第2話 午後1時30分

「水曜日ってだるいよね。

休み明けの月曜日は憂鬱だけど、金曜日は翌日からの休みの為に頑張ろうって思えるじゃない。

でも水曜日ってさ、どっち付かずでだるいよね」


一緒に個展に遊びに出かけたキョウコはスマホを片手に大あくびしながら言う

よく見れば彼女の目の下には大きなクマがあった。


「ごめん、学生みたいなこと言って

でもなんだか私、そういうこと言っておきたい気分だったの」


「いいけどー、なんか疲れてる?

この後何か甘いものでもいっしょに食べに行かない?」


「いや、いいわ。私帰らないと仕事溜まっててさ―」


「仕事?キョウコの仕事ってそんなんだったっけ?」


「ううーん、最近副業始めてそっちの仕事。ああ、眠い」


キョウコはまた大きくあくびをすると地面に向かって手を伸ばして伸びをした。


「お客さんとか待ってるし」


「お客さんかー、ハンドメイドみたいなこと?」


「メイってさ、ドキドキだよね。

そうそう。私、才能あったみたいなんだー」


「どんなのよー、今度私にも見せて?」


「うーん、そういうのってさー。秘密の趣味を明かすみたいで恥ずかしいなー」


そんな風に話して、展示されている作品についてあれこれ話していると

あっという間に出口だった。


「あー、外って眩しいねー。じゃあメイまた今度ね、今日も楽しかったわ」


「うん、ありがとうキョウコ。私も楽しかった」


私たちは何の気もない別れ言葉を口にして別れた。


私は目の下にクマまで作って没頭できる趣味を持つキョウコが羨ましかった。

そこで趣味の一つであるミステリーの時間というものを作り出したのだ。

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