第2話
次の日、私は期待に胸を躍らせながら学校に行った。何せ、すごい先生の授業を受けられるからである。しかし、その期待は裏切られた。このクラスは剣術を扱う生徒のクラスなのは察せる。そして、剣術は基礎が大事である。だからと言って剣術の基礎の基礎である魔力の扱い方まで教わる必要があるのだろうか?この学校は名門校であるから、それくらいは完璧に扱える人は多いのだろう。そう思っていた。だが、実際は違っていた。結構ダメだしを食らっている人がいたのだ。私もダメ出しを食らっていた。しかも結構的確に。まさかここまですごい先生とは想定していなかった。
「あの先生すごくない!まさか魔力の扱い方で指導を受けるなんて思ってもなかった。しかも結構効果あるし。」
山田はそう言った。
「確かにそうだね...」
私はそう答えた。
「どうしたの?何か腑に落ちないことでもあるの?」
「いいや、別に。」
「そう。放課後は予定ある?」
「ごめん。今日も無理。」
「うん...。そうか、分かった。」
私と山田はそのような会話をした。
放課後、私は先生の元に指導を仰ぎにいった。
「君は花上君だね。確か、花の剣術を扱っていたね。花の剣術は、反撃を軸にしている剣術。その剣術を今から教えるから付いてきなさい。」
先生はそう言った。私は
「はい、分かりました。」
と答えた。先生の剣術は私より遥かに上手かった。比べるのがおこがましいくらいであった。先生は私に対して、丁寧に指導してくれた。私は、私の剣術が如何に未熟だったのか分かり、恥ずかしい思いになった。それと同時に、ある疑問も大きくなっていった。それは、『先生は、何者であるか』だ。(確かあの先生の名前は、月下聡一だったよな...あの先生は一体なんなんだ?)私は心の中でそう思った。いくらか時間が過ぎ、先生は
「今日はこれで終わろうか。」
と言った。私は
「ありがとうございました。」
と答えた。私は決心した。
「月下先生、あなたは一体何者なのでしょうか?」
私はストレートにそう質問した。先生は
「私はただの先生ですよ。」
と答えた。(やっぱり簡単には教えてくれないよな...)私は離れていく先生の背中を見ながらそう思った。「今日は半月か...」そう呟き私は学校を後にした。
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