虚劇『 』
― 幕間 ―
虚劇の歴史は遡れば長い。いつだって人間は恨み恨まれ、その理由は大概自分勝手にして互いに互いが悪いと思っているものだから、最悪どちらかが死ぬまで収まることはない。ある時代に、人間は自らの憎しみでもって、世界を壊しかけた。そこで自浄作用的に発生した現象が、虚言の起源であると言われている。積り積もった一瞬の殺意は、放っておけば束になって実体を殺してしまう。人間世界の摂理に反した死体が大量発生しないよう、生まれた怨恨を一枚ずつ破って無かったことにしていく。破れど破れど終わりは来ない。しかし当面、今のところは、それくらいしか方法がないのだ。
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