第3話 外が暗くなるまで
だるい水曜日とミステリーについてを思い出しているうちに
玄関のチャイムから時間が経ってしまっていたようで
スマホに置き配が完了したとの通知メールが届いていた。
ボロアパートとはいえ女性の一人暮らし
念のためスコープで外を覗いてみたり、チェーンロックをかけて扉を開けてみてから置き配の段ボールを収容する。
ドアに鍵をかけると段ボールを盛大にバリバリっと開けて
圧着されたビニールも手早くガシャガシャと開ける。
「じゃじゃーん」
誰もいない廊下で今回買った商品の一つを高々と掲げてみる。
正面のガラスに映った自分の姿を見て素に戻ると
ビニールを纏めて段ボールを折りたたんで壁に立てかける。
小説、漫画、ブルーレイを小分けにして運んではテレビ前の床に並べていく
全部並べ終わると折り畳みの収納椅子を抱えてソファーに腰かける
収納椅子の中とテレビ前の床には無数のミステリーが並んでいる
迷っていたところにまた悩む先が増えてしまった。
時計の秒針が進む音の中悩んでいる時間がもったいなく感じて
手に持っていた収納椅子を組み立てるとテーブルの冷めきった紅茶を片手に
新しく買ったミステリーの裏のあらすじをざっと読みながら
新しい収納椅子にしまっていく
二つの収納椅子を壁際に並べて蓋を閉める。
紅茶カップを流しに置くと速足で暗くなったベランダから洗濯物を取り込んで
ソファーに置いて手早く畳んで元の場所へと戻していく
カップを手早く洗って、夕飯の支度をして
ミステリーの時間は終わっていつもの夜がやってきた。
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