第12話 優位を狩る悪魔の石像
第12話 優位を狩る悪魔の石像 Part1(ゲーム)
全ての国の王を倒した類清と青充は
青充のフォローで早々と【アブゼリード】を召喚することに成功した類清は、一撃必殺のコンボで
【
「【
水流が両モンスターの間に入る。
【
特殊カード/残存型/海流系
発動条件:自分ターンまたは相手ターンにカードの発動が可能。
効果:このカードが場にある限り、自分の場の海流系カードは戦闘で破壊されない。
「このカードがある限り、俺の場の海流系モンスターは戦闘で破壊されない!」
「くっ、防がれたか。
ターン終了だ」
手札
類清:5枚
青充:2枚
TURN6
(青充のターン)
「俺のターン」
「【
【
特殊カード/残存型/海流系
発動条件:自分ターンまたは相手ターンにカードの発動が可能。
効果:???
「(【
奴が手札に何らかのカードを揃えようとしている可能性はある。
もしそうならば、早めに決着をつけなければ…)
【
【
モンスターカード/中距離部類/固有ターン1/飛行系
中距離攻撃力200
中距離効果:自分ターンに1度、発動可能。
攻撃力をターン終了時まで、1000上げる。
この効果を発動した場合、このターンこのモンスターは攻撃できない。
(素早い動きで飛び回る龍。
争いを好まないが、本気を出すと手強い)
「効果を発動し、攻撃力を1000上げる!」
【
「さらに【
攻撃力を1000上げる」
【
モンスターカード/中距離部類/固有ターン1/飛行系
中距離攻撃力300
中距離効果:自分ターンに1度、発動可能。
攻撃力をターン終了時まで、1000上げる。
この効果を発動した場合、このターンこのモンスターは攻撃できない。
(素早い動きで相手の背後にまわる龍。
翼から放たれる攻撃を受けると、一瞬にして溶けてしまう)
【
「2体を墓地に送り…」
2体の龍が飛び立つ。
攻撃力の合計:2500(1200+1300)
「【
【
モンスターカード(リード)/中距離部類/固有ターン5/飛行系
召喚条件:自分の場のモンスターの内、カードに記載されている攻撃力と異なる数値の攻撃力を持つモンスターを、攻撃力の合計が1800以上になるように墓地に送ることで、リードデッキから召喚可能。
中距離攻撃力1800
中距離効果:自分ターンに1度、発動可能。
場のカード1枚を指定することで、そのカードの効果は無効になる。
(このカードが場を離れても効果は続く)
(晴天を舞い、翼の光で相手の動きを封じる
細身で翼があることから、龍のように見える)
「【
場のカード1枚の効果を無効にする。
俺が選ぶのは【
「
その瞬間、翼に向かって水流が飛んできた。
【
「!?」
「【
このカードがある限り、海流系カードの効果は無効にならない!」
【
特殊カード/残存型/海流系
発動条件:自分ターンまたは相手ターンにカードの発動が可能。
効果:このカードが場にある限り、自分の場の海流系カードは効果が無効にならない。
「くっ…。
俺が【
「当たり前だろ。
お前達の戦いはゆっくり見させてもらった」
「ターン終了だ」
「お前ら焦りすぎだよ。
そんなに
「誰がお前なんか!」
「気づいてんだろ?
早くなんとかしねぇと、手札に揃っちまうかもな?」
「え? なんか揃えてんの、あいつ?」
類清の反応にアブゼリードは少し呆れる。
「君は気づいていなかったのか。
【
そのような効果は、一度手にしたカードを保存しておくために使われるもの。
ならば当然、奴がターンを重ね、何らかのカードを揃えようとしていると考えられる」
「"単に良いカードを残したかったから"ってわけじゃなかったのか」
青充が入る。
「お前、それでよくここまで勝ち残れたな」
「うるせぇな。
ちょっと勘違いしてただけだろ?」
「楽しそうなとこ
手札
類清:5枚
青充:4枚
TURN7
(
「俺のターン。
再び【
【
モンスターカード/通常部類/固有ターン1/海流系
通常攻撃力100
通常効果:このモンスターを従えるプレイヤーは、ドローフェイズにおいて、選んだ手札をデッキに戻さなくてもよい。
(体は龍、足は馬の赤紫の騎兵。自身の吐く水で鋭い槍を作る)
手札1枚を残し、もう1枚を渦に投げ込む。
新たなカードが手札に加わった。
カードをドローし、ニヤリと笑う
「さらに【
全てのプレイヤーに600のダメージ!」
【
モンスターカード/通常部類/固有ターン3/海流系
通常攻撃力300
通常効果:自分ターンに1度、発動可能。
全てのプレイヤーは600ダメージを受ける。
(体は龍、足は馬の水色の騎兵。自身の吐く水で鋭い槍を作る)
青充の累積ダメージ:1200(600+600)
瞳彩の累積ダメージ:1700(1100+600)
類清を包んでいる【
「そして【
青色の騎兵が現れる。
【
モンスターカード/通常部類/固有ターン5/海流系
通常攻撃力500
通常効果:自分ターン中に、自分または相手がダメージを受けた場合、そのターン中に発動可能。
100ダメージを受けることで、次の効果から1つを選んで適用する。
(それぞれ1度ずつまで発動可能)
・自分の手札を任意の枚数デッキに戻し、シャッフルした後、同じ枚数をドローする。
・全てのモンスターは次の自分ターン終了時まで、戦闘で破壊されない。
(このモンスターが場を離れても効果は続く)
(体は龍、足は馬の青色の騎兵。自身の吐く水で鋭い槍を作る)
「ここで【
100ダメージを受けることで、全てのモンスターは次の俺のターン終了時、つまりTURN10終了時まで、戦闘で破壊されない!」
【
その水は散らばると、各モンスターの前に盾のように配置された。
「そして【優位を狩る悪魔の石像】を発動!」
【優位を狩る悪魔の石像】
特殊カード/命運系
発動条件:全てのプレイヤーの累積ダメージが0ではない場合、自分ターン中に発動可能。
効果:???
