第2話 淫邪神の残滓 眷属になる

なんか聞いてた話と違うぞ、収納レベル9は一緒だけど、収納レベル10は、容量がお屋敷1棟まるまる入るくらいで、収納レベルマックスは、山とか湖がまるまる収納できるとかそんな感じで聞いてたのに、おかしすぎる。


もしかして、淫邪神の残滓に憑りつかれているから、レベルアップの仕方が神っぽくなってしまったのかな?


とりあえずパーソナル空間とかいう場所に入って見よう。


目の前に現れた扉を開けて中に入ると、そこはだだっ広い道場のような処だった。

無敵になると言ってただけあって、力がみなぎっているのがわかる。


精神を集中して、淫邪神の残滓を体外に排出する。


目の前に現れた昏い靄の塊を消滅させるべく、収納内にあった剣を掴み、切りかかろうとしたその時、


「どうか命だけはお助けを。何でも言うことを聞きますぞよ。」


まさかの命乞いである。


「そうだ、使い魔などいかがかな。役に立つと思うぞよ。」


「契約してもいいけど、大人しく従えるの?」


「もちろんですぞ。いつでもどこでも何なりとご命令下さい。」


「それではここに眷属契約の魔方陣を発動しますので、契約をお願いします。」


まさかの使役される側からの魔方陣の発動です。


まぁ自分ではやり方がわからないから、気をきかせてくれたのだろう。


幼女の姿になった淫邪神の残滓の頭に手を当て、眷属契約と唱えると、幼女のへその下に契約紋が刻み込まれた。


『眷属に名前を付けて下さい。』


脳内にアナウンスが流れた。


「名前か~。そうだなぁ。」


「ダークエロスだったから、ダークでいいんじゃね。」


「ありがとうございます。名付けていただいたので、ご主人様と念話ができるようになりました。」


「せっかく眷属にして頂いたので、お礼に私の持つスキルをコピーしてプレゼントさせてください。」




普通の庶民は、5歳の時に職業スキルをもらい、まれに10歳の時にスキルがもらえる。

5歳で勇者の職業スキルをもらい、10歳で剣聖のスキルをもらえた今の勇者は、15歳で魔法のスキルをもらい、最強になった。


僕は5歳の時に商人の職業スキルをもらい、10歳で収納のスキルをもらった。

勇者と同い年の収納持ちの中で1番容量が大きかったのが僕だったので、勇者一行の荷物持ちとして同行することになったのだ。


スキルがそんなに簡単に増やせるはずがないと思っていた僕は、ダークにそのことを聞いてみた。


「普通はご主人の思っているとおりなんですが、強奪のスキルを持ってる奴なんかは、相手のスキルを奪って自分のスキルにできます。」


「ただ、スキルを所持する条件がありまして、自分のチャクラの数だけしか持てないのです。」

「職業スキル、盗賊が強奪のスキルを持ったとしても、チャクラが3つ開いてなければ、強奪したスキルは消滅してしまいます。」


「そのチャクラってのは最高何個まで開けられるの?」


「高位の人間であれば最高7個まで開けられると聞いていますが、勇者がやっと先ほどの戦闘で4つ目を開けられたところですので、なかなか難しそうです。」


「それならここでがんばって、チャクラを開けてスキルを増やしてみようよ。」


「わかりました、主が1つでも多く所持できるよう尽力します。」

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