第9話 初めての帝国

帝国に遊びに行くだけなのに、王族専用馬車3台で行くことになった。


1台目は僕と勇者と聖女、2台目は第1第2王女と王太子、3台目は王妃といった感じにばらけた。


馬車の中でもやることは1つしかないので、僕だけが馬車をはしごして相手をしてあげた。

王族特効のおかげで、王族たちの泣き叫ぶ姿が増したような気がする。


普段政治関係などはすべて丸投げしているので、部下をねぎらってあげることも必要だから、ちょうどいい能力を手に入れられて良かった。


悪路走破の能力のおかげで、振動がほとんど伝わってこないのが地味にうれしい。

試しに能力を切ってみたら、台車に乗っているような感じで、とてもじゃないが乗っていられなかった。


帝国に着くまでの1週間で、10周近く3台の馬車を周回したら、

脳内にアナウンスが流れてきた。


『屋外で300回以上失神させたことで、ハーレムキングのレベルが11に上がりました。これにより、青姦マスターの称号を得ました。』


ダークちゃんに聞くと、いつでもどこでもやれる能力がアップするみたいというが、確かにトイレ休憩の時とかに草むらや木の陰など、外でする時に、今までよりもスムーズにことが運べるようになった。


これでトイレや風呂と言った狭い場所でも能力を発揮できそうだ。


みんなの性技もどことなく磨きがかかってきたような気がする。





帝国の首都に着くと、そのまま王国の大使館のようなところに向かう。

そこにずっと滞在することになるので、周りに気兼ねなくくつろげそうだ。


とりあえず明後日行われる大会まで暇だから、帝国を散歩してみるか。


勇者と聖女と自分の3人に隠蔽魔法をかけて、王族たちの前を通り過ぎたが、まったく気づかれなかった。

念のため3人に気配遮断効果の高い隠密を発動し上掛けする。


まずは会場の下見に行こう。


数万人の観客を収容出来る巨大な競技場に到着した。


ここでどんな競技が行われるのか、勇者に聞いてみた。


「まず初めは、各国のチームごとに、子供たちに大人気の魔力1のファイアーボール 的当て合戦が行われます。」

ランダムに動く的にファイアーボールを何個当てられるかという競技ですね。」


「次に、チーム対抗での魔力1のスノーボール合戦が行われます。」


「敵国のチームにスノーボールを何個当てられるかを競いあいます。」


「さっきから気になったのだけど、なぜ魔力1で作るの?」


「はい、魔力1なら、魔力を覚えたての子供でもできるので、学校の行事でも同じように行なわれています。あらかじめ魔力1のファイアーボールを作っておいて的に投げるのですが、参加者は魔力キャンセラーをつけて行うので、自分の魔力は使えません。純粋に、走って投げるだけの子供でもできる競技になってます。」


「スノーボールも一緒ですが、こちらは高性能なカメラ計測器が何個当てられたか数えてくれてますので、当てた数から当てられた数を差し引いたポイントで勝敗が決まります。」


「この2つの競技で1位と2位のチームが決勝で模擬戦を行います。勝ったチームが優勝となります。」


「その後は、一般市民を交えた戦闘指導のような交流会が行われ、1日目は終了となります。」


「えっ? 2日目もあるの?」


「はい、2日目は個人の技を披露する場となります。皆各々得意な剣技や魔法を披露して終了です。」

「あと、1日目の夜は、晩餐会が催されますので、皆さんここで交流を深めています。」

「その時に優勝チームに記念品が贈呈されます。」

「王国の宝物庫にあるものよりも、いいものがもらえる時もあるので、皆真剣に頑張ります。」

「王国は毎年3位か4位なので、優勝賞品をもらえたことはないのですが、今回はご主人様がいらっしゃいますので、どうしても期待してしまいます。」


「いやいや、魔力キャンセラーなんて聞いてなかったし、とてもできるとは思えないよ。」


「そうですよね、普段は魔力を使って魔物を倒しまくる我々勇者たちが、魔力無しで一般人のように泥臭く立ち向かう姿を見て何が面白いんだか。」

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