第1話 鍛凍龍 Part2(ゲーム)
流導類清 vs マイン
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<五仕旗のルール>
各プレイヤーは40枚以上のカードの束、デッキを用意する。
(リードデッキは0枚以上、12枚以下を用意する)
モンスターを召喚し、相手モンスターを破壊することで、相手にダメージが発生。
相手の累積ダメージ(ダメージの蓄積)を先に3000以上にしたプレイヤーが勝利する。
<フェイズ>
ゲームは自分のターンと相手のターンを繰り返して進行する。
ターンにはフェイズがあり、各フェイズでできることが決まっている。
・ドローフェイズ
手札を全てデッキに戻してシャッフル。
その後で手札が5枚になるようにドロー。
ただし、TURN1とTURN2では上記の手札の入れ替えは行わない。
↓
・メインフェイズ
モンスターの召喚や効果の発動、特殊カードの発動、残存型の特殊カードの効果の発動などが行える。
バトルフェイズや次のターンへの準備が主。
↓
・バトルフェイズ
モンスターによる戦闘を行う。
自分の場にモンスターがいる場合、各モンスターは1ターンに1回まで相手モンスターに攻撃可能。
ただし、TURN1はバトルフェイズを行えない。
↓
・(モンスターの召喚)
ターンプレイヤー(ターンを進めているプレイヤー)の場にモンスターがいない場合は、手札から召喚可能なモンスターを召喚しなければならない。
手札に召喚可能なモンスターがない場合、相手に手札を全て公開し、自分の場に【
↓
・ターン終了
ターンを終えることを宣言する。
基本的には何もないが、「ターン終了時まで攻撃力が上がる」効果などはこのタイミングで効果が消滅する。
全ての処理が終わったら、相手のターンに移行する。
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TURN1
(類清のターン)
「先攻は俺だ。
【調達するゴブリン】を召喚」
道具入れを背負ったゴブリンが現れる。
【調達するゴブリン】
モンスターカード/通常部類/固有ターン1/射手系
通常攻撃力500
通常効果:このモンスターが場にいる限り、自分の場のモンスターは、自分の場の装飾系カード1枚につき攻撃力が500上がる。
(材料の調達を主な仕事としているゴブリン。
珍しい素材に対するアンテナを常に張っている)
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<カードの種類>
カードの種類は主に2種類。
・
カードのテキスト上では「モンスターカード」と記載される。
相手のモンスターを戦闘で破壊し、相手プレイヤーに戦闘ダメージを与えることが主な役割。
そのモンスターの攻撃部類によって、カードの色が異なる。
打撃部類:赤
中距離部類:青
魔法部類:黒
思念部類:黄
通常部類:白
デッキ構築に際して、攻撃部類を1種類に統一する必要はない。
複数の攻撃部類を採用してデッキを組むことも可能。
その他、モンスターカードは固有ターンや性質、攻撃力や効果などを持つ。
・
薄茶色のカードで、モンスターをサポートしたり、相手の攻撃を防いだり、その役割は多岐にわたる。
発動条件さえ満たせば(発動できるタイミングが指定されているものは、そのタイミングも満たす必要がある)、自分ターン・相手ターンを問わず、いつでも発動可能。
通常型の特殊カードと、残存型の特殊カードがある。
通常型の特殊カードは、カードを発動し、効果を処理すると墓地に送られる。
一方、残存型の特殊カードは、カードの発動を行うと場に残る。
以降は場にある限り効果が適用され続けたり、決められたタイミングで効果が発動したりする。
特殊カードにも、モンスターカード同様、性質がある。
<モンスターの召喚>
自分ターンのメインフェイズにモンスターの召喚を行える。
モンスターには固有ターンがあり、各モンスターは、その固有ターンの数字以降のTURNから召喚できる。
たとえば、固有ターン1のモンスターは、TURN1から召喚可能なので、召喚できるが、固有ターン5のモンスターはTURN5から召喚可能なので、TURN1から召喚することはできない。
また、召喚できるモンスターが手札にある場合は、1ターンに何度でもモンスターの召喚を行える。
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「ターン終了」
手札
類清:4枚
マイン:5枚
TURN2
(マインのターン)
「俺のターン。
特殊カード【未来獣召喚装置】を発動」
男がカードを発動すると、巨大な装置が二人の前に現れた。
「何だあれ…」
「手札のモンスター2体を墓地に送り…」
マインのモンスター2体が墓地へ送られる。
「現れろ。
【プラナネック・ドラゴン】!」
6つの首を持つ龍が場に召喚された。
【プラナネック・ドラゴン】
モンスターカード/魔法部類/固有ターン5/再起系
魔法攻撃力1700
魔法効果:???
(6つの首を持つ龍。
首を切っても何度でも再生するので、倒すのに苦労する)
「固有ターン5なのに、TURN2で召喚できるのかよ!」
アブゼリードが類清をなだめる。
「落ち着け。
【未来獣召喚装置】の効果だ」
【未来獣召喚装置】
特殊カード/装置系
発動条件:自分の手札にモンスターがいる場合。
効果:そのモンスター以外のモンスター2体を自分の場及び自分の手札から墓地に送ることで、そのモンスター1体を召喚する。
その際、固有ターンは無視して召喚してもよい。
「あの機械を使えば、手札のモンスターを犠牲にする代わりに、固有ターンを無視してモンスターを召喚できる」
「そうなのか…」
「君の勉強不足だ」
「うるさいなぁ」
「バトルフェイズ!」
マインが割って入る。
「【プラナネック・ドラゴン】で【調達するゴブリン】に攻撃!」
【プラナネック・ドラゴン】魔法攻撃力1700
vs
【調達するゴブリン】通常攻撃力500
【プラナネック・ドラゴン】が放つブレスが【調達するゴブリン】に命中し、破壊する。
「うわっ!」
類清の累積ダメージ:1700(0+1700)
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<バトルフェイズ>
ターンプレイヤーは、自身の場のモンスターを使い、相手モンスターを攻撃をさせることができる。
(1体のモンスターによる攻撃は、1ターンに1度まで)
自分モンスターによる攻撃を宣言し、相手の場から攻撃対象を決定する。
攻撃したモンスターを攻撃モンスター、攻撃されたモンスターを迎撃モンスターと呼ぶ。
次に勝敗判定を行うが、それまでの間、互いのプレイヤーは、効果を発動してもよい。
(先に効果を発動できるのはターンプレイヤー)
互いのプレイヤーが効果の発動を放棄し、それ以上発動する効果がなくなった後で、勝敗判定を行う。
勝敗判定では2体のモンスターそれぞれの戦闘の結果を決定する。
"勝利"、"相打ち"、"敗北"の3種類。
・攻撃モンスターの攻撃力>迎撃モンスターの攻撃力
攻撃モンスターは"勝利"。
迎撃モンスターは"敗北"。
迎撃モンスターは破壊され、そのモンスターを従えていたプレイヤーに、攻撃モンスターの攻撃力分のダメージが発生する。
・攻撃モンスターの攻撃力=迎撃モンスターの攻撃力
攻撃モンスターは"相打ち"。
迎撃モンスターは"相打ち"。
両モンスターが破壊されるが、互いのプレイヤーに戦闘ダメージは発生しない。
・攻撃モンスターの攻撃力<迎撃モンスターの攻撃力
攻撃モンスターは"敗北"。
迎撃モンスターは"勝利"。
攻撃モンスターは破壊されるが、そのモンスターを従えていたプレイヤーにダメージはない。
また、カードの効果には「モンスターの戦闘による破壊を防ぐ」効果を持つものがあるが、そのような効果を使うことで、モンスターが破壊されなかった場合は、迎撃モンスターが敗北したとしても、プレイヤーにダメージを与えることはできない。
上記をまとめると、迎撃モンスターが敗北して破壊された場合のみ、(その迎撃モンスターを従えていたプレイヤーに)戦闘ダメージが発生するということである。
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「ターン終了」
「まだまだ。ここからだ!」
手札
類清:4枚
マイン:1枚
TURN3
(類清のターン)
「俺のターン…」
類清が手札を全て戻し、新たにカードをドローする。
**********
<ドローフェイズ>
TURN3以降からは、ターンプレイヤーは自身のターンのドローフェイズで、手札を全てデッキに戻してシャッフルし、その後改めて手札が5枚になるようにドローしなければならない。
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「来い!
【
【
モンスターカード/通常部類/固有ターン3/射手系
通常攻撃力1300
通常効果:モンスターに攻撃する場合、発動可能。
このモンスターの攻撃力は戦闘中のみ、戦闘する相手モンスターの固有ターン×100だけ上がる。
このモンスターは、装飾系カードの効果で指定されていない場合、戦闘ダメージを与えられない。
(黒を基調とした迷彩柄のバフォメット。
武器や道具を使いこなすだけでなく、元々の能力も優れている)
「バトル!
