第5話

 でも何となく女の子達に興味が無い雷人。 どっちかと言えば宗太の方に興味がある。 この高校に入って一番最初に雷人に声を掛けて来たのは宗太で今までずっと一緒に練習をしてきた。 そして一番に雷人を可愛がってきた先輩でもある。


 そして明日からは地区予選大会が始まる。


 雷人にとって初めての高校野球選手大会。 どうせ出場するならば、せめて地区予選を優勝して甲子園までは行きたい。


 高校野球選手にとって甲子園は憧れの舞台なのだから。


「うっし! やるぞ!」


 そう雷人は気合いを入れ最後の練習へと臨むのだ。


 いつもの練習を終えた後、雷人は宗太に呼ばれ、


「明日から頑張ろうな!」

「はい!」


 そう言われ雷人は宗太に頭を撫でられ、それに答えるかのように雷人も宗太に顔を上げると笑顔を見せる。


「後な……」


 そう宗太が言った後に何故だか宗太は雷人から顔を背け、心なしか宗太の頬が赤く見えたのは気のせいだろうか。 いや夕日が宗太の顔を赤く見せているのかもしれないのだが。

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