第9話

 最後の地区予選を終えた後の帰り道。 一番号泣をしていたのは雷人であった。


 最後の最後。 チームを負けにしてしまったのは自分のせいだ。 と一番後ろで歩きながら学校へと向かう。


 そんな中で声を掛けて来てくれたのは宗太で、


「もう、泣くなよ。 誰もお前を責めてねぇじゃねぇかぁ。 お前には来年も再来年もあるだろ? 今年はたまたま運が悪かっただけさ」


 そう宗太は雷人の肩にポンと腕を回し語り掛ける。


「……でも」

「終わったことは仕方ねぇんだから、来年も頑張れな! 卒業したって、俺は応援しに来てやるからさ」


 そう笑顔で宗太は言う。


「はい! ありがとうございます」


 一応は雷人は笑顔で答えるのだが、今はまだ立ち直ることは出来ない。


 学校に戻ってからも荷物を片付け一人背中を丸めながら校門を抜ける雷人。


 昼間のジリジリと大地を照らしていた太陽が今はオレンジ色になり今日一日の仕事を終え、海の向こうには水平線上へと沈む夕日が見える。 雷人は重たい足どりで一人帰路へつこうかと思ってた次の瞬間、雷人の肩へと腕が回されるのだ。


「まだ、ヘコんでるのか?」

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