第2話 考古の復元 Part2(ゲーム)

流導類清 vs フォーカス


TURN1

(フォーカスのターン)


「僕の先攻。

掘削くっさくの悪魔】を召喚」


場に小柄な悪魔が現れる。


掘削くっさくの悪魔】

モンスターカード/打撃部類/固有ターン1/考古系

打撃攻撃力100

打撃効果:このモンスターの迎撃で発生する戦闘ダメージを、このモンスターを従えていたプレイヤーは、発生させないこともできる。

(シャベルを片手に宝を探し求める悪魔。

飽きもせず、夢中になって掘り進めることができる)


「ターン終了」


手札

類清:5枚

フォーカス:4枚


TURN2

(類清のターン)


「俺のターン。

【推測するドワーフ】を召喚」


地図やメモを手に持ったドワーフが召喚される。


【推測するドワーフ】

モンスターカード/通常部類/固有ターン1/射手系

通常攻撃力400

通常効果:1ターンに1度、発動可能。

自分の手札または自分の場から、素材系カードまたは装飾系カード1枚を墓地に送ることで、2枚ドローする。

(次に相手がどう出るか判断するのが得意なドワーフ。

情報収集における信頼は厚い)


「バトル。

【推測するドワーフ】で【掘削くっさくの悪魔】を攻撃」


【推測するドワーフ】通常攻撃力400

     vs

掘削くっさくの悪魔】打撃攻撃力100


掘削くっさくの悪魔】がシャベルで立ち向かうも、【推測するドワーフ】はそれをかわしてコンパスを投げる。

よろめいた悪魔は、そのまま破壊された。


「ここで、【ダメージ回収庫】を発動!」


フォーカスがカードを発動させると、大きなタンクが彼の前に現れた。

モニターには"400"の数字が刻まれた。


フォーカスの累積ダメージ:0


【ダメージ回収庫】のカウント:400(0+400)


「奴へのダメージが…」


「あのタンク、プレイヤーへのダメージを吸収するのか?」


「その通り。

この回収庫は、僕へのダメージを代わりに集めてくれるんだ!

便利でしょ?」


【ダメージ回収庫】

特殊カード(重発動リリアクト)/残存型/貯蔵系

発動条件:

・自分が戦闘ダメージを受ける場合、カードの発動が可能。

・自分にダメージを与える効果が発動した場合、その効果の発動に対してカードを発動できる。

効果:このカードが場にある限り、自分がダメージを受ける場合、このカードが代わりにダメージをカウントする。

カードの発動後、3ターン目の終了時にこのカードを破壊する。(カードを発動したターンを1ターン目とする)

このカードが場を離れた場合、それまでにカウントされていたダメージが自分に発生する。


「便利なもんか!

俺にとっては、いい迷惑だ!」


「でも安心して!

このカードは3ターン経ったら破壊されちゃうから。

その時にはそれまで溜まっていたダメージが、まとめて僕に与えられる」


「そうなのか?

それなら、まぁ、文句もないけど。

多少、時間が遅くなるくらいだからな。

モンスターは破壊できたし、このターンはよしとするか。

ターン終了だ」


楽観的な類清とは対照的に、アブゼリードの顔は曇る。


手札

類清:4枚

フォーカス:3枚


TURN3

(フォーカスのターン)


「それじゃあ、僕のターンね。

もう一体の【掘削くっさくの悪魔】を召喚」


掘削くっさくの悪魔】(2枚目)

モンスターカード/打撃部類/固有ターン1/系

打撃攻撃力100

打撃効果:このモンスターの迎撃で発生する戦闘ダメージを、このモンスターを従えていたプレイヤーは、発生させないこともできる。

(シャベルを片手に宝を探し求める悪魔。

飽きもせず、夢中になって掘り進めることができる)


「これで終わり」


「またそいつか。

全然攻めて来ないじゃん…」


手札

類清:4枚

フォーカス:4枚


TURN4

(類清のターン)


「俺のターン。

次は…」


「類清」


アブゼリードが声をかける。


「何だ?」


「奴のプレイングの裏には、きっと何かがあるはずだ」


「どういうこと?」


「あのモンスター、【掘削くっさくの悪魔】には、自身が迎撃で破壊された場合、戦闘ダメージを0にする効果がある。

ダメージを防ぎたいのなら【ダメージ回収庫】を発動せずとも、モンスター効果を使えばそれで済むはず。

それなのに奴は、防げるはずのダメージをわざわざ発生させ、あのタンクへとダメージを誘導した」


「なるほどな」


「となれば、【ダメージ回収庫】発動の真の目的は、ダメージを防ぐことではなく…」


「ダメージを貯めること」


「そうだ。

このターンの終わりにあのカードは破壊される。

これ以上奴にダメージを与えるのは危険だ」


二人の様子を見てフォーカスは思う。


「(奴ら、僕の意図に気づいたか?)」


「要は、ダメージを与えなきゃいいんだろ?

だったら、お前の出番だ。

来い、【手練てだれのバフォメット】!」


手練てだれのバフォメット】

モンスターカード/通常部類/固有ターン3/射手系

通常攻撃力1300

通常効果:モンスターに攻撃する場合、発動可能。

このモンスターの攻撃力は戦闘中のみ、戦闘する相手モンスターの固有ターン×100だけ上がる。

このモンスターは、装飾系カードの効果で指定されていない場合、戦闘ダメージを与えられない。

(黒を基調とした迷彩柄のバフォメット。

武器や道具を使いこなすだけでなく、元々の能力も優れている)


「考えたな。

手練てだれのバフォメット】は単体での攻撃力は高いが、装飾系カードの効果で指定されていなければ、相手にダメージを与えられないデメリットがある」


「ここはお前が適役だ。

頼んだぞ」


手練てだれのバフォメット】通常攻撃力1300

    vs

掘削くっさくの悪魔】打撃攻撃力100


手練てだれのバフォメット】に叩かれ、【掘削くっさくの悪魔】が破壊される。


「(くそっ、ダメージを発生させないモンスターか。

まぁ、いいけどね)

特殊カード【ギルティ】を発動。

自分のモンスターが迎撃で破壊された時、戦闘した互いのモンスターの攻撃力分のダメージを受けることで、そのモンスターを破壊するか、君の手札を2枚削る」


【バフォメット】が頭を抱える。


【ギルティ】

特殊カード/心理系

発動条件:自分モンスターが迎撃で破壊された場合。

効果:両モンスターの攻撃力の合計分のダメージを受けることで、次から1つを選んで適用する。

・場のモンスター1体を破壊する。

・相手の手札を2枚まで墓地へ送る。


「奴はどうあってもダメージを受けるようだな」


「だが、奴が受けるダメージは1400。

それなら…」


類清が手札から1枚を選ぶ。


「【双主演詠唱ダブルキャスト・キャスター】を重発動リリアクト!」


双主演詠唱ダブルキャスト・キャスター

特殊カード(重発動リリアクト)/詠唱系

発動条件:特殊カードが発動した時、それに対して発動可能。

効果:このカードはそのカードと同じカードとなる。

(他のプレイヤーの場で特殊カードが発動した場合は、効果処理前にそのプレイヤーの場に移動する)


**********


重発動リリアクト


通常、効果が発動した場合、その効果は直ちに処理される。


ただし、重発動リリアクト可能な効果は、効果の発動に対して発動することで、元の効果を強めたり、元の効果を無効にしたりすることができる。


重発動リリアクトした効果を処理した後で、元の効果は処理される。


**********


「今発動した【ギルティ】の効果を2回使ってもらう」


「なら、1回目。

僕は1400のダメージを受け…」


【ダメージ回収庫】のカウント:1800(400+1400)


「お前の手札を2枚墓地へ!」


【バフォメット】が苦しそうに類清に近づき、手札を2枚奪い取った。


「そして、2回目!

【バフォメット】を破壊!」


【ダメージ回収庫】のカウント:3200(1800+1400)


【バフォメット】は叫ぶと、そのまま破壊された。


「ごめん、バフォメット…」


「しかしこれで、タンクのカウントは3200になった。

このターンの終了時にあのカードは破壊され、蓄えていた数値が奴にダメージとして与えられる。

カウントが3000を超えた今、我々の勝利は決定した」


「ところがそう上手くはいかないんだよなぁ」


「何?」


「【ダメージ回収庫-代用スペア】を発動!

【ダメージ回収庫】が吸収したダメージは、全てこのカードに移し替えられる!」


【ダメージ回収庫-代用スペア

特殊カード/残存型/貯蔵系

発動条件:自分の場に貯蔵系のカードがある場合。

効果:そのカードの効果でカウントしていた数値を0にして、このカードがその数値を引き継ぐ。


【ダメージ回収庫】のカウント:0

【ダメージ回収庫-代用スペア】のカウント:3200


「ふざけんな!

このターンの終わりにタンクが破壊されるって言ったのはお前だろ!」


「僕はただ、カードの効果を説明しただけだよ。

それでダメージを受けるなんて言ってないじゃん!」


「類清。

そう熱くなるな。

あのようなカードを使う以上、何らかの効果でダメージを回避してくる可能性はあった」


「そうかもしれないけどさ…」


「そうだよ。

【ダメージ回収庫-代用スペア】には、ダメージを吸収する能力はないからさ。

今度こそ安心して!」


「こいつ!」


「今は奴の挑発に乗らず、好機を待とう」


「ああ。

ターン終了だ」


「ターン終了時、【ダメージ回収庫】は破壊されるよ」


【ダメージ回収庫】が消滅する。


「(好機か。

そんなものがあればいいけどね…)」


手札

類清:1枚

フォーカス:2枚


TURN5

(フォーカスのターン)


「僕のターン。

特殊カード【考古の復元装置】をリードデッキから発動!」


【考古の復元装置】

特殊カード(リード)/残存型/考古系

発動条件:自分の場に貯蔵系カードがある場合、自分ターンにカードの発動が可能。

効果:自分ターンに1度、発動可能。

自分の貯蔵系カードの効果によるカウントを2000ポイント取り除くことで、デッキから考古系モンスター1体を召喚する。


場に巨大な装置が現れると、ボディからケーブルが伸び、タンクに接続された。


「このタンクはいわば、装置の動力源。

君達がエネルギーを増やしてくれたおかげで、良いものを見せてあげられそうだよ」


「?」


「【考古の復元装置】の効果発動。

2000のエネルギーを使って、デッキから考古系モンスターを召喚する!」


【ダメージ回収庫-代用スペア】のカウント:1200(3200-2000)


タンクから装置へエネルギーが送られているのが分かる。

装置が音を立てると中から大柄な生物が飛び出した。

体には、タンク同様、ケーブルが繋がっている。


「【現蘇獣げんそじゅう ダイナ】を召喚!」


現蘇獣げんそじゅう ダイナ】

モンスターカード/打撃部類/固有ターン5/考古系

打撃攻撃力1600

打撃効果:???

(技術の発達により、蘇った恐竜。

敵の力を自らに取り込むことができる)


「恐竜…」


「このモンスター召喚のために、ダメージを貯めていたのか!」


「驚くのは早い。

現蘇獣げんそじゅう ダイナ】の効果発動!」


現蘇獣げんそじゅう ダイナ】に【考古の復元装置】を通して、【ダメージ回収庫-代用スペア】からエネルギーが注がれる。


【ダメージ回収庫-代用スペア】:0(1200-1200)


現蘇獣げんそじゅう ダイナ】打撃攻撃力2800(1600+1200)


「攻撃力が上がった?」


「【現蘇獣げんそじゅう ダイナ】は、自分の場の貯蔵系カードからエネルギーを取り込んで、攻撃力を高めることができる。

場に考古系の特殊カード、つまり【考古の復元装置】がないと破壊されちゃうけどね」


現蘇獣げんそじゅう ダイナ】

モンスターカード/打撃部類/固有ターン5/考古系

打撃攻撃力1600

打撃効果:自分の場に考古系の特殊カードがない場合、このモンスターは破壊される。

召喚時、発動可能。

自分の場の貯蔵系カードを任意の数選ぶ。

その効果によるカウントを0にすることで、その差の数値をこのモンスターの攻撃力に加える。

(技術の発達により、蘇った恐竜。

敵の力を自らに取り込むことができる)


「バトル!

現蘇獣げんそじゅう ダイナ】で【推測するドワーフ】に攻撃!」


現蘇獣げんそじゅう ダイナ】打撃攻撃力2800

     vs

【推測するドワーフ】通常攻撃力400


【ドワーフ】は尻尾で叩かれ潰されてしまった。


「うわっ!」


類清の累積ダメージ:2800(0+2800)


「ターン終了」


手札

類清:1枚

フォーカス:5枚


TURN6

(類清のターン)


「俺のターン。

頼んだぞ、アブゼリード」


「任せろ」


鍛凍龍かこおりゅう アブゼリード】が召喚される。


鍛凍龍かこおりゅう アブゼリード】

モンスターカード(リード)/魔法部類/固有ターン5/加工系

魔法攻撃力1800

召喚条件:自分の累積ダメージが2500以上の場合、リードデッキから召喚可能。

魔法効果:自分ターンに発動可能。(複数回発動可能)

素材系カード1枚を指定する。

そのカードの性質を被加工系に変化させる。

(素材を加工し、新たな姿にする能力を持つ龍。

見た目は悪魔に近いが、本人は龍だと主張している)


「さらに【レッドスケール・マテリシャル】を召喚」


【レッドスケール・マテリシャル】

モンスターカード/打撃部類/固有ターン3/素材系

打撃攻撃力700

打撃効果:自分の場のこのモンスターの性質が被加工系になった場合に発動する。

このモンスターカードを以下の特殊カードとして自分の場に発動する。

<【一掃鱗いっそうりんかま

特殊カード/残存型/装飾系

効果:このカードの発動時に、次の効果を発動する。

場のモンスター1体を指定する。

このカードが場にある限り、そのモンスターはカードに記載されている攻撃部類を失い、追加で打撃部類を得る。

また、1度のバトルフェイズで複数回攻撃できる。>

(見た目は龍に近い、赤色の悪魔。

強固な鱗を持ち、それを素材にした鎌は敵を一掃できる)


「そして、【アブゼリード】の効果発動。

急冷鍛錬アブソリュート・クラフト


【アブゼリード】が氷の塊を放ち、【レッドスケール】が変形する。

彼は【一掃鱗いっそうりんかま】を手にした。


「でも、攻撃力は1800のままじゃん。

それで僕のモンスターにどうやって立ち向かうの?」


「お前のモンスターは、その巨大デカい装置がないと破壊されるんだったよな?」


「そうだけど?」


「なら、これでどうだ?

特殊カード【霹靂へきれき】!

場のカード1枚の性質を消滅させる」


場に雨雲が現れる。


霹靂へきれき

特殊カード/落雷系

発動条件:自分の場に残存型の特殊カードがある場合。

効果:場のカード1枚の性質を消滅させる。


「これで【考古の復元装置】を狙えば、そのカードは考古系の性質を失う。

場に考古系の特殊カードがなくなれば、お前の恐竜も終わりだ」


「くっ…」


「機械ってのは、電気に弱いからな。

せっかく蘇ったとこ悪いけど、そいつには眠ってもらうぞ」


光が起こった直後、雷が落ちた。


目が眩む。


類清がゆっくりと目を開けると、恐竜はまだ彼の目の前にいた。


「え? 何で!?」


「雷が直撃する寸前に、これを発動した」


先手せんて閃光せんこう

特殊カード(重発動リリアクト)/閃光系

発動条件:「自分のカードに効果が及ぶ」効果を相手が発動した場合、それに対して発動可能。

効果:その効果を無効にする。


「あの時の光は、このカードによる光だったのか…」


「【アブゼリード】のことは、僕のモンスターが踏み潰してあげるよ」


「まだ終わりじゃないぞ」


「え?」


「手札から【残像のプテラノ】を召喚」


【残像のプテラノ】

モンスターカード/通常部類/固有ターン3/射手系

通常攻撃力1200

通常効果:???

(翼竜の姿に似た鎧を着た戦士。

とにかく動きが速く、大抵の敵は見失ってしまう)


翼竜の鎧を纏った戦士が登場する。


「は?

そいつが何だってんだよ?」


「さらに特殊カード【再誕錬サイレン】。

一掃鱗いっそうりんかま】を新たなカードに変化させる」


再誕錬サイレン

特殊カード/加工系

発動条件:場に装飾系のカードがある場合。

効果:発動条件で、そのカードを墓地に送ることを要求している装飾Lv.2系のカード1枚をリードデッキから発動する。


一掃鱗いっそうりんかま】が変化した。

刃に、目のようなものが付いている。


一攫鱗いっかくりんかま

特殊カード(リード)/残存型/装飾Lv.2系

このカードの性質は、装飾系としても扱う。

発動条件: 【再誕錬サイレン】の効果で【一掃鱗いっそうりんかま】を墓地に送ることで、発動可能。

効果:このカードの発動時に、次の効果を発動する。

場のモンスター1体を指定する。

このカードが場にある限り、指定したモンスターはカードに記載された攻撃部類を失い、追加で打撃部類を得る。

指定したモンスターの攻撃力はバトルフェイズの間、そのモンスターの場にいる他のモンスターの攻撃力の合計分上がる。


「アブゼリード!」


「ああ。

受け取れ、【プテラノ】!」


【アブゼリード】は【残像のプテラノ】に【一攫鱗いっかくりんかま】を投げ渡す。

【プテラノ】はそれをキャッチすると、慣れた手つきで一振りした。


「バトルフェイズ!」


【アブゼリード】はその鎌の目に向かって、冷気を放つ。


【残像のプテラノ】打撃攻撃力3000(1200+1800)


「攻撃力が…」


「【一攫鱗いっかくりんかま】を手にしたモンスターの攻撃力は、自分の他のモンスターの攻撃力分上がる!」


【残像のプテラノ】通常攻撃力3000

     vs

現蘇獣げんそじゅう ダイナ】打撃攻撃力2800


「そんなもん、怖くないね!

【加速力】を発動。

モンスターの攻撃力変化を2倍にする!」


【加速力】

特殊カード/力学系

発動条件:自身のカードに記載されている攻撃力と異なる攻撃力を持つモンスターが場にいる場合。

効果:そのモンスター1体を選ぶ。

そのモンスターの攻撃力に、<そのモンスターの場での攻撃力-そのモンスターのカードに記載されている攻撃力>の数値を加算する。


現蘇獣げんそじゅう ダイナ】打撃攻撃力4000(1600+1200×2倍)


「これでまた、僕のモンスターの攻撃力が上回った」


「…」


【残像のプテラノ】打撃攻撃力3000

     vs

現蘇獣げんそじゅう ダイナ】打撃攻撃力4000


「さぁ、踏み潰せ!」


現蘇獣げんそじゅう ダイナ】が片足を地面に打ちつける。

ドシンという音が響き渡った。


フォーカスがアブゼリードを見る。


「次は君の番だ」


「それはない」


「何だと…」


【ダイナ】が足を上げると、そこに【プテラノ】の姿はなかった。


「バカな…どこに…」


何かに気づくフォーカス。


彼の頭上、恐竜の背後には、踏みつけたはずの戦士が飛んでいた。


「お前の大好きな恐竜そいつよりも、俺のモンスターの方が素早いみたいだな」


「どういうことだ?」


「【残像のプテラノ】が攻撃する場合、戦う相手モンスターは本来の攻撃力になる!」


【残像のプテラノ】

モンスターカード/通常部類/固有ターン3/射手系

通常攻撃力1200

通常効果:このモンスターが攻撃する場合、発動可能。

その戦闘で互いのモンスターは、カードに記載された攻撃力で勝敗判定を行う。

このモンスターが装飾系カードの効果で指定されている場合、この効果が及ぶ範囲を相手モンスターのみにしてもよい。

(翼竜の姿に似た鎧を着た戦士。

とにかく動きが速く、大抵の敵は見失ってしまう)


【残像のプテラノ】打撃攻撃力3000

     vs

現蘇獣げんそじゅう ダイナ】打撃攻撃力1600


【プテラノ】が鎌を振るい、【ダイナ】を切った。


「うわぁ!」


フォーカスの累積ダメージ:3000(0+3000)


類清の勝利。

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