第6話 飛翔の照蜴 Part3

「こちらのカードをお持ちください。

最終ステージにて、必要なカードです」


機械の声が告げる。


ChroMacclimaクロマクライマ-KeYキー】のカードを手に取る。


「(なぜこのカードを?

何かに使うのか?…)」


倒れているパースを調べる革霧。


「(やはりそうか…)」


アトリエをあとにして歩き出す。


「(これで3つの国の王は敗れた。

残るは…)」


**********


<森林の国>


カラムローを倒した類清とアブゼリード、風潤は、パントリーの食料を食べながら羽を伸ばしていた。


モニターから音がする。


「?」


芸術の国の王が敗れたことが示された。


「おっ!

誰か勝ったみたいだな」


「類清、強者は君だけではないようだな」


「まぁ、他の奴にも少しは見せ場を作ってやらねぇと」


「そんなことを言える立場か。

昨日の戦いは、風潤がいたから勝てた。

あれを除けばまだ君は1勝しかしていないのだぞ」


「何で除くんだよ!

風潤一人でも勝てなかったかもしれないだろ!」


「私、そんな心許ない?…」


「いや、そういう意味じゃなくて…」


「アブゼリードって類清に厳しいよね」


「私がいなければ、類清はすぐに調子に乗って暴走するからな」


「全然信用されてねぇな、俺」


**********


それから2ヶ月、最後の国を目指して三人は歩き続けた。

風潤が用意していた地図のおかげで、類清とアブゼリードの二人で旅をしていた時よりも効率よく進むことができた。


途中、行く手を阻む敵もいたが、王を倒した二人からすれば何でもなかった。


そして遂に、最後の国の一歩手前のところまで辿り着いた。


風の国の門の前。

その男を見つけたのは風潤だった。


「革霧副部長!」


名を呼ばれ、彼は振り返る。

ほとんど表情には出なかったが、三人を見た革霧は意外そうにしていた。


「彼もここに来ていたのか…」


続く…


**********


「なんであいつがここに?

なんか嫌な予感がするんだよな…」


次回 俺は一歩も引かない

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