは...」


少し振り返る、遡ること1日...目が覚めれば拘束されていて研究の凍結、国連の愚かな判断を聞かされ、彼らに干渉され、全くの別の場所へ...服が服だけに目立たないようにしながら移動しようと考えれば体がものすごい速度で動いた...いや、あれは動いたと言うより移動した、ズレた、とも言うべきだろうか...どれも正しくないな...より正確に言うならされた?どうも目覚めてから体がおかしい、人の限界を超えていると言うか...これは仮説だが...もしかしたら求めていた力を手に入れたのかもしれん...だがそれと同時に私の精神は...その為にももっと制御しなくては...もっと知らなければ...全てを理解するその時まで


「う"...しっかりしろ、しっかりするんだ...」


最近、というか目覚めてから不定期に酷い頭痛に襲われる、良く『頭が割れるような』と比喩で使われるがこれは段違い...比喩表現を用いるならまさに『頭が割れたと錯覚するような』痛みだ...立っている事すらままならずこれのせいであまり外出できない...というかしようという気力が無くなる。幸い生きる分には困らない、保存食を置いておいたからだ...乾パンだが...いや、何故缶詰にしなかったと過去の自分を殴りたい...あまりやらないゲームソフトまで置いておいてなんで食材が乾パンなんだ、馬鹿なのか!?...本当に何考えてたんだ...


通帳を見れば決して少なくない額があるが外に出る気になれない...身分証もちゃんとあるがそもそも国連が追ってきてると考えるべき...あれ?これ、詰みか?...まぁ、もうひとつ海外にセーフハウスがあるから最悪...いや、最悪は正義の使者様に助力を求めるか...しかし...うーむ...


とりあえず情報を集めるべくテレビを...あれ?リモコンは何処へ行った?


「うーむ...これは頭痛が酷くなりそうだ...」


とりあえずでテレビをつけニュースを垂れ流す、立つのもキツイのでソファーに身を投げ楽にする...


「だが腹すいたなぁ...」


乾パンである、我が家唯一の食料!...クソが!だから缶詰にs...


「閃いたぞ!」


この家に置いてあった端末にログインしデリバリー、ポチ!支払いは引き落としで


「頭痛くて忘れてしまっていたが別に注文しても足はつかないのでは無いか?」


というか追跡しようとして私が作ったプログラムがブロックするし...あー、素晴らしい、これでは完勝だな...今夜は炒飯にしよう


最高です、あの店の炒飯、出前あるし旨い、言うことがない


「しかし...これから、どうするか...」


そう、先どころか今も見えない状況である、そして考えようと目を瞑れば星空、気を抜けば語りかけてくる彼ら...


「問題は山積みだな...というかそういえばあの馬鹿達が動いてる可能性があるのか...テロ起こすんだろうし入ればニュースで分かるか...しかし私は表向きに死んだせいで諜報網の半分以上が死んだのが痛いな」


そう、情報か...あいつに話つけないとダメか?...まー、そういう契約だしなぁ...

端末に数字を打ち込み発信する


『...もしもし、どちら様?一般人が私の回線を見つけたのは褒めてあげるけd』


「私だよRize」


『博士!?博士なの!?良かったぁ...心配したのよ?』


「いつも思うが君は、なんというか...犬のような人だな」


『は?報酬倍貰うわよ?』


「いいさ、好きにするといい、国連のクズが私の私財を抑えるかもしれん、その前に取れるだけ取ると良いだろう...もしそうなったらだが...まぁ、今は情報が足らないんだ、多少割高でも構わんさ」


『良いわね、好きよ博士、いつも金払い良いんだもの』


「あぁ、私も君のように仕事が早くて正確で欲しいものがハッキリしている人物は大いに好感が持てるよ」


『うんうん、煽てても煽てなくても仕事の速度は変わらないけどモチベは上がるよ〜、で...何が欲しいわけ?』


「国連内部の情報、方針、そして...本当に私の研究が凍結されたのか」


『...とんでも無いものを要求するわね...』


「あぁ、あとDRSの動向等も出来れば、こちらは出来ればでいい」


『...デッドロッキングシンジケート?なぜ?』


「そこの頭とは何かと縁があってね、私の予想だと国連相手にテロを計画しているんじゃないか?あの"解放の女神事件"の様な」


解放の女神事件...未だに犯人の影すら踏めず世界中のお偉いさんが血眼になって追い回しているテロ事件だ


『げ、あれデッドロッキングシンジケートの仕業だったの?』


「そうだとも、だがそれを知っているものは少ない...というか彼らシンジケートと名乗ってはいるが事実的には裏の警察だからね...いや、警察ほど無能では無いからうん、裏の執行人達だよ」


『...なんで博士がそんな情報を持ってるのか気になるんだけど?』


「なぁに、私は情報技術分野における権威だよ?ハッキングの一つや二つ、クラッキングなどもお手の物さ」


『それだったら、自分で調べなさいよ』


「生憎と動きにくいし体調も余り良くないんだ...すまない、依頼の件頼んだぞ...キツイので寝る」


『あ、うん...お大事に』


なんとかボロが出る前に通話を終えられたな...いや、本当に体が痛い、そして当然の様に頭も痛い...いっその事痛覚の遮断でも...いや、デメリットが多いな


『お?繋がった!』『暴力か?』『ハロー?』


...ふざけやがって


「ふんッ!」


......よし、何とかなったな...本当になんなんだあの声、彼らは...もしそうなら何故?


『次のニュースです、昨夜機上きかみラボから実験中だった機械が逃走しました。大変危険ですので見かけたらその場を離れ警察へ連絡してください』


何やってんだよきーちゃん...全くやりそうだとは思ってたけどほんとにやるとは...で、どんな機械なんだろ?Rizeに頼む前に流れてたら追加で依頼したのに...まぁ、悔やんでもしょうがない、頭の片隅に止めておこう


それよりも今後の方針を定めよう

まず情報...これはRizeに依頼した、6割ほどはこれで賄えるだろう

次に拠点...国連の動向次第

次...どう動くか...殲滅か、服従か、逃走か

まぁ、殲滅はひとりじゃ無理だな、各所巻き込むしかないが...彼らにも家族がいるだろう...うーむ...ここは後回しだな

次、資金...通帳にあるのはまぁまぁだが研究所作ろうとするも骨折れそうなのがなぁ...とにかく資金面は今のところ問題あるようには思えない、いざとなれば...顔の広さと未発表の情報売って金にしよう

次は...なんだ?


...やばい、眠い...兎に角情報が無いことには動けん...とりあえず仮眠をとろう...

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