第9話 プログレが衰退した頃に聴いた曲たち(BOØWY、安全地帯など)
1970年代中盤から衰退していったプログレッシブ・ロック。パンク・ロックが台頭し、でもそれすらも「ニューウエイブ」の波に取り込まれていった激動の時代。
今では考えられないことですが、当時の音楽には「ムーブメント」つまりジャンルの「はやりすたり」があり、大衆はその波に流されがちでした。
キング・クリムゾンは1981年に再結成しましたが、演奏内容はプログレというよりはニューウエイブでした。ロバート・フリップ総帥のバンドではありましたが、なんでこれでキング・クリムゾンを名乗るんだろう、という気もしました。
ただ、その中にあっても「スリープレス(ライブ・ヴァージョン)」という名曲を生み出したのはさすがでした。
クリムゾンは1994年に本格的にプログレ・バンドとして再々始動するのですが、その話は後にしましょう。
衰退したとはいえ、プログレッシブ・ロックの灯は完全に消えたわけではありませんでした。1982年には「マリリオン」などのネオ・プログレッシブ・ロックが生まれています。
それでもビッグ・バンドの活動が停滞したこともあって、私の音楽欲はどこへ向かえばいいのかわからなくなりました。そんな中、日本のロックに目が向いたのです。
「安全地帯」は、今はソロ活動が多い玉置浩二さんのバンドですが、これをロックと分類することに疑問を感じる方もいるかもしれません。
最大のヒット曲「悲しみにさよなら」や「ワインレッドの心」なんかは、確かにあまりロック臭がしませんが、セカンドアルバムに収録された「真夜中すぎの恋」や「マスカレード」なんかは、間違いなくロックだと思います。
最近聴き返してみてわかったんですが、この頃の安全地帯って不倫っぽい歌詞が多いですね。まあ、作詞は玉置浩二さんじゃないんで、彼の責任じゃないんですが。
あと、オメガトライブ時代も含めて杉山清貴さんの曲も聴いていました。こちらはあんまりロックっぽくはないのですが、「さよならのオーシャン」や「SHADE〜夏の翳り〜」なんかは、ちょっとロックっぽいんじゃないかな。
当時私は車で長距離通勤をしていましたので、これらの曲をカセットに収録して、カーステレオで再生しながら大声で歌っていました。眠気覚ましのために。
そして「BOØWY」と「COMPLEX」ですね、日本のバンドで一番ハマったのは。
とはいっても、初めてBOØWYを意識したのは、シングル曲「季節が君だけを変える」をカーラジオで聴いたときですから、解散宣言直前だったんですけどね。
この曲は、わかる人にはわかると思うんですが、BOØWYの中でも異色の曲です。こういう感じの曲は、ほかにレパートリーの中にはないはずです。ザクザク切り刻むようなイントロのギターに、惹き込まれました。
布袋寅泰さんのギターは、それまで私がよく聴いていた「泣きのギター」とは全く違っていて、クールで鋭いカッティング中心のギター・プレイは、私のギターに対する概念を根底から崩しました。
「BAD FEELING」や「JUSTY」のイントロは痺れましたね。どうやったらあんなイントロを思いつくんでしょうか?これはある意味、プログレッシブですね。
ちょっと腹が立ったことを思い出したんですが、「ちびまる子ちゃん」のエンディング・テーマ曲だった「おどるポンポコリン」という曲のサビの「ピーヒャラピーヒャラ」の部分、どう考えてもBOØWYの「Dreamin'」という曲のイントロのパクりに聴こえたんですよね。
COMPLEXは、BOØWY解散後に布袋さんが吉川晃司さんと組んだユニットです。オリジナル・アルバムの発表は2枚だけでしたが、「1990」という曲が一番好きでした。
これもよく車で歌っていたんですが、最後の方は必ず泣けてきて歌えなくなるんですよね。
あと、プログレッシブ・ロックとともに斜陽になっていたハード・ロックが、ちょうどヘヴィメタルに変身していた時期で、シン・リジィというバンドにも傾倒しました。ツイン・ギターが炸裂するサウンドは、とてもかっこよかったです。
当時のヘヴィメタルのヴォーカルは、甲高くシャウトするスタイルが定番だったと思いますが、シン・リジィのヴォーカル兼ベースのフィル・ライノットは、低音のシャウトで聴かせる人で「ブラック・ローズ(ライブ・ヴァージョン)」などの名曲を生み出しました。
さて、このほかにどんな曲を聴いていたのかと探してみたら・・・。
出るわ出るわ、当時のアイドル路線・・・。
ribbon(女優の永作博子さんが当時所属していたグループ)「Virgin Snow」「サイレント・サマー」「Stay with me」
小川範子さん「涙をたばねて」
菊池桃子さん「Night Cruising」
芳本美代子さん「サカナ跳ねた」
この頃、もういい年こいたおっちゃんだったんですけどね・・・。
でも、今聴き直してみても ribbon の3曲は名曲ですよ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます