「たくさん採れたね」

私と一緒に収穫した野菜を抱えた彼がそう言って微笑んでくれる。その笑顔がまたすっごいまぶしい。彼がそんな風に笑ってくれるのがホントに嬉しい。

胸がキュンキュンしちゃう。昔はこんな風になると、

『ああ、もうダメなんだな』

って思ったりもしたけどさ、今はこの苦しいくらいのキュンキュンが気持ちいいんだ。こんな気持ちになれるなんて、今の私になるまでは知らなかった。それを思うとさ、こういうのも悪くないって思うんだ。

自分の人生を生きられないってつらいよね。『死んでないだけ』なんて、悲しいよね。

少なくとも私はそうだった。

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