武蔵野という地を冠するのであれば、自然の美しさを確りと描写してあることを期待するものです。その期待を裏切らないどころか、超えてくる情景描写が素晴らしいです。また母娘の思いの小さな擦れ違いと、家族のきずながまるでそっと抱擁するような温かみで語られ、美しい作品となっています。短い作品ですので、さっくり読めますし、作者が武蔵野を題材に執筆した作品「むさし野の森に残した純愛ラプソディ」と読み進むとさらに人の心の機微に触れられることでしょう。