最終回?蒼転寺ランVSクリエリエ
ー前書きー
主人公無双物ではありません
できれば全話見てほしいですが
1話だけ見ても話の流れはわかります
ー前回のあらすじー
キキョウ「蒼転寺殿からの招待券を破り”ごめんなさい”デデン
したあと”つづく”と表示されて終了したでござる」
リエ 「そんな効果音流れてないよキキョウ」
ー惑星コーダ 蒼転寺宅前ー
蒼転寺さんが宇宙に行くと知った次の日
私は準備をしていた。
学園は土曜前半だけの短縮授業
正直こんなもので何とかなるとは思っていない
けれども最後に彼女の笑顔だけは取り戻したい
蒼転寺ラン。運命を狂わせた年上にだけはね。
時刻は午後3時30分。
パーティの時刻から30分の遅刻。
天気はあいにくの雨
始めようじゃないか。クリエリエ1人劇団最後の演目を。
スミレさん 「招待券はお持ちでしょうか?」
問いかけるスミレさんですら他人行儀だ
メイド服な彼女の戦闘は私のサーカスのルーツ。
そして蒼転寺さんのメイド狂いの元凶
私はテープでくっつけたボロボロの招待券を見せる。
本来の私は招かれざる客だ。
当人の目の前で破ってしまったのだから。
スミレさん 「忙しい中お嬢様の為に時間を割いていただき
ありがとうございます。まずはお風呂にお入りください」
一人でお風呂に入るが正直広くてそわそわする。
だってあんな招待券見せたらお引き取り下さいと
言われてもおかしくはない。
「お湯加減はいかがでしょうか?」
”お風呂の中から出現したスミレさん”に
驚いてる場合ではない。
リエ 「今日は他人行儀なんですね」
スミレさん 「本来ならばあなたは招かれざる客なのですから」
リエ 「分かっています。私は・・・。」
スミレさん 「その答えはあとに取っておきます
私自身が楽しみですし♪」
リエ 「主人に叛逆するメイドさん初めて見たよ」
着替えが終わりコーダ先生が待ち構えていた。
蒼転寺さんの姉で片眼鏡に白衣
超反射神経でバイクを駆る効率最優先の医者
リエ 「あの昨日は」
コーダ先生 「言わなくていい。ここに来たということは
何かしらの決心がついたということだな。
お別れ会をする眼には見えない」
リエ 「正直うまくいくか分かりません。
ただ見ていてください。私たちの蒼転寺ランは
必ず取り戻します」
コーダ先生 「いい覚悟だ。だがこの屋敷のルールに乗っ取り
ラン君の作った衣装は着てもらう」
リエ 「それならあります。手芸部に無理を言って
借りてきました。」ばさり
コーダ先生 「あははははは、合格だ。
ここからは引き返せないぞ。私の妹は頑固だからな」
この扉一枚向こうに彼女たちがいる。
何故だろう。この扉が閉じたままならいい
という思いもあった。だが!!
リエ 「イクシア学園中等部、クリエリエ!
只今参りました」
会場が沈黙する。無理もない。私の衣装はメイド服
決して主より目立つことなど許されない
あとは主人がどう対応を取るか。
蒼転寺さん 「・・・いらっしゃいませ、リエさん。
パーティは始まったばかりですから
最後までお楽しみください」
蒼転寺さんは私のことを忘れていなかった。
西部劇のガンマン姿。かつて私が着ていた服だ
緑髪のポニテに眼鏡。服が悲鳴を上げる程度には
デカい、説明は不要だろう
リエ 「あの蒼転寺さん、招待券を破ってごめんなさい」
そういってボロボロの招待券を見せる
蒼転寺さん 「かまいません、テープで止めた後を見るに
反省をしているのでしょうし
ただ、別れの挨拶という割にはその衣装は
出来過ぎています。もしもあなたが真の意味で
反省をしているならば、言うことがあるのでしょう?」
リエ 「許してほしいにゃん☆ご主人様?」にゃんにゃん
蒼転寺さん 「許す」ハナジダバー
周りの人間は唖然としている。が、これでいい
いやこれがいい。この空気感こそが私たちだ
蒼転寺さん 「あーきついわ。お嬢様モードまじできついわー」
リエ 「だからって床でゴロゴロしないでよ」
蒼転寺さん 「スミレさんもコーダ姉さんもよく入れましたね。
絶対トラブルおきるでしょうに」ごろごろ
スミレさん 「いえ、面白そうでしたので」
コーダ先生 「あはははは、うちの妹が負ける姿が見たくてな」
蒼転寺さん 「リエちゃんが来た理由はわかってるわ
私が勝ったら今すぐここから去り、
すべてを忘れてあなただけの人生を歩みなさい」
リエ 「私が勝ったら宇宙でもどこでも
寄生虫のようについていくよ」
キキョウ 「寄生虫は死亡フラグでござろう?リエ殿」
リエ 「大丈夫。私は勝つから」親指ビシぃ
リエ 「クリエリエ、クリエールフルキャノン
サーカスアフレコ作戦開始」
蒼転寺さん 「蒼転寺ラン、ソウテンマル。出陣をする」
バトルフィールドは地上。何の因果か
始めて戦った場所。
ディソナンスさんと戦った新型機体は
もはや限界であるため双方神社で供養した。
クリエールフルキャノンサーカスアフレコ
蒼転寺さんと最初に戦った機体に
実体剣を左右腰部にマウントした機体
細かなブラッシュアップと切り札あり
両手2門、肩キャノン2門、サブアーム4門
計10門の攻撃力は健在
各所ハードポイントにミサイルポッドあり
ソウテンマルフラット
私が最初に戦った機体
そして一度も勝てなかった3等身の騎士
背中に旗とマントをマウントした装狂演譜
近接用刀2本と電気火縄銃。
マントの下の隠し武器は不明
もう自分が傷つくのが嫌で射撃戦なんて
消去法はしない。ただ今の私は・・・。
蒼転寺さん 「近接戦闘カスタムしてくるなんて、自分の戦い方を
捨てる気?文字どうりの付け焼刃ね」
リエ 「濁点がついてない機体同士だもの。互いに
考えていることなんてわかるでしょう?」
互いに近接戦闘しながら思いをぶつける
正直、面と向かって話すのは初めてだったかな?
蒼転寺さん 「リエちゃんの感情は外の雨みたいに泣いているわ」
リエ 「そうね、分からず屋がいてね」
蒼転寺さん 「うまい返しね。私に似たかしら?」
リエ 「私の発言の返しはハンカチを差し出すのが正解よ。
相手に気を遣わないと振られるよ?」
蒼転寺さん 「傘を二人でシェアする程度には気が利くのよ私?」
リエ 「残念だけど折り畳み傘ぐらいは持ってるの」
蒼転寺さん 「困っている年下に傘を渡しちゃって。
だからリエちゃんの傘に入れてほしいな」
リエ 「雨はやんだわ、傘なんていらないでしょ?」
蒼転寺さん 「なら虹でも見に行きましょうか。
とっても奇麗なはず。」
リエ 「蒼転寺さんのほうが奇麗なのに
虹なんて見に行く時間がもったいない」
キキョウ 「何が何だかさっぱりでござる」
コーダ先生 「雨に自分たちの感情を例えてぶつけてるのさ
そう考えるとロマンチックに見えるだろう?」
委員長さん 「思いっきり戦ってるけどね。というか
リエさんが蒼転寺さんを押している?」
会長さん 「さらっと奇麗と告白しているからね
僕も参考にしたいぐらいだよ」
リエ 「ここまで言っても理解してくれないなんて。
得意の人読みで感情を把握しなさい!!」
蒼転寺さん 「そんな事とっくにしている!!けど
私はあなたが好きだから、脆弱性のある
今の宇宙船には乗せられない!!!」
リエ 「なら乗ってる間に私たちで直せばいい。
私がそんなにお荷物に見える?」
蒼転寺さん 「あなたが好きよ。なんでわからないの?」
リエ 「私のほうがもっと好きよ」
蒼転寺さん 「なにをー」
リエ 「ぐぬぬー」
ディソナンス 「一気に語彙力下がってないか?」茶菓子パク―
クローバーさん「これぐらいがちょうどよいじゃろ」お茶ズズー
ただの痴話喧嘩となりつつあるがソウテンマルの
一撃が当たりクリエールは膝をついた
蒼転寺さん 「紅の双璧を呼びなさい!
