第7話 メイドVSイクシア学園5人衆

    「今日から君の名前はクローバー


     花言葉は幸運だ」


     かつて博士は我をそう呼んだ


     しかしミライという女性の裏切りにより


     帰らぬ人となった


     人類が初めて作った意志を持つAI,それが我。


     数百年前の出来事だが復讐の機会を窺った


     そしてある結論に至った


     装狂演譜、、、。


     邪悪に対抗するための力


     復讐をさせてもらうぞミライ、


     いやミーラ!!!






     今日は蒼転寺さんの家に遊びに行くこととなった。


     私と委員長さん、キキョウ、会長さんも


     彼女の家は知らない


     航空ドローンで運ばれる蒼転寺さんの指示に従い


     たどり着いた家、、お嬢様だったのか。


     「あっちー」「こっちー」「ついたー」


     という曖昧な指示で着いたが


     表札には蒼転寺と書かれている




そうてんじ「すみれー、あそびにきたよー」


     元気いっぱいに話す年上、、、。


     メイドさんがドアを開け中へ案内する


スミレさん「お初にお目にかかります。わたくし


     蒼転寺家のメイド。スミレと申します。


     以後お見知りおきを。」


     うわ、メイドさんだ。


     半袖の黒メイド服だが手袋で腕全体が隠され


     ガーターベルトを付けている


     黒髪で、ネコミミカチューシャ。


     しかし様子がおかしい。


     モップとデッキブラシをクロスさせて背中に


     刺してある。小学生の傘みたいに




リエ   「あの、蒼転寺さんは幼児退行中でして。」


スミレさん「承知しております、コーダ様より


      事情は聴きました。


      それよりお部屋に、、、。」




     なんだ?雰囲気が変わった?


     メイド服の下から2丁拳銃を取り出し


     空中に横っ飛びしながら


     トリモチ弾を2発同じ場所に当て、


     クルクル銃を回してホルスターにしまう


     マトリッxスかリベリxンのような


     アクションシーンだ




スミレさん「害虫が紛れ込んでおりました


     申し訳ございません」


そうてんじ「すごーい、おおきくなったら


     めいどさんになるー」


     蒼転寺さんのメイドのルーツが彼女かと


     納得した




コーダ先生「あははは、相変わらずだなスミレ君。


     客人を待たすわけにはいくまい。


     私が部屋へ案内しよう」


スミレさん「お手数おかけします」




     コーダ先生もいたのか!いや蒼転寺さんの


     姉ならおかしくはないか。


     天災と医者に釣り合うメイドと


     考えると恐ろしい






     案内されたのは衣装室のようだ。


     ああ、私服はまずいものね。お屋敷用に


     ドレスコードを身につけろと。


     ん?コーダ先生は白衣だったぞ?




     衣装ケースを見る


     いや、なんか想像と違う。コスプレだ




スミレさん「その衣装たちはランお嬢様お手製です


     是非ともなりたい自分をイメージ


     してくださいませ」




そうてんじ「わたしこれー」


委員長さん「これが一番しっくりくるわね」


キキョウ 「拙者にぴったりな衣装、ちょっとサイズ


     大きいでござるが」


会長さん 「この衣装なら相応しいか」




     いや、なんでみんなそんな早いの?




スミレさん「将来の夢でなく、カッコイイ物への


     憧れでも結構です。


     私も皆さまとお近づきになりたいですし」


リエ   「カッコいい物ねぇ、、、。


     将来の夢とかないしなぁ、、、。










     こ、これは!!!」




     私服たちはスミレさんが洗濯してくれるらしい


     使用済みと新品の服をすり替え、プラ容器に入れる


     蒼転寺さんならともかくスミレさんなら安心だ






     案内された部屋は舞台のセットのよう


     これはクイズ番組?


コーダ先生「第一回、お嬢様のご学友クイズ大会!!」


スミレさん「い、いえーい」


     スミレさんには無理だよそのテンション!!


