第4話「色々やってみる」

 俺はいつもより早い7時に起床。


「おはようございまーす」


 土日だというのにこんな朝早い時間に起きるなんて久しぶりだ。


 目的はもちろん朝ご飯を食べるため。


 『改変リライト』の異能を使うエネルギー……魔力を回復させるためには、ご飯を多く食べる必要がある。


 土日はいつも13時起床で、昼夜の二食しか食べてなかったが、これからは朝も食べた方が良いだろう。


「つーか今まで二食しか食べてなかったのに太ってたのかよ」


 つっても平日は朝昼夜の三食で、二食しか食べてないのは土日だけなんだけど。


 俺が太ってた原因って、食べ過ぎとかじゃなくて運動不足と体質的なやつなんだろうな。


 なーんて考えつつご飯を食べ終える。


 これで魔力は全回復した。


「そういえば、睡眠後も魔力が回復してたか?」


 つまり魔力回復の手段は『食事』『睡眠』……この並びだと、思い付くのは三大欲求だな。


 『食欲』『睡眠欲』を満たしたら回復するということは、『性欲』も満たしたら回復するんだろうか。


 ……まあ、家に妹がいる以上そういうことはやりにくいだけど。


「ま、『食事』『睡眠』だけで魔力管理できてるし」


 あ、あとこれはついさっき気付いたことだけど、食べる量と回復する魔力の量は関係していないようだ。


 闇雲に食べるより、『食欲』を満たす・・・ことが回復の大事な条件なのかもしれない。


 ここら辺で思考は中断。

 俺は今日の目的……美容院に行くために、電話で予約を済ませておく。


 行く時間は10時……まだまだ時間があるな。


「暇つぶしに適当なスキルを習得しておくか」


 それに色々試してみたいこともあるし。


 ということで俺は自室へと移動する。


 ――追加したいスキルは二つ。


 妹が持っていた『美肌』。そして、『魔法』だ。


 前者は俺の容姿をさらに磨くため。

 後者は単なる好奇心だ。


 ほら、こういうステータス画面が見えるようになったならさらに特殊な力……『魔法』とか発動したいじゃん?


 ってなわけで『改変リライト』発動ー!


「ありゃ?」


 スキル『美肌』は習得できた。が、『魔法』の方は習得できていない。


 何度も何度も試してみたが、結果は同じ。


 ってかこの感じ、そもそも異能を発動できてない・・・・・・・・・・・・・・


「まさか非現実的過ぎるスキルの追加は発動が失敗するのか?」


 その後も『超能力』『スタンド能力』とか追加しようとしてみたが、ダメだった。


 人間の限界を超えたスキルは追加できませんって感じだ。


「なんだよつまんねーな」


 ジョ〇ジョごっことかハリー〇ポッターごっこしたかったのに……。


「まあ、いいか」


 そんなこんなやってる内に時間は10時近く。


 もうあれこれ考えてやってる時間じゃなくなってきた。


 とりあえず思い付く適当なスキルを追加して、美容院へと急ぐ。


 ちなみに今のステータスはこんな感じ。


――――――――――――――――――――――――

隠橋空真 17歳

HP 90/90

MP 30/100


【異能緑】

改変リライト


【スキル】

『美肌』『筋肉質』『コミュ強』『超速思考』『身体強化』

――――――――――――――――――――――――


 起床直後も含め、今日追加したスキルは『コミュ強』『美肌』『超速思考』『身体強化』の四つ。


 『美肌』以外のそれぞれの詳細はこんな感じだ。


――――――――――――――――――――――――

『コミュ強』

「他者と円滑にコミュニケーションできるようになるスキル。このスキル習得者は会話時、他者からの好感を得られやすくなる」

――――――――――――――――――――――――

『超速思考』

「思考速度を上昇させるスキル。習得しているだけで思考速度は常人の1.5倍になる。この倍率は集中すればするほど増加する」

――――――――――――――――――――――――

『身体強化』

「肉体が強化され、運動神経・身体の操作性・身体の丈夫さが上がる」

――――――――――――――――――――――


 我ながら中々悪くないスキルを選んだと思う。

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