いつまで怖がっているの?そんな覚悟で
私を止めるなんて!5年幼くなってから出直しなさい!」
委員長さん 「本音が漏れてるわよ。蒼転寺さん」ドン引き
キキョウ 「ダメでござる!紅の双璧だけは!!」
リエ 「大丈夫。・・・モード紅なら・・・すでに発動中だ!」
スミレさん 「悪鬼!!でもどこかおかしい?敵意がない?」
紅リエ 「元々は私だからね。苦労はしたけど土壇場で
発動できてよかった。
和解などする気はないが、支配する気も起きない。
何度も交渉にくる自分を倒すのに飽きただけだ」
蒼転寺さん 「ツンデレ乙」
紅リエ 「誰がツンデレだ!!」
会長さん 「先生。妹の反抗期ってこんな感じでしょうか?」
コーダ先生 「いつかは来るさ。でもここまで拗らせてるのは
稀だから安心していいぞ。あはははは」
紅リエ 「最強の俺すら敵わない相手なら
私と力を合わせるしかない!!
それで何とかする。いや倒せぬ道理などない!」
ディソナンス 「忙しい人だな。この人」クッキーパクー
クローバーさん「平和じゃのう」ハーブティーゴク―
蒼転寺さん 「私が対策してないとでも?スミレさん!!」
”突如仮想バトルフィールドに降り立つ
スミレさん”は鏡を持っていた
紅リエ 「もはや何でもありねスミレさんは!
鏡だと?そんなもので何とかなると思ったか!」
蒼転寺さん 「古の時代より鏡は魔を爆鎮完了する力があると
言われているの。紅の双璧!!
自身の姿を見てみなさい!!ヒラヒラの服よ!!」
見てはだめだ。見てはだめだ。見てはだめだ。
紅の双璧 「ぐわぁあああ。なんだこのヒラヒラは!
俺が着ているというのか!!この俺が!!
リエよ、すまぬ。実家に帰らせていただきます」
リエ 「モード紅いいいいいいい」涙目
うん、そうだよね。わたしだってはずいし。
厨二病全開のモード紅なら特にね。
委員長さん 「実家帰ったあああ」目飛び出しツッコミ
キキョウ 「ゆするネタが増えたでござる」めもめも
蒼転寺さん 「もはやあなたは一人。私を忘れてしまいなさい。
これは親友として。恋人として。
年上として。共に戦ったパートナーとして。
最良の助言よ」
リエ 「あなたはそうやって自己完結して他人の
気持ちなんて考えない!いや、自分の気持ちすら
効率重視で押し殺している。
あなたの本音を聞くまで私は、私たちは!!!!」
リエ 「SPスキル!ラグストーム!スタンバイレディ!」
蒼転寺さん 「それを待っていたわ。蒼転寺式電気火縄銃
イグニッション!!」
こちらの準備より先に蒼転寺さんが攻撃態勢に入る
リエ 「SPスキル!ラグストーム!開園!!」
爆炎の中、ソウテンマルの放った弾丸がこちらに迫る。
実質レールガンだもの。弾速は向こうが上。
でも!!カシャンと小気味いい音が鳴る
2本の腕で実体剣を構える
射撃は8門になってしまうがこれでいい
その後何回か電気火縄銃の攻撃が来た
爆炎が収まり・・・そして。
蒼転寺さん 「やったか!!」
リエ 「やってない」ニィ
蒼転寺さん 「私の機体当時のままなのにズルくない?」
頭部の下からバイザーを出しているクリエール。
新規に考え付いた弾丸を切断するための補助演算装置。
リエ 「音楽家や花って羨ましいと思うの。
だって歌の歌詞で告白できるもの。
そして花言葉自体もね。
けど私はメカニックで、図面の中で
あなたへの感情を描くことしかできない。
新規造形も私が引き算できずに
足し算しかできないから。
この機体はあなたへのラブレターよ。
蒼転寺さん。いや、”ラン”!!」
ラン 「私は戦うことでしか相手に感情を伝えられない。
装狂演譜は血を流さないゲームよ。だから
全力で相手に立ち向かっていける。
リエちゃん。違うわね、”リエ”!!」
双方切りかかるも若干私のほうが有利だ
ラグストームで余計なミサイルは打ち尽くしたからね
機体自体が軽くなって動きやすくなっている。
対して射撃を被弾していても攻撃の手を緩めないランの
覚悟が伝わってくる。
リエ 「おおおおおお」
ラン 「はあああああ」
ザシュッ
クリエールとソウテンマルはお互いに刃が
突き刺さっていた。双方浅く決定打ではない
リエ 「ラン、もう逃がさないわ。あなた自身の覚悟を
決めなさい。タイムアップで引き分けなんて
決断をしたら一生嫌いになるから!!」
サブアームを展開しソウテンマルを逃がさない
ラン 「私が剣を振り下ろした時点でリエは
私の前から消える。それが最良手。
なのになぜ私に生殺与奪の権利を与えたの?
