第2話 午後1時30分
「水曜日ってだるいよね。
休み明けの月曜日は憂鬱だけど、金曜日は翌日からの休みの為に頑張ろうって思えるじゃない。
でも水曜日ってさ、どっち付かずでだるいよね」
一緒に個展に遊びに出かけたキョウコはスマホを片手に大あくびしながら言う
よく見れば彼女の目の下には大きなクマがあった。
「ごめん、学生みたいなこと言って
でもなんだか私、そういうこと言っておきたい気分だったの」
「いいけどー、なんか疲れてる?
この後何か甘いものでもいっしょに食べに行かない?」
「いや、いいわ。私帰らないと仕事溜まっててさ―」
「仕事?キョウコの仕事ってそんなんだったっけ?」
「ううーん、最近副業始めてそっちの仕事。ああ、眠い」
キョウコはまた大きくあくびをすると地面に向かって手を伸ばして伸びをした。
「お客さんとか待ってるし」
「お客さんかー、ハンドメイドみたいなこと?」
「メイってさ、ドキドキだよね。
そうそう。私、才能あったみたいなんだー」
「どんなのよー、今度私にも見せて?」
「うーん、そういうのってさー。秘密の趣味を明かすみたいで恥ずかしいなー」
そんな風に話して、展示されている作品についてあれこれ話していると
あっという間に出口だった。
「あー、外って眩しいねー。じゃあメイまた今度ね、今日も楽しかったわ」
「うん、ありがとうキョウコ。私も楽しかった」
私たちは何の気もない別れ言葉を口にして別れた。
私は目の下にクマまで作って没頭できる趣味を持つキョウコが羨ましかった。
そこで趣味の一つであるミステリーの時間というものを作り出したのだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます