第6話

「甲子園まで俺達が行って、もし、優勝出来たならば、お前に話がある」

「……へ? なんですか? 話って?」

「えっ……あ、だから……今は気にすんな。 もし、これは優勝した時の話なんだからさ」

「はぁー、とりあえず、はい! 分かりました」


 宗太のその意味の分からない言葉を聞いてしまい、若干気になりつつも、これ以上何も言わなそうな宗太に聞くことは出来なかったらしい。


「じゃ、帰ろうか」

「はい!」


 いつもと変わらない夕日。 でも明日からは甲子園への切符を手に入れる為の地区予選が始まる。


 今日の練習はいつもより早めに切り上げて明日に備える為部員は帰って行くのだ。




 地区予選一日目は夏らしい暑さで幕が上がった。


 炎天下の中でのプレイボール。 地区予選だが小さい野球場には近所の人達が応援に来て試合会場は盛り上がる。


 初日の試合は相手が弱かったのか楽々で、コールド勝ち。


 次の試合は九回まで行ったが最後宗太が押さえ、勝ち。


 次から次へと勝ち進んで行く雷人達の学校。


 地区予選で苦戦をしたのはやはり最後の試合で九回まで両学校共に点数が入らない試合だった。


 でも、これを乗り切れば高校球児憧れの甲子園への切符が手に入る。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る