あなたの機体も動けるはずよ?」
リエ 「この試合、勝敗なんてどうでもいい。
ただ話す機会が欲しかった。あなたを倒したいのは本当よ。
けれど、それじゃランの本心は聞き出せないし
私も前に進めない」
ラン 「クリエール。確か応援という意味があったわね。
あなたは主人公の器であるのに敢えて裏方に回った。
人の為に何かするなんて私にはできなかった。
正直羨ましい。初めて戦った時弱者と言ったあれは
訂正したい。あなたは誰よりも強いわ。」
バトルフィールドは夜となった。
制限時間は迫っていることの証拠だ
ラン 「月がきれいね」
リエ 「一緒に行ってみたいと思わないの?」
ラン 「あら?月だけで満足かしら。私は世界のすべてが
知りたい、見たい、聞きたい、感じたいのよ」
リエ 「けれども、私たちだけじゃなく
皆とも行きたいな♪」
ラン 「こんなわがままだったかしら?リエは?」
リエ 「きっかけは誰だと思ってるのよ」
しばしの静寂の後私が口を開く
リエ 「決心はついた?あなたはどうしたい?」
ラン 「・・・」
2機の機体は静かに抱き合った。
それぞれの刃が深く突き刺さる。
ヤマアラシのジレンマを思わせる光景
たとえ傷ついてでもお互いを温めあう選択を
した2人。
粒子となり崩壊していく2人だけの世界
この戦いに敗者などいなかった。
勝者もいないこともまた事実
それはゲームの話である
拍手の海を割るように蒼転寺さんに近づく
リエ 「一緒に食べようか?ラン」
私たちをつないだ最初のきっかけ
チョコチップチョコクリームパン
ラン 「お断りするわ。リエ・・・
みんなで食べましょ?」
装狂演譜クリエール完?
ーカーテンコールー
リエ 「長い怪文書を読んでくれてありがとう。
結局私単独では1勝もしていないけれど
たまにはそんな物語もあっていいよね?バイバイ」
ラン 「私の名前、ランだけれどプログラム実行のランよ?
植物や音楽記号由来が多いけれど、これは偶然」
そうてんじ 「みんなー、おうえんありがとー」
委員長さん 「いつかまた会えるといいわね。できれば
ツッコミ役が増えてくれるといいけど。
応援ありがとうね」
キキョウ 「キキョウxリエは永遠に不滅です!
応援ありがとうでござる」
コーダ先生 「あはははは、夜更かしばかりして不健康になるなよ?
また会おう!!諸君!!!」
会長さん 「この作品は妹に見せたらダメな気がするが。
いつかまた共に戦える日々を楽しみにしている」
スミレさん 「ランお嬢様が少しだけ素直になりましたし
今日は例のさんぷ
もとい、応援ありがとうございました」
紅の双璧は実家に帰りました
アンノウン 「蒼転寺君の活躍はいかがだったかな?
再会するときを」ブツン
SOLA派 「結局上司は最後まで話せなかったね。
応援ありがとう!!」
蒼転寺派 「応援ありがとう!!ラン様はぁはぁ」
クローバーさん「カーテンコールすら出れないのは悪役のサガじゃな
紅の双璧。いつかまた会おうなのじゃ」
クローバー? 「みんなぁ。好き嫌いせずなんでも捕食しようぜ!
そうして元気な姿でまた会おうな!!」
ディソナンス 「玩具片付けしないと怒られるからな。
これ異世界も元の世界も共通だから。
よいこのみんな!また会おうな!!」
ーどこかの宇宙ー
15m級のロボット兵器を詰め込んだ
海賊船モチーフの母艦
何でも派閥間のいざこざを超えた超兵器だとか
旗の中心には惑星コーダが描かれ
周りには各乗組員9人の特徴をあしらった
ドクロマークが円状に配置されている。
乗組員の一人が
”ボールベアリングのデザインがいいでござる”と
提案したからね
「キャプテン!未開の惑星を発見したわ」
「うむ。取り舵一いっぱーい」
飾りでつけられた操舵輪を力いっぱい回す緑髪の女性
「機体の調整はばっちりでござるよ?」
「助かるわ。惑星間友好兵器クリエール。作戦開始!」
私たちは旅に出ました。いつか太陽系の月を見るために。
もしかしたら君の惑星にも訪れるかもね♪
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