第9話 型破りな勝利 Part3

「これで全ての国を制覇した」


「ボイロヴン。

その…今回は、助かったよ。

ありがとな」


ボイロヴンは黙って類清を見ている。


「何だよ。何見てんだよ」


「面倒なことに俺を巻き込むな」


そう言って消える。


「何だあいつ!

自分も結構楽しんでたじゃねぇか!」


「後は瞳彩アイリスを倒すだけか…」


瞳彩アイリスの声がする。


「よぉ!

お前ら遂にやったな!

4つの国の王を倒したご褒美に、これから俺が相手をしてやるよ!」


「何がご褒美だ! ふざけるな!」


「エントランスで待ってるぞ!」


「エントランスだと!

今から歩いてそこまで行けというのか。

何ヶ月かかると思っている!」


「安心しろ」


翼のあるモンスターが3体、こちらに向かって飛んできた。


「こいつらに乗ってこい」


その時、皆の背後から声がした。


「と、その前に!」


翼のあるモンスターに乗り、上空からフォーカスがやってくる。


「あっ! お前!

この前はよくも!」


「それはこっちのセリフだ!

瞳彩アイリス様の邪魔をするな!」


「やはり彼は、瞳彩アイリスの手下だったか」


瞳彩アイリスもフォーカスの登場は意外だった。


「(あの野郎、いつの間に!

余計なことしやがって!)」


「流導類清!

もう一度、僕と勝負だ!」


「待って!」


そう言って入ってきたのは風潤だった。


「あなたの相手は私が引き受ける」


「風潤」


「何でお前なんか!

僕は類清と勝負するって言ってるだろ!」


「私に勝てなきゃ類清にも勝てないよ、きっと。

私より類清の方が強いもん。悔しいけど。

二人はこれから瞳彩アイリスと戦う。

あなたの信じる瞳彩アイリスは類清に負けちゃうんだ?」


瞳彩アイリス様があんな奴に負けるわけないだろ!」


「だったら問題ないじゃん。

下っぱ同士で決着つけようよ」


「下っぱだと!

今のは頭に来たぞ!

僕と君じゃ下っぱのランクが違うことを思い知らせてやる!」


「そういうことだから、みんな行って」


「類清、行くぞ」


「ああ」


「(類清と青充君、二人の実力ならきっと…。

二人の力…。

そうだ!)」


風潤は閃き、デッキからカードを取り出す。


「類清!」


風潤はカードを投げ渡した。


「えっ! これ! お前、大丈夫なのか?」


「大丈夫。ダメだったら渡さないから。

役に立つと思うから使って」


「ああ。

風潤、頼むぞ」


「任せて」


アブゼリードはカードに戻り、類清と青充は空に向かって飛んで行った。


「ごめんね。お待たせ」


「ホント、時間かかりすぎ」


「私を倒して、類清を倒して、それから青充君まで倒せたら、瞳彩アイリスも褒めてくれるんじゃない?」


「本当かい?

って、あいつらは瞳彩アイリス様が倒すんだよ!」


「そうだったっけ。

起動聳スターターカク、オン!」


システムが起動する。


「五仕旗…」


Media=II Generationメディア・ジェネレーション!」


続く…

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