第2話 考古の復元
第2話 考古の復元 Part1
次の国を目指し、類清とアブゼリードは歩き続ける。
木々が生い茂る道に入った。
「は~。
この世界ってこんなに広かったっけ?
もう疲れた。
アブゼリード、しばらく休もうよ」
「君はそれしか言わないのか」
「それしか言わないんじゃなくて、それしか言えないんだよ。
お前よく疲れないな。
あっ、そうか。お前モンスターだから、人間とは疲れ具合が違うのか」
「そんなことはない。
私にだって疲労はある。
それに、モンスターの中にも人間より弱い存在がいることを君は知っているはずだ。
"人間だから、モンスターだから"といちいち理由をつけているから、余計に君は疲れるのではないのか?」
「そうやってお前に怒られることも、俺が疲れる原因の一つだと思うけどな…。
ん? 何だあれ?」
道の途中に建物を見つける。
「食堂だ!
俺、腹減ってたんだよ!」
走りだす類清。
「待て類清!
冷静に考えてみろ!
中に人がいるわけ…」
その言葉は彼の耳に届かない。
届いたところで彼の足が止まることはないだろうが。
迷わず入店する。
「すいませ~ん。
鍋の食べ放題ってありま…」
「定食屋にそんなメニューがあるわけ…」
中には誰もいなかった。
客だけではない、店員も。
「休憩中とかかな?」
中に足を踏み入れる類清。
「おい、罠という可能性も」
「食堂の何が罠なんだよ。
お前はホントに用心深いな」
類清はアブゼリードの忠告を無視して、奥の扉を開ける。
「うわっ!」
「どうした!?」
アブゼリードが慌てて追いかける。
「なんだ。
裏庭じゃないか」
二人の眼前には、綺麗な花や噴水をもつ庭があった。
ここで食事をとることもできるのだろう。
その時、ガチャと背後で扉の鍵が閉まる音が聞こえた。
「!?」
「いらっしゃいませ!」
二人が振り返ると、小さな悪魔がいた。
まだ幼いモンスターなのだろう。
「あっ!
君、俺達食事しに来たんだけど、お店の人どこにいるか分かる?」
「お店の人?
そんなのいないよ!」
「どういうこと?」
「だってこのお店、僕が君達を誘い出すために使ってるだけだもん!」
「ほら、やはり罠ではないか!」
「それじゃあ、お前!」
「そう、僕は敵ってこと!
僕に負けたら、ここで帰ってもらうからね!」
庭はフェンスで囲まれ、逃げられそうになかった。
もっとも二人には、逃げるという選択肢はなかった。
「いくよ~、
僕はフォーカスって言うんだ、よろしくね!」
「
「五仕旗…」
「
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