三者の中央に不気味な悪魔の石像が現れる。
「【優位を狩る悪魔の石像】はその名の通り、最も余裕のある奴を懲らしめる悪魔」
「余裕のある奴?」
「五仕旗でいう優位、余裕とは、すなわち累積ダメージ。
この中で最も累積ダメージが小さい奴は、自身が従えるモンスターの攻撃力の合計分のダメージを受け、さらに場のカード全てをデッキに戻さなければならない!」
「何だと!?」
「無茶苦茶だろ! そんなの!」
「今、最も累積ダメージが小さいのは…」
類清の累積ダメージ:2600
青充の累積ダメージ:1200
「革霧青充! お前だ!」
「くっ…」
「だが安心しろ。
心優しい俺が、お前達に猶予をやるよ」
「猶予だと?」
「この石像の効果が適用されるのは次の
それまでに何とかするんだな」
【優位を狩る悪魔の石像】
特殊カード/命運系
発動条件:全てのプレイヤーの累積ダメージが0ではない場合、自分ターン中に発動可能。
効果:1ラウンド目の終了時に(この効果を発動したターンを1ラウンド目の1ターン目とする)、累積ダメージが一番小さいプレイヤーは、自身の従えるモンスターの攻撃力の合計分のダメージを受け、自身の場のカード全てをデッキに戻す。
「(せいぜい生き残る方法を模索しろ。
お前らにできることは、流導類清があえて革霧青充を攻撃し、ダメージを与えること…)」
**********
<
類清がモンスターで【
**********
「(だが、【
**********
<
攻撃が水の盾に阻まれる。
**********
「(モンスターが戦闘破壊されなければ、プレイヤーはダメージを受けることはない。
したがって、戦闘ダメージによる累積ダメージ増加は見込めない。
もう一つの手段は効果ダメージ。
類清の場には効果ダメージを与えられる特殊カード【
**********
<
【
【
青充の累積ダメージ:1700(1200+500)
**********
「(だがその効果で与えられるダメージはせいぜい500ポイントどまり。
青充がダメージを受けたとしても、全プレイヤーの累積ダメージは…)」
<想定の累積ダメージ>
類清の累積ダメージ:2600
青充の累積ダメージ:1700
「(この場合もまた、最も累積ダメージが小さいのは革霧青充!
奴の敗北は決定的だ!)
ターン終了。
さぁ、流導類清!
まずお前から、無駄な足掻きを始めろ!」
「無駄かどうかその目でよく確かめるんだな」
「得意の強がりか?」
「類清」
アブゼリードが声をかける。
「何だ?」
「青充がこの効果でダメージを受ければ、累積ダメージ1200の彼は敗北してしまう。
何としても、彼を救うぞ!」
「そんなこと、言われなくても分かってるよ!」
手札
類清:5枚
青充:4枚
TURN8
(類清のターン)
「俺のターン」
その瞬間、石像が類清の方に顔を向けた。
体は動かさず、首だけこちらを向いた分、余計に気味が悪い。
「うわっ! びっくりした!
あいつ、怖くねぇか?」
「ああ。正直私も驚いた」
「同じ悪魔のお前でも驚くんだから相当恐ろしいな」
「私は悪魔ではない。
それよりも、打つ手はあるか?」
「えっと…」
「類清!」
その時、青充の声がした。
「ん?」
「俺を攻撃しろ。
このゲーム、ルール上、俺が負けてもお前は残る。
そうなれば、累積ダメージが最も小さいプレイヤーは
奴のカードはデッキに戻り、隙が生まれるはずだ。
そこをお前が倒してくれ」
「青充…」
「(こいつバカなんじゃねぇのか?
相当混乱してるみてぇだな。
第一に【
そのことを忘れてる時点で、てめぇは終わってる。
それに、仮に破壊できたとしても、類清はそれをしない。
なぜなら奴は仲間を見捨てることができないから。
自分のために誰かを犠牲にするなんてことはできない奴なんだよ、こいつは。
そんなことにも気づけないとは。
もういい。お前はここで負けろ)」
類清はターンを進める。
「俺は【
【
【
特殊カード/加工系
発動条件:場に装飾系のカードがある場合。
効果:発動条件で、そのカードを墓地に送ることを要求している装飾Lv.2系のカード1枚をリードデッキから発動する。
首飾りは
「【
【
特殊カード(リード)/残存型/装飾Lv.2系
このカードは装飾系カードとしても扱う。
発動条件: 【
効果:このカードの発動時に、次の効果を発動する。
場のモンスター1体を指定する。
このカードが場にある限り、指定したモンスターはカードに記載された攻撃部類を失い、追加で思念部類を得る。
???
「俺は【
「バトル!
【アブゼリード】で【
【
vs
【
「(攻撃だと!?
バカな! 何のために!?)」
「
【アブゼリード】が吹雪を放つ。
「【
青空が広がる。
【
特殊カード/残存型/飛行系
発動条件:自分ターンまたは相手ターンに、カードの発動が可能。
効果:このカードがある限り、飛行系モンスターを従えるプレイヤーは次の効果を発動できる。
自身の飛行系モンスターが中距離部類以外のモンスターに攻撃を受けた場合、発動可能。
その攻撃を無効にする。
「ターン終了」
「(奴は類清に自ら攻撃を誘いながら、何故!?)」
手札
類清:4枚
青充:3枚
TURN9
(青充のターン)
石像が青充の方に顔を向ける。
「俺のターン。
バトル!
【
【
vs
【
「【
「そこではない!」
「あ?」
その時、【
「う…」
青充の累積ダメージ:2100(1200+900)
「何だこれは!?」
「【
このカードに指定されたモンスターが破壊された場合、そのモンスターの攻撃力分のダメージを、そのモンスターを従えていたプレイヤーに与える。
だが、この首飾りの真の力はその先にある。
相手がダメージを恐れて破壊を逃れたその時、更なる罠が起動するんだ」
「俺は前の類清のターン、【
それこそ【
指定されたモンスターが戦闘する度に、攻撃力の半分のダメージがプレイヤーに発生する!」
【
特殊カード(リード)/残存型/装飾Lv.2系
このカードは装飾系カードとしても扱う。
発動条件: 【
効果:このカードの発動時に、次の効果を発動する。
場のモンスター1体を指定する。
このカードが場にある限り、指定したモンスターはカードに記載された攻撃部類を失い、追加で思念部類を得る。
指定したモンスターが場を離れた場合、そのモンスターを従えていたプレイヤーに、そのモンスターの攻撃力分のダメージを与える。(場での攻撃力を参照)
また、指定したモンスターが攻撃されても、その攻撃が成立しなかった場合、以降、そのモンスターが戦闘する度に発動する。
そのモンスターを従えるプレイヤーに、そのモンスターの攻撃力の半分のダメージを与える。
「!?
お前はその効果を知っていてわざと!」
「ああ。あえて攻撃を無効にしたんだ」
「青充が俺に、攻撃をしかけるように指示した時、"戦闘ダメージじゃなく、効果ダメージを与えろ"って言ってるんだって分かった。
青充は昔から、勝負を諦めるようなことは言わなかったからな。
まぁ、だからってホントに攻撃しても大丈夫かは分からなかったけど」
「その時はその時で、お前が戦えばいいだろ」
「何だ。
あれ、半分本気で言ってたのか」
「負けを恐れて
「お前がいいならいいけどさ」
「俺は【
翼から光が放たれ、首飾りにヒビが入る。
「これで【
そして、ターン終了。
さて、今、最も累積ダメージが小さいのは誰だ?」
「くっ…」
類清の累積ダメージ:2600
青充の累積ダメージ:2100
「したがって【優位を狩る悪魔の石像】の効果が適用され、お前は自分のモンスターの攻撃力分のダメージを受ける」
【
【
【
攻撃力の合計:900(100+300+500)
石像が
それは次第に速くなり、場の様子は見えなくなる。
しばらくして悪魔が止まると、全てのカードは消滅していた。
悪魔はもう一度笑い声をあげて、消えていった。
「どうだ?
他人を落とすために仕掛けた罠で受けるダメージの味は」
「貴様ら…」
続く…
**********
「
それにしてもあいつ、何を揃えようとしてたんだ?」
次回 三漂群
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