【
【
vs
【プラナネック・ドラゴン】魔法攻撃力1700
「【
戦う相手モンスターの固有ターン×100、攻撃力を上げる!」
【
vs
【プラナネック・ドラゴン】魔法攻撃力1700
バフォメットが素手で叩くと、龍の首が一つ落ちた。
「よしっ!」
しかし、マインは笑っている。
「何だあいつ、気味が#悪__わり__#ぃ…
ん?」
二人が怪しく思っていると【プラナネック・ドラゴン】が落ちた自身の首を食らい始めた。
「なっ!」
龍がそれを飲み込むと傷口から首が生え、何事もなかったかのように再生した。
「これが【プラナネック・ドラゴン】の魔法効果。
このモンスターは1ターンに6回まで、戦闘で破壊されないのだ!」
「はっ!? 6回だと!?」
【プラナネック・ドラゴン】
モンスターカード/魔法部類/固有ターン5/再起系
魔法攻撃力1700
魔法効果:このモンスターは、1ターンに6回まで戦闘で破壊されない。
(6つの首を持つ龍。
首を切っても何度でも再生するので、倒すのに苦労する)
「1ターンに6回って、どうやって倒すんだよ!
こんなもん、ほとんど嫌がらせじゃねぇか!」
「嫌がらせか…」
アブゼリードが考え込む。
「くそっ。
ターン終了だ!」
手札
類清:4枚
マイン:1枚
TURN4
(マインのターン)
「俺のターン!
これで終わりだ!
【プラナネック・ドラゴン】で攻撃!」
【プラナネック・ドラゴン】魔法攻撃力1700
vs
【
バフォメットが破壊される。
「うっ!」
「これで終わりだ!」
類清の累積ダメージ:2550(1700+850)
「何?
ダメージが抑えられている?」
「お前のモンスターをよく見るんだな」
「?」
マインが【プラナネック・ドラゴン】に目をやると、首の辺りに"One Day"の文字が刻まれていた。
「何だこれは?」
「お前が攻撃した時、特殊カード【レギュレーション・スタンプ-ワンデー】を発動させた。
既に1度以上戦闘ダメージを与えているモンスターは、その攻撃によるダメージ量が半減する」
【レギュレーション・スタンプ-ワンデー】
特殊カード/印字系
発動条件:既に1度以上戦闘ダメージを与えているモンスターが場にいる場合。
効果:以降、そのモンスター1体は、与える戦闘ダメージが半分になる。
**********
<回想>
「【プラナネック・ドラゴン】で攻撃!」
【レギュレーション・スタンプ-ワンデー】を発動する類清。
龍の首にスタンプが押される。
**********
「お前のモンスターは先のターン、類清にダメージを与えていた。
したがって、このターンによるダメージは半分になったのだ」
「だが、敗北を1ターン先延ばしにしたに過ぎない。
次のターンで必ず!
ターン終了!」
「とにかく、あの龍を倒すには、他の首が、落ちた他の首を食べ、再生させぬよう、全ての首を一度に切り落とすしかない」
「7回目の攻撃を決めればいいってことだよな」
「どうすればいいか、君になら分かるよな?」
「えっ?
あっ…うん、もちろん…」
「まさかとは思うが、気づいていないのか?」
「そんなわけないだろ…」
ほんの一瞬黙る類清。
「あっ!
思いついた!
このターンで俺の累積ダメージは…。
よし、あのカードを引ければいけるかも」
「『思いついた』ということは先ほどまでは分かっていなかったという…」
「うるさい!
いくぞ!」
手札
類清:3枚
マイン:5枚
TURN5
(類清のターン)
「俺のターン!」
ドローカードを確認する類清。
「(これで…)
【レッドスケール・マテリシャル】を召喚!」
赤い龍が召喚され、類清の場に立つ。
【レッドスケール・マテリシャル】
モンスターカード/打撃部類/固有ターン3/素材系
打撃攻撃力700
打撃効果:???
(見た目は龍に近い、赤色の悪魔。
強固な鱗を持ち、それを素材にした鎌は敵を一掃できる)
「そんなザコに何ができる?」
「見てろって。
さらに、俺の累積ダメージが2500以上になったことで、リードデッキからこいつを召喚する。
【
【
モンスターカード(リード)/魔法部類/固有ターン5/加工系
魔法攻撃力1800
召喚条件:自分の累積ダメージが2500以上の場合、リードデッキから召喚可能。
魔法効果:???
(素材を加工し、新たな姿にする能力を持つ龍。
見た目は悪魔に近いが、本人は龍だと主張している)
アブゼリードも登場し、【レッドスケール・マテリシャル】と肩を並べる。
**********
<リードデッキ>
メインのデッキとは、別に用意しておくデッキ。
0枚以上、12枚以下で構築するので、リードデッキを用意しなくても構わない。
リードデッキに入るカードをリードカードと呼び、カードテキストにその旨が記載されている。
リードカードには召喚条件や発動条件があり、その条件を満たすことで召喚や発動が可能。
条件を満たせば確実に使用できることが特徴。
**********
「アブゼリードの魔法効果を発動。
【
それを受けると【レッドスケール・マテリシャル】は形を変え、大振りの鎌になり、アブゼリードの手に収まった。
「これは…」
「これが私の持つ効果。
場の素材系モンスターの性質を、被加工系へと変化させる」
【
モンスターカード(リード)/魔法部類/固有ターン5/加工系
魔法攻撃力1800
召喚条件:自分の累積ダメージが2500以上の場合、リードデッキから召喚可能。
魔法効果:自分ターンに発動可能。(複数回発動可能)
素材系カード1枚を指定する。
そのカードの性質を被加工系に変化させる。
(素材を加工し、新たな姿にする能力を持つ龍。
見た目は悪魔に近いが、本人は龍だと主張している)
「そして【レッドスケール・マテリシャル】には、自身の性質が被加工系になった時に発動する効果がある。
自身をモンスターカードから特殊カードに変え、改めて場に発動する。
さらに発動時、場のモンスター1体を指定し、効果を発揮する。
俺はこの効果により、【アブゼリード】を指定した」
【レッドスケール・マテリシャル】
モンスターカード/打撃部類/固有ターン3/素材系
打撃攻撃力700
打撃効果:自分の場のこのモンスターの性質が被加工系になった場合に発動する。
このモンスターカードを以下の特殊カードとして自分の場に発動する。
<【
特殊カード/残存型/装飾系
効果:このカードの発動時に、次の効果を発動する。
場のモンスター1体を指定する。
このカードが場にある限り、そのモンスターはカードに記載されている攻撃部類を失い、追加で打撃部類を得る。
また、1度のバトルフェイズで複数回攻撃できる。>
(見た目は龍に近い、赤色の悪魔。
強固な鱗を持ち、それを素材にした鎌は敵を一掃できる)
「さて、バトルと行こうか」
【
vs
【プラナネック・ドラゴン】魔法攻撃力1700
「そんな鎌を使ったところで、結果は同じだ!」
「【
これでお前のモンスターを破壊するまで、何度でも【アブゼリード】は攻撃できる」
「ちっ…」
【アブゼリード】が【プラナネック・ドラゴン】に接近すると、鎌を一直線に振るった。
鎌は氷に覆われている。
「よし、これで…」
「待て!」
安堵しかけるアブゼリードに類清が注意する。
「あっ…」
落としたはずの6つの首は、1つだけが残されていた。
首には金属性の輪がはめられている。
「特殊カード【不断の首輪】。
モンスターの破壊を防ぎ、攻撃力を1000上げる」
【プラナネック・ドラゴン】魔法攻撃力2700(1700+1000)
【不断の首輪】
特殊カード/金属系
発動条件:自分モンスターが攻撃される時。
効果:その戦闘による自分モンスターの破壊を防ぎ、攻撃力を1000上げる。
次のターン終了時に、攻撃力が0になる。
「私が7度目の攻撃をする際、あのカードを発動し、なんとか最後の1つを残したのか」
「そう!
1つでも首が残れば【プラナネック】は何度でも復活する。
これで次のターン、お前を攻撃すれば俺の勝ちだ!」
「ならば、その1つも落とさせてもらうだけだ」
「何だと?」
「お前が何らかの方法で破壊を防ぐであろうことは分かっていたさ」
「おかげでこのターンで決着をつけられそうだ。
感謝するぞ」
「何言って…」
「特殊カード【
【アブゼリード】が鎌をゆっくりと回し始めた。
その動きは次第に速くなっていく。
「このターンに成立した戦闘の回数1回につき200、モンスター1体の攻撃力を上げる」
【
特殊カード/演舞系
発動条件:このターン、戦闘が1回以上成立している場合。
効果:場のモンスター1体の攻撃力は、このターンに成立した戦闘回数×200上がる。
「このターン成立した戦闘は7回。
したがって、私の攻撃力は1400上がる!」
【
「【
再び【アブゼリード】が龍に向かう。
「
【
vs
【プラナネック・ドラゴン】魔法攻撃力1700
龍の最後の首が斬られた。
「うわっ!」
マインの累積ダメージ:3200(0+3200)
類清の勝利。
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