第7話 国王宣言
寝ている王女を収納のパーソナル空間にしまい、ダークちゃんに聞いてみた。
「ねえねえダークさんや、僕がいろんな魔法を使えて自分でも驚いているのだけど、それなら今日晩餐会に出席している貴族どもを1度に眷属化することはできるのかな?」
「主殿、お主も悪よのぉ~。私の魔法回路を使えば、そんなことはいとも簡単にできますぞ。」
「じゃあせっかくだから、王宮ごとこの国の中枢をいただきますか。」
「それがよろしいかと。」
僕は7番目のチャクラ、ダークちゃんの魔法回路を使いながら、6番目のチャクラを使って、大規模ハーレム魔法を発動する。
【極大ハーレム香】
全身から濃密で膨大なハーレム香が放たれ、音速のスピードで壁をすり抜けていき、数秒後には、王宮全体を包み込んだ。
大魔導士の魅了隷属魔法をハーレム香に乗せていきわたらせた結果、王宮騎士団、近衛騎士団、王宮魔導士を含む、王宮に来ていた来賓すべての人間を魅了隷属させることに成功した。
するとすぐに脳内にアナウンスが流れる。
眷属が1000人を超えたため、ハーレムキングのレベルが7に上がりました。
これにより、威光を獲得しました。
僕はまたまた、ダークちゃんを呼んで、威光の意味を聞いてみた。
人をおそれさせ、従わせる力。ですかね。眷属たちの絶対的管理者としてはプラス効果になりますが、眷属化してない人には恐ろしく見えてしまうかもしれません。
なるほど、気をつけねば。
勇者を起こし、聖女の待つ晩餐会場に向かう。
「ご主人様♡ ご主人様のご威光に包まれて、下賤どもも幸せのようです。」
「こらこら、聖女さんや、これからは皆仲間になるのですから、そんな言葉は、口に出してはいけませんよ。」
会場にいる者はすべて膝まづいて僕の足元にひれ伏している。
上座に向かうと、王太子が僕のために椅子を引いてくれた。
王様の横にすぐに膝まづく王太子、なかなか見どころがあるな。
王妃と宰相がいないと思ったら、慌てた様子で衣服を整えながら、駆けつけてきた。
王太子の横に2人で膝まづいたところをスキャンすると、体液を拭きもせずに駆けつけてきたのが見て取れた。
晩餐会の最中に逢引きしていたようだ。
女王はまだ32歳と若いから、最近疲れている王様の目を盗んで、宰相と不倫していたようだ。
宰相のステータスが思ったよりも高いから、女王の欲求不満を満たすのにちょうど良かったのだろう。
後で躾しなおさなければならないな。
一気に眷属が1000人に膨れ上がった僕は、皆の頭の中に念話で宣言する。
「今日、この時より、私ユージは、この国の王として君臨する。」
「魅了隷属の魔法をかけた指令書を渡すから、自分の領地に戻った際は、家来どもを一堂に集め、私の意向を伝えること。」
「また、諸外国には、混乱を避けるため、時が来るまで伏せておくこと。」
こうして僕は、どこかの田舎にでもハーレム国を建国しようと思っていたことはすっかり忘れて、王国を奪って自分のものにしてしまったのである。
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