第7話 俺は一歩も引かない
第7話 俺は一歩も引かない Part1
革霧は
類清と風潤は、革霧とは異なる部に所属していたが、彼のことは知っていた。
仕事で関わることは皆無といっていいが、彼ほどの役職の人間が表に立つことは珍しいことではない。
二人とも彼の存在は認識していたのである。
しかし、
向こうもそうかもしれない。
突然のことで互いに動揺したのか、わずかに沈黙があったが、やがて革霧が口を開いた。
「お前達、今すぐに引き返せ」
「は?
お前何言って…」
熱くなる類清をアブゼリードが止める。
「おい、類清!
彼は君より立場が上なのだぞ。
口の利き方に気をつけろ」
革霧は二人よりも年上なだけでなく、
「だけどよぉ!
俺達は何ヶ月もかけてやっとここまで来たんだぞ!
それなのに帰れってことはねぇだろ!」
「
革霧が突然システムを起動させる。
「何だよ急に!」
「どうせ言っても聞かないだろう。
お前のような奴は。
文句があるならこの俺を倒してみろ」
「ああ、やってやるよ!」
類清も準備をする。
「ちょっと待って、仲間同士で戦う必要なんてないよ!」
「そうだ!
無駄な時間を割いている場合ではない」
革霧は強引に話を進める。
「仲間同士か…。
だが俺は一歩も引くつもりはない。
俺が勝てばお前達は立ち去る。
それでいいな?」
「もちろん。
でも俺が勝った時は、あんたも黙ってそこを通せよ」
「異論はない。
五仕旗…」
「
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます