第5話 クリエリエVS蒼転寺ラン!!
かつて一人の科学者が夢を追い凶弾に倒れた
いや倒されたというべきか
人類の夢たるクローン技術、遺伝子操作、XY染色体の絶滅
惑星全域にも及ぶ公告による全人類ネオニート計画
咎人は我だけでいい
ー通学路ー
今日も今日とてクラシックを流し航空ドローンで蒼転寺さんを
運ぶ。私の家が輸送可能になってからは壁を破壊せず
合いかぎを使う事を覚える程度に頭がいい
ーイクシア学園高等部 2年教室ー
蒼転寺さんをドローンから解放する。
同じ洗濯機使っているのに蒼転寺さんの服はほつれが多い。
幼児退行モードであちこち動くからだろう
緑髪のポニテで眼鏡、目元にホクロ、
あと私よりほんのちょっとスタイルがいい
服が悲鳴を上げる理由がわかる程度には。
蒼転寺さんの幼児退行の原因を探るため保健室で
見てもらおうとしたら「あくまがいてこわい」と
拒否されてしまったので私単独で行くことにする。
あと書き手も変更する
ー保健室ー
ははは、久しぶりにラン君が来るか。
私は蒼転寺コーダ、自慢じゃないがちったぁ鼻が利く
緑髪ロングだ。趣味で片目がねを付け白衣、
好きな飲み物はハーブティー
保健室勤務の傍ら、難病に苦しむ子の出張オペもする。
「失礼します」と礼儀正しい声がする、
女子三日会わずなら別人という言葉どうり
お姉ちゃんはとっても嬉しい。
リエくん 「高等部2年のクリエ・リエです、
今お時間よろしいでしょうか」
コーダ 「すとおおおおおおおぷ!上履き脱いでアルコール
消毒!それから話を聞こう!!」
リエくん 「あ、すいません」
クリエリエ、、、ふむどっかできいたことがあるよーな、
ないよーな。でもランくんと同じ洗剤のにおいだしなー。
赤毛のツインテ少女が儀式を終え私の研究室に降りたつ
下駄箱の仕掛けも問題なし
コーダ 「君は見たところ病気でもないし、
誰か怪我でもしたのかな?」
リエくん 「同じクラスの蒼転寺ランという生徒が
幼児退行していて手がかりが欲しいんです」
コーダ 「ランくんと同じクラスか!!!
さあ、座って座って。積もる話もあるだろう
いやーランくんにも心配してくれる友達ができたとは、
くうううう。秘蔵のハーブティあけようかなああああ」
リエくん 「テンション高いですね、あと蒼転寺さんとはお知り合いで?」
コーダ 「申し遅れた!私は蒼転寺コーダ!ランくんの姉だ!!」
リエくん 「あーハイテンションが面影ありますね」
コーダ 「そのなれない口調は崩してしまってかまわないさ。
その辺にくつろいでくれ。今は患者もいないし
話し相手が欲しかったのさ。あはははは」
リエくん 「ではお言葉に甘えて。私は一応蒼転寺さんと
文化祭でタッグを組めるよう鍛錬していまして」
コーダ 「なるほどお!君がリエくんか、ランくんがお世話になって
おります!!!はいジンジャー、冷え性にもいいぞ!!
その辺の茶菓子も食べてくれ、学生で栄養不足は私が許さない」
リエくん 「その蒼転寺さんの幼児退行を直してもらえませんか?」
沈黙せざるを得なかった。ランが望めばこちらも要望に沿う。
だがこのリエという少女は影響力が高い。無下に扱えば
最悪の結末もあり得る
私が突然黙り込んだため少女が心配しているが、
ここはひとつ試してみるか。
コーダ 「ああ、すまない。確かにラン君の状態は把握している。
だが私の見立てでは経過観察がよいと思う」
リエ 「根拠を聞かせてもらえますか?」
コーダ 「別に遺伝子に問題もなければ時間経過で治る。
症状が悪化すれば対策はするがそれをすれば
彼女は彼女でなくなる」
リエ 「見殺しにしろと?後天的遺伝子治療ができる
惑星でもこの程度何ですか?」
コーダ 「残念ながら医者は神ではない」
リエ 「あなたに任せず別の医者に手術を受けさせますよ?私は」
セカンドオピニオンで解決する問題でもない
ごめん、ラン。あなたの友達に真実を伝えなければならない
コーダ 「遺伝子とは人の設計図!!後天的に変えるということは
対象の人格すら破壊することになる!!!
おとなしい子が元気になるのはいい!
逆もあり得るということだ、
君は今の蒼転寺ランが嫌いかね!!!!」
声を荒げてしまう。こんなのだから悪魔呼ばわりされるのだ、私は
リエ 「かつて私も体格のことを悩んでて、遺伝子治療の話をしたとき
蒼転寺さんに叱られました。
テセウスの舟のパラドックスはご存じですか?」
ああ、知っているとも。
リエ 「Aの舟の部品を交換していって、
全部部品を取り換えたら、その船はAであるか否かというやつです」
少女の声が震えているのが分かった。声にトーンを抑えて話そうか。
コーダ 「うまい例えをしたものだ。
船が人間で部品が遺伝子。
だが、持論を展開するならば
遺伝子を少しでも入れ替えた時点で別人だ
人間はマシーンじゃない。自分だけならともかく
他人のちょっとした変化でも感情を左右する
髪型や香水、衣服等が分かりやすいかな」
少女はしばらく考えた後表情が崩れてきた。恐怖じゃない、この涙は
リエ 「ごめんなさい。私は今の蒼転寺さんが好きです。
親族のことも考えず軽率な発言したことを
お許しください」
あああああ、ランくんにはもったいないぞこの子は!!!
てゆうか私が結婚したい!!!指輪買ってこなきゃなあああああ
コーダ 「あははは、いやすまないねリエくん、
君が涙流すまで彼女のことを考えてくれるなんてねぇ。
いい嫁さん持ったなあランくんは!!!
式はいつぞや!!!」
リエくん 「うわあ、蒼転寺さんの姉っていうのもホントなんですね。
なんかこう雰囲気が」
コーダ 「もし君が誤った選択をしていたならば、
三日三晩椅子に縛り付けて、ウミガメの産卵動画を見せ、
命の大切さをン熱血指導するとこだったよ。ふぅははは」
リエくん 「何か変化があったらまた来ます。
今回はご迷惑をおかけしました」
コーダ 「ん待ちたまへ、リエ君んん!!!」
ビシっ人差し指を突き立てる。威嚇ではないぞ。
コーダ 「ランくんがクリアできなかった私の最終試験に
挑戦する勇気はあるかね!!!」
リエくん 「道徳の問題なら蒼転寺さん赤点取りましたよ?」
コーダ 「ちぃがあああああう、私がランくんに戦いを教えたのだ!!」
リエくん 「コーダ先生何者なのよ!!!」
コーダ 「ランくんの提唱した理論にちょいとアドバイスしただけさ」
リエくん 「なんでこんなところで保健室の先生してるのよ、
もっといい給料の仕事に就けるでしょうに」
コーダ 「その答えは勝ってから話そうか
んバトルうう、スタァト!!!」
リエ君に話の主導権を戻すぞ!!!
ー仮想バトルフィールド 洞窟ー
あの先生の導きによりバトルフィールドに降り立った
機体はクリエール・フルキャノンサーカス。
合計10門の射撃が可能な、自分の中の最適装備だ
洞窟内で相手は黒くよどんで見えないが、けん制で1,2発うつ
剣でビームを切断するなんてスタイリッシュなことするなぁと思いつつ
霧が晴れた機体に驚く
蒼転寺さんの機体、3等身の騎士ソウテンマル・フラットである
蒼転寺さん「リエさん最終試験にようこそ」
リエ 「マジっすか」
ここ進xゼミで習ったところだと言いたいぐらいに見慣れた光景
自分が思う最強の敵と戦うステージだ
口調がさん付けなのは出会ったころの再現か
鳥型サポートメカ付きのシャープに関しては
自爆していたので弱いと判断したのだろう
「じゃあやりますか」と蒼転寺さんがしゃべるのと同時に
踏み込んでくる。
正直迎撃できるほどの時間はない
後方に下がりつつ攻撃しちょっかいを掛ける
蒼転寺さんだからマントにろくでもないものを隠してそうだし
蒼転寺さん「私のSPスキルはオート回復、
生半可な攻撃では回復していく一方よ☆」
リエ 「エミュ力高いなこの試験!!」
実力もだが人読みまでコピーするのか。
あえて自分の行動を曝し戦場をコントロールする、
蒼転寺さん独自の戦い方
今に情報でヒットアンドアウェイは無駄となった
「こないなら こちらが行くわ リエさんや」と
蒼転寺式電気火縄銃を展開する。
金属製の旗を機体前面に展開し、レールガンを作り出す
こんな狭い洞窟の中で正気かと思うがこれは試験
真正面から戦わないと強制敗北ルートがあるのだろう
5,6発打たれれば崩れるなと予測しプランを練る
もし受験者が
委員長さんなら蒼転寺さんが
キキョウなら私が敵になり
蒼転寺さんなら、、、。蒼転寺さんの最強の敵って誰だ?
少なくとも私には勝っているし、
ならばコーダ先生かとおもうが、リトライ可能な試験で
蒼転寺さんが対策練らないのは疑問が残る。
考えろ、蒼転寺さんが一番自分を失う相手、、、。
考えうる最悪の答え
「メイド服着た私じゃん!!!!!」
いやわかるよ、一番うろたえてたし鼻血流してたし
でもさ、でもさ、でもさぁ!!
すっごいシリアスな話してたんよ、ついさっきまで。
テセウスの舟がどうとかって。
こんな展開になるならさぁ
みんな!!童話ウサギと亀で後者が魔改造されたサイボーグAIだと
嫌だよね!!!
みたいな改造せずに普通が一番という結論にもってくわ!!!
しょうがないといいながら別の端末で
「打倒タイムセール!戦え!!メイド番長」の主題歌を流す
蒼転寺さんにおすすめされたアニメだが
私の心には刺さらなかった
ソウテンマルの第4射
そろそろ洞窟も崩壊しそうだし
意を決して飛び出し、見よう見まねで
メイド番長の振り付けを踊る
蒼転寺さん「やっと出てきたかと思えばそれは何?
私を失望させないでよ」
リエ 「初見ではコピーもできないよね
本物の蒼転寺さんはこれで喜ぶはずよ!!!」
蒼転寺さん「そんなロジック!!!」
リエ 「あなたはミスを犯した」
蒼転寺さんあなたの特技であなたを倒すことをお許しください
リエ 「まずこれが試験であると明かしたこと
これで本物でないことが確定」
「次に最強機体ではなく、私を倒した機体で出たこと」
「最後に初見対応ができないこと」
蒼転寺さん「続く文面は、、、。」
リエ 「つまりあなたは偽物だという事、
証明終了QED!!」
蒼転寺さん「そこは最弱の私をイメージして適当に
倒すでしょうに」
クスっと蒼転寺さんが笑った気がした
リエ 「蒼転寺さんの弱いイメージ?
そんなの私自身見たくないわ!!
最初の敗北からあなたに追いつきたいと
願っていた。」
蒼転寺さん「ならば私を打ち抜きなさい」
リエ 「ダメなんだよ。過去のあなたに勝ったって。
私は常に最強の蒼転寺さんと戦いたい!!」
蒼転寺さん「あなたには勝てないわねリエさん。」
泣いてるのか笑顔なのか分からないが嬉しそうではある
天井に銃口を向けると同時に蒼転寺さんも同じ場所を狙う
リエ 「試験官が受験者助けちゃダメでしょ。
隙だらけだよ?」
蒼転寺さん「あら、あなたの蒼転寺さんでも
こうすると思うけど?」
リエ 「クリエリエ、クリエール・フルキャノンサーカス作戦開始」
蒼転寺さん「最終試験官、ソウテンマル・フラット参る」
リエ 「SPスキル、ラグストーム、開園」
蒼転寺さん「蒼転寺式電気火縄銃、イグニッション!!!」
外の光が見えた瞬間ソウテンマルがクリエールを放りなげた
一緒には行けないとでも言いたいのだろうか
手を振りながら光になっていった。
ー保健室ー
現実に戻るとクラッカーの音が鳴りコーダ先生が笑っていた
リエ 「手が凝りすぎでしょ、この最終試験
そりゃ蒼転寺さんでもクリアできないわけだ」
コーダ先生「いや、無数のイケメンなリエ君に囲まれて
タイムアップになってたぞ」
リエ 「いやじゃ、そんな話聞きとうない!
というかこのステージの勝利条件は?」
コーダ先生「そんなものはぬわい。自分が納得いく
答えが出た時点でプレイヤーの勝ちぞ!!」
リエ 「私は今の蒼転寺さんと勝ち抜きたいです」
コーダ先生「うむ!!気を付けて帰るのだぞ!!」
一礼をし保健室を去る。
まだまだ苦労の日々は続きそうだ
あとがき
ー保健室ー
ふう、何とか誤魔化せたか
一人になった私が現状をまとめる
私が医者になった理由なんて勝利の余韻に
浸ってるリエ君に話す内容じゃない
そしてもう一人
ランくん 「バイト代は弾んでもらいますからね、コーダ姉さん?」
コーダ 「あははは。いやあ助かったよランくん。
君が長い時間拘束したおかげでいいデータが取れたよ」
「ほい、リエ君の靴のニオイサンプル。
越後屋おぬしもわるよのぉ」
ランくん 「いえいえ、姉様こそ」
コーダ 「しかしだ、なぜこんな芝居を?」
ランくん 「実は私たちのペア勝率高くなくて、
リエちゃんに捨てられるんじゃないかと思って」
コーダ 「少なくともリエ君とタイマンで負けないかぎり
ないんじゃないかな。今の蒼転寺さんが好きだと言ってたし」
リエ君の靴のニオイサンプルをハーブティーに混ぜる
ランくん 「保健衛生大臣が見たら卒倒しそうなシーンね」
コーダ 「しかしだねぇ、私も遺伝子こねくりまわす、
マッドサイエンティストなのだから」
コーダ 「あとランくん、名乗り口上で参る使ったのは減点ね」
ランくん 「最初の戦いで言ってなかったわね、無念」
かつての師すら利用し、少女は何を願う
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます