第8話
だが今は雷人にとっては、きっと周りの音は聴こえていないだろう。 それ位、この最後の一球まで集中しているのだから。
ここで一打でも打たなければ完全に甲子園への切符は途絶える。
ツーアウト、一、三塁。
雷人はバットを握り絞め打席へと立つ。
相手ピッチャーの第一球目は雷人が振る暇もなく、キャッチャーミットの中へ。
いつもはこんなことはあまりない雷人。 それほど雷人は緊張しているのであろう。
ピッチャーからの第二球。 雷人はバットを振り当てたのだがファール。
これでツーストライクと打席側からしてみたら追い込まれているのと一緒の状態だ。
そしてラストボールになるかもしれない第三球目。 ボールは当たり青空高く飛んで行く何処までも遠く点数が書いてある看板の所付近まで飛んで行く打球。 ホームランだと確信して選手達はベースを踏み回り走り始める。
雷人が居る学校が逆転サヨナラホームランかと思われたのだが、打球はフェンスギリギリの手前でボールが落ち、相手チームのグローブの中へとボールが入る。
「アウト!」
そう審判達の声が天高く上がり、それと同時にゲームセットとなるのだ。 これで雷人がいる学校は負けとなってしまい今年の甲子園行きは地区予選準優勝で終わり甲子園行きは果たせなかったのだ。
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