     申し訳程度にカチューシャはバニー用だ


コーダ先生「今回はスミレ君に皆を知ってもらう事、


     そして普段しゃべらない友人のことを知る


     機会を用意した。


     みごとスミレ君の納得のいく回答を出した場合


     お手製のクッキーが食べれるぞ皆の衆頑張ってくれ」ばりばり


リエ   「早速食べてるし」




コーダ先生「エントリーナンバー1番


     クリエリエ選手。大きなツインテールと


     アホ毛、頬に絆創膏で赤毛


     悩んだ末の西部劇のガンマン姿


     メカに萌えを見出す期待の新人だー」


     


     「エントリーナンバー2番


     蒼転寺ラン選手。緑髪のポニテで


     眼鏡。スタイルは全選手で一番。


     憧れのメイドさんで参戦


     幼児退行に思い人の髪を集めるなど、


     スマホで監視するタイプのヤンデレだー」




     「エントリーナンバー3番


     カトレア・リゾルート選手。青髪ショート


     クラス委員長兼生徒会副会長


     裁判長イメージだが現実ではハンマーは


     そんなにたたかない。


     大事なものはプラ容器に入れる乙女だー」




     「エントリーナンバー4番


     キキョウ・リゾルート選手。紫髪ロング


     機械部を支配する女王


     ニンジャやサムライの影響で語尾キャラに。


     孤児たちを誘拐して洗脳して奴隷に


     仕立てそうな悪女もとい清楚なシスター姿


     依存させるタイプのヤンデレだー」




     「エントリーナンバー5番


     クフェア・ロマネスク選手。銀髪の王子様系


     タイツのデニールは多いほうが好ましい。


     生徒会長でありながらバトルもできる


     今回はイケメンバーテンダーで参戦


     スマホの待ち受けも妹の筋金入りだー」


     


コーダ先生「それでは第1問!!!デデン


     奇跡が起きて某少年雑誌に載りましたが


     思い人にアレが生えました。どうする?」


リエ   「何この問題!!選手紹介の時点で


     コxコロコミxクは無理よ!!!


     ホビー漫画っぽいノリだけど


     この怪文書Rー15指定だよ!!!・・え?」


コーダ先生「なお突っ込みを入れてテンポを


     悪くした選手には


     スミレのクナイが飛んできます」


     (突っ込みいないと収集つかないよこの怪文書、


     あとキキョウはクナイで興奮するな)         




      大切な人にあれが生えたら?


リエ   「ノーコメント」


蒼転寺さん「愛します」


委員長さん「叩いて取れないか試す」


キキョウ 「踏んで取れたらいいな♪」


会長さん 「妹は妹だ。変わらない」






コーダ先生「第2問トロッコ問題です


     愛する人が何もしないと引かれます


     しかし無関係の5人を犠牲にして


     レールを切り替えれば助かります。


     どうする?」




リエ   「倫理的にノーコメント」


蒼転寺さん「切り替えます」


委員長さん「殴ってトロッコ脱線させる」


キキョウ 「ってゆうか石置いて脱線させればいいじゃん」


会長さん 「無関係な人の葬式にいくさ」






      次―シャワーやお風呂で最初に洗う箇所は?


リエ   「髪」


蒼転寺さん「自主規制します」


委員長さん「腕」


キキョウ 「手」


会長さん 「妹」


   




      好きな遊x王のカードは?


リエ   「機x帝ワイxルインフィxティ」


蒼転寺さん「スxルドレxン」


委員長さん「パワーボxド」


キキョウ 「苦渋のx択」


会長さん 「星xを戴く巫女」


  




      たけのこ派、キノコ派?


リエ   「たけのこ」


蒼転寺さん「きのこ」


委員長さん「どっちも食べる」


キキョウ 「キノコ派にたけのこを、たけのこ派にきのこを食べさせる」


会長さん 「妹と同じで」






      夏休みの宿題は早めにすます?


リエ   「登校日5日前からやります」


蒼転寺さん「早く終わらせて全力で遊ぶ」


委員長さん「毎日コツコツと」


キキョウ 「答え見ながら」


会長さん 「妹と少しずつ」






      好きなロボットアニメは?


リエ   「ガxダx00」


蒼転寺さん「神無xのx女」


委員長さん「天元x破グレンxガン」


キキョウ 「伝x巨神イデxン」


会長さん 「コxドギxス」     






      スマホの待ち受けは?


リエ   「オタばれ防止の偽装写真」


蒼転寺さん「リエちゃん」


委員長さん「お答えできません」


キキョウ 「遊星歯車機構」


会長さん 「妹」






      デートはどこに行きたい?


リエ   「自宅もしくはオンラインデート」


蒼転寺さん「イxンのフードコートでいっぱい食べる」


委員長さん「相手にあわせます」


キキョウ 「事故を装い抱きつけるおばけやしき」


会長さん 「いつか、妹といけたらいいな」






      ゲームの攻略法は?


リエ   「とりえあず自力で」


蒼転寺さん「最初からネット解禁」


委員長さん「つまったらネット」


キキョウ 「人にやらせる」


会長さん 「妹に聞く」






      朝は強い?


リエ   「蒼転寺さん起こすために無理やり起きます」


蒼転寺さん「記憶がありません」


委員長さん「8時間寝れば余裕」


キキョウ 「姉上が起こすし」


会長さん 「妹の声のアラームでおきます」






      装狂演譜のプレイスタイルは?


リエ   「遠距離攻撃」


蒼転寺さん「接近戦」


委員長さん「床殴ってたら相手いなくなった」


キキョウ 「相手をじっくりじわじわと」


会長さん 「妹、、、じゃなくて可変機体」






コーダ先生「はい、ありがとうございましたー」


スミレさん「いろんな意見がありましたねー


     特にクフェア会長のオチ要因がすごかったです」


会長さん 「妹はかわいい。それだけさ」


      




コーダ先生「では最後の質問、


     あなたの好きな人は誰ですか?」


蒼転寺さん「リエちゃん」


キキョウ 「リエ殿」


会長さん 「妹」


     すごいな、この人たち即答だ


委員長さん「恥ずかしくて無理」


スミレさん「なるほど。リエ様は?」


     あの、クナイ持って脅迫してるんですけど、、、。




リエ   「個人で好きな人はいません」




     静寂する会場


     蒼転寺さんとキキョウはダグxムみたいな


     ポーズしてるし、コーダ先生はカンペ出して、


     スミレさんは印を結んでいる。


リエ   「しいて言えば全員が好きです


     私は引きこもり体質で、友達作るの苦手で


     できても裏切られて、でも


     蒼転寺さんは何度も友達になろうとしてくれたし


     委員長さんはクラスのみんなをひっぱてくれて


     キキョウは策略こそあれど私を好きになってくれて


     会長さんも私のことを前から知ってるみたいで


     嬉しかった。


     コーダ先生とも全力で向き合った結果


     納得のいく答えが出せた。


     スミレさんの2丁拳銃はすごいカッコよかったし、


     蒼転寺さんとコーダ先生を相手に臆しないのは


     すごい度胸だと思う。




     本音を言えば超えたいと思う相手は1人います


     けれども、誰か1人を好きか選べというなら


     答えることができません


     これは私のわがままです。」






     静寂を切り裂き拍手が沸いた。


     先陣を切ったのは好きと言われたかったであろう


     蒼転寺さんだ。すっごい悔しそうだけど


    


コーダ先生「あははは、君はいい人すぎるんだ


     世界に対し正直に生きている。


     大人の世界では甘いといわれるだろうが


     その理想論は大好きだ」




スミレさん「申し訳ございません、お嬢様のパートナーの器を


     疑うようなことをしてしまって、


     あなたならきっと、良い方向へ進むでしょう」




コーダ先生「さあ商品のスミレお手製クッキーだ、


     早く食べないとなくなっちゃうぞ?」




     ワイワイとクッキーをむさぼる面々


     蒼転寺さんとキキョウは失恋から


     お互いに食べさせあってるし


     委員長さんは蒼転寺さんを見ながら、


     会長さんはコーダ先生に確認を取って


     プラ容器にクッキーを詰めている


     妹さんに食べさせても大丈夫かの確認だろう


     スミレさんがクッキーの追加を、


     コーダ先生がハーブティーを入れると聞いて


     会場は盛り上がっていた


     これをお茶会と呼ぶには明らかに野蛮だが、


     それでも私たちはこれが正解だと信じたい。 






スミレさん「お夜食の準備をいたしますので


     皆様お風呂にお入りくださいませ。


     当家では2人同時に入れますよ?」


キキョウ 「はいはーい。2人組なら


     仮想くじ引きがありまぁす」


     キキョウの、、、。なんか裏がありそう




     私、キキョウペア


     蒼転寺さん、委員長さんペア


     コーダ先生、会長さんペアの結果


     




リエ   「で?何か意図があるんでしょう?」


キキョウ 「拙者はリエ殿とお風呂に入りたいし?


     姉上は蒼転寺殿を気にしてる。


     会長殿は忙しくてコーダ先生にお礼を 


     言えるタイミングが欲しかった。


     ね?完璧な布陣でござろう。」


リエ   「あれだけのメンツで反論が起きなかったって


     ことはみんな分かっていたのね。 






     、、、。今日だけ背中洗ってあげる」


キキョウ 「感謝するでござる♪」








蒼転寺さん「リエちゃんに振られた―」


委員長さん「みんな好きって言ってたじゃない」


蒼転寺さん「私より空気読めるリエちゃんがだよ?


     パートナーである私って答えないあたり


     もう見捨てられたんだ!!!」


委員長さん「しっかりしなさい!!蒼転寺ラン!!!


     あなたそんなキャラじゃないでしょう。


     私が好きなのは大胆不敵な道徳赤点モードよ」


蒼転寺さん「むぅ。今のは聞かなかったことにしてあげる。


     恥ずかしいでしょうに」




     しばしの静寂が流れ、そして


委員長さん「この家すごいわね。窓から月が見える。


     そして今日の月はとてもきれい。


     蒼転寺さん左手出して?」


蒼転寺さん「、、、、、、。」


     見えない月を写しながら親指と人差し指で


     輪っかを作り、思い人の左薬指に通す


     実物なんてない空想の指輪


蒼転寺さん「奇麗、、、まるで月のように。


     ラピスラズリ、瑠璃って言ったほうが通じるかしら


     色が変わるという宝石。試練を与えるって意味かしら?


     どうして私に?」


委員長さん「私より優秀なあなたがクラス委員になれなくて


     当たっていた時期がったでしょ。


     そのお返しよ。あなたを傷つけてしまって


     もう遅いかもしれないけど」




蒼転寺さん「それを直接言うのは、委員長自身がゆるして


     ほしいだけと思われるわよ?」


委員長さん「ようやく本調子に戻ってきたわね。


     叶わぬ恋だと分かってる。


     2番目は嫌だけど、あんなこという子には


     流石に勝てないわ」




蒼転寺さん「私の夢、聞いてくれる?恥ずかしいから


     お互い背中向けてね」


委員長さん「しょうがないわね、よっと」




蒼転寺さん「いつかこの惑星を飛び出して宇宙を探検するの。


     エリートだらけの惑星防衛機構では


     窓際職だけどね☆


     リエちゃんがメカ担当で


     キキョウちゃんが部品をいっぱい作って


     会長さんが冷静に指揮を執って


     コーダ姉さんが医療を


     スミレさんが料理を


     そしてカトレア、あなたの手腕も欲しいのよ。


委員長さん「急に本名で呼ばないでよ。


     私なんて何の特技もないわよ」


蒼転寺さん「私と、リエちゃんと、キキョウちゃんの


     暴走をあなた以外で誰が止められるのよ?」


委員長さん「うん、、、。」


蒼転寺さん「いっぱいいろんなものを見つけて


     いろんな旅をして、


     もし何も発見できず教科書に載らなくても


     私たちの航海は無駄じゃなかったって


     すべての人たちに宣言するの」




委員長さん「うん、、、、。」


蒼転寺さん「もしかして泣いてる?」


委員長さん「かまわず続けて!!!」


蒼転寺さん「私たちで無理なら次の世代が、


     それでも無理ならその次が、


     人類が滅ぶのが先か宇宙の終焉が先か


     なんてわからない。けど


     私はすべてが見たい。すべてが欲しい


     すべてが知りたい。すべてを聞きたい


     作り笑いではなく人類すべてが


     今日みたいに笑って過ごせる未来が欲しい


     そのためなら、道化になったっていい


     悪魔に魂を売り渡してもいい


     道徳赤点だっていい」


委員長さん「道徳は勉強しなさい」


蒼転寺さん「丸暗記じゃダメ?」


委員長さん「私が参考書ぐらい作るわよ、


     未来のキャプテン蒼転寺様の為にね」


蒼転寺さん「じゃあ、私と一緒に来てくれるの?


     こんな意味不明でなんの計画性もなく


     支離滅裂で、誰もが理想論と笑い、


     命の保証もない暗黒宇宙で」


委員長さん「もうっうるさいわね」ドン


     いつものストレスではない、壁ドン




委員長さん「私を連れてきなさい、


     宇宙で一番の宝石見つけて指に括り付けるから」


     振り返って10秒ほどであった短い抱擁は


     永遠とも思える長さであった


委員長さん「さあ、もう上がりましょう。


     思い人に涙を見せて嫌われても知らないわよ?」


蒼転寺さん「ええ、、、。ええ!!行きましょう!!!」






コーダ先生「あははは、今日は楽しかったなぁクフェア君」


会長さん 「はい、あの先生」


コーダ先生「お礼ならいらないぞ。


     手術費は出世払いで返してくれるのだろう?


     君がお金を払った。私が手術した。それだけだ」


会長さん 「すみません、僕が妹を失うことが怖くて


     後天的遺伝子治療を拒否してしまって。


     もっと楽に解決できたはずです」


コーダ先生「そりゃぁ私もお姉ちゃん属性だからね。


     君の立場でも同じ選択をした。


     遺伝子をちょっとでも弄れば


     それは別人だ。違う。ちょっとした変化でも


     思い出が強すぎて他者が受け入れられない。」


会長さん 「先生、僕と文化祭の大会に出てくれませんか?」


コーダ先生「あははは、私は惑星防衛機構に就職する気はないぞ


     それに、君もだ。ずっと宇宙にいるから


     オンラインでしか妹くんと会えないぞ?」


会長さん 「この大会で名を上げれば先生の考え方に


     発言力を持つ。大衆は有名人の意見なら


     真偽関係なく妄信的に信じる」


コーダ先生「確かにそうだ。医者なんてものは


     必要だが、忙しくないほうが理想なんだ。


     だれもが病気になりたいわけじゃない」


会長さん 「あれからずっと考えていた。


     恩返しがしたいと。今は無理でもいずれ


     あなたの隣に立てるよう医学の道をすs」


コーダ先生「やめておけ!!!」


会長さん 「!」ビクッ




コーダ先生「今のスタンダードは遺伝子治療だ


     そして手術は成功しても決まって皆


     これでは別人だ。人殺しと罵倒されるのがオチだ。


     あの子は野菜なんて好きじゃなかったとか


     明るかった子が本ばかり読むようになったなどな。


     誰も救われない修羅の道。


     そんなものに君を巻き込むわけにはいかないのだよ」


会長さん 「、、、。」


コーダ先生「だから普段は保健室勤務で、


     緊急性が高いときのみ病院へ行く生活なんだ


     分かってくれるかな?」


会長さん 「僕にはまだわかりません」


コーダ先生「だろうな。君はあの子たちの中で一番年上だが


     それは学園内の話。大人になれば


     成功した者も、挫折して枯れてく者も出る。


     妥協が必要だし理想論だけでは給料がもらえない」


会長さん 「大人って救いがないですね」


コーダ先生「使えるお金も増えるし、自己責任の名のもと


     恋愛だってできる。法律を犯さないかぎり自由なのが大人さ」




会長さん 「先生は学生に戻りたいですか?」


コーダ先生「あははは、そんなことをしたら悲しむやつが


     2人いてな。姉離れと友人離れができない子供が。


     その期待を裏切るならば死んだも同じさ」


会長さん 「僕もその仲間に入れてもらえませんか?」


コーダ先生「あはははは、頼られるのは嫌いじゃないさ。


     私が医者になりたかった理由は、


     傲慢な年上のエゴで、遺伝子治療を選ぶことから


     年下を守るためだ。」


会長さん 「僕があなたについていく理由は


     その考えを広めて、妹のように


     救われる人間を増やすことです」




コーダ先生「はははは。君の可能性が見たくなった。


     ペアを組もうではないか!!!


     だが文化祭までの間だけだ。


     妹の理想を叶えるため遠くに行くかも


     しれないしな。」


会長さん 「結局姉って、妹に勝てないんですね」


コーダ先生「そういう運命だ。ここだけは諦めろ」


     肩を組んで笑いあう2人


     妹談義をしていたら夕食ができたとの


     報告が入る。妹ラヴ同盟が


     仲間たちのもとへ歩みを進めた






     夕食後部屋からほほえましい声が聞こえる中


     スミレは風呂に入っていた


スミレさん「皆それぞれ個性的でよい方ばかり。


     お嬢様が屋敷に戻らない理由が分かった気がします」


     自分以外誰もいない風呂場でお酒を注ぐスミレ


     水に浮いたお盆から、「蒼転寺ラン」と書かれた


     粉末の袋を開け流し入れる


コーダ先生「毎日お酒を飲むのは感心しないな」


スミレさん「これはコーダ様。お恥ずかしいところを」


コーダ先生「2人きりの時は口調を崩したまえ。スミレ」


スミレさん「今日は特別です。ラン様のご帰還ですので」


コーダ先生「普段はそんなもの使わないのにな」


スミレさん「そりゃコーダの本物の下着があるんだよ?」


コーダ先生「ランくんには悟られぬなよ?今でも彼女は


     君のことをカッコイイメイドさんだと思っている」


スミレさん「洗濯機でサンプルは取りましたし、


     ご学友の方も採取済みですので当分は大丈夫です」


コーダ先生「一応言っておくと、ご主人様のパンツ被りながら


     お酒飲んだり、衣服のニオイサンプル作るのって


     他だと追い出されるからな?」


スミレさん「ゑ?」


コーダ先生「ゑ?」


コーダ先生「はぁ。君ほどの人材がなぜこんなことに」


スミレさん「そんな私を愛してくれたからこそ


     私はあなたたちにお仕えしているのです」


コーダ先生「メイドは一定の地位がないとなれない職業だ。


     盗品や、暗殺の危険があるからな。」


スミレさん「私はそんな事しませんよ?」


コーダ先生「プラ容器に私のスパッツ入れてるとこ見たぞ?」


スミレさん「私のブーツの中敷きで許してくださいませ」


     


スミレさん「敵襲!!」


コーダ先生「ランくんか、そのサンプルは隠しておけ!!」


     歴戦のメイドの勘と嗅覚で危機を察知する


     容疑者2名




蒼転寺さん「スミレさん、本日はありがとうございました。」


スミレさん「お嬢様が楽しんでいただけたら何よりです」


コーダ先生「雰囲気が違うな、なにかあったか?ラン君」


蒼転寺さん「月がきれいといわれながら指輪を渡されたんです」


     左手を見せるが何もついていない


     ここから月は見えないとスミレが顔を傾げると


     コーダがフォローを入れる


コーダ先生「ほら授業でやった太陽系の告白だよ」


スミレさん「あっ、失礼いたしました。お嬢様は博識ですね」


蒼転寺さん「姉さんサンプル貰うわね。」


コーダ先生「おっと、お酒は二十歳からだぞランくん」


蒼転寺さん「コーヒー牛乳、これならいいでしょ?」


コーダ先生「なるほどカトレア君か。素直になったのだな」


蒼転寺さん「例の計画を話したらついていくって。


     あの子頭いいのに」


コーダ先生「それが青春ってものさ。惚れてしまった以上


     テコでも動かんぞ。スミレ君のように」


スミレさん「お恥ずかしい限りです」




蒼転寺さん「ところで、どちらが先に告白したんですか?」


スミレさん「それは、、、。」


     コーダが手で会話を遮る。


コーダ先生「あはははは、文化祭で優勝したら教えてやる。


     ただし私もクフェア生徒会長とタッグを組むがな」


蒼転寺さん「ゑ?」


スミレさん「ゑ?」


2人   「ええええええええええええええ」


     


     

     次回予告


蒼転寺さん「私たちは準決勝を」


委員長さん「私たちはこの試合を」




2人   「放棄します」




      次回「さいていの準決勝」






     リエ「私の知ってる蒼転寺さんはもういない」



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