13 情報ゲット⁉︎

今日は週の始まり、月曜日!

昨日いろんなことがあったけど気持ちを切り替えていかなくちゃ!

私たちが今日やることは情報収拾。

桜ちゃんを助けるために闇夜界について知ってる人を探すんだ!

私はいつもより早く起きて早く登校した。

私はとりあえず職員室に行って先生に話を聞くことにした。

「失礼しまぁす。朝からすみません、『闇夜界』の行き方を知っていらっしゃる先生方はいらっしゃいますでしょうか。」

「「「「「「……」」」」」」

私のいかにも中二病みたいな発言に沈黙が続いたけど、すぐに先生たちはクスクス笑いながら、「何の漫画の話ですか?」とか「朝から寝ぼけているんじゃないですか?」とか言ってきた。

私は恥ずかしくて顔が熱くなって、急いで職員室から出た。

うーっ!あんな聞き方じゃおかしいよねーっ!恥ずかしいよぉ〜!

顔を手で覆いながら廊下をトボトボ歩いていると、聞き慣れた声が聞こえた。

「あ、おはようリリコ!」

ライくんもいつもより早い時間に登校してきたみたい。

「?リリコ顔赤いよ、熱でもあるんじゃない?大丈夫?」

えっ⁉︎そんな赤いの⁉︎私の顔!

ライくんに見られたらもっと恥ずかしくなってきた。

仕方なく私は職員室での出来事をライくんに話した。

そしたらライくんはお腹を抱えて笑いだした。

「ぷっ!あはははははははははっ!うふっ、リリコっ、ふふっ、そりゃあ中二病だよぉっ!あっはははははっ!お腹痛くなってきたっ、あははははっ!」

そんなに笑うライくんを見て怒った私は、

「もうっ、ライくんまでっ!もういいっ!」

そしてお腹がねじ切れそうなほど笑ったライくんはフゥ、と深呼吸をしてから喋った。

「ごめんごめん、じゃあ先生からの情報はナシ、か。」

ライくんは考え込むような姿勢を取り始めた。

「あとは生徒だけかあ。」

私も腕を組む。

そのあと一時間目、二時間目とすぎて行き、もう昼休みになってしまった。

「もしかしたら知ってる人いないのかもね。」

私は生徒たちに闇夜界について聞きながらライくんと話す。

「闇夜界はセツに会った人しか知らないのかなぁ。」

ライくんもあきらめかけている。

すると後ろから可愛らしい声が聞こえた。

「あぁ〜!ライさぁ〜ん。何しているんですかぁ〜?」

高くて可愛らしい女の子の声。

振り向いてみるとそこには女子生徒がいた。

身長は本当にひっくい。135センチぐらい?

小動物みたいにクリンクリンしている大きな瞳に小さな口。

小顔だけどすっごい整っている顔立ち。

少し見とれてしまったけれどこの子にも闇夜界について聞かなくちゃ!

「あの、あなたは闇夜界って聞いたことありますか?」

私が聞くとその子は鼻の上にシワを作って睨んできた。

「あなたには関係ありません。私はライさんとお話ししますので。」

この可愛い顔に似合わない声のトーン。

さっきのライくんを呼ぶ甘い声とは全く違う。

「ライさ〜ん、このブスは誰ですの?」

グサッ

彼女は綺麗な笑顔で毒を吐く。

「ブスじゃないだろリリコは。」

ライくんは私をかばってくれた。

「あのう、あなたは誰ですか?」

名前を聞いてみたほうが仲良くなれるかもしれない!

すると彼女は長い髪をなびかせて自己紹介をした。

わたくしは『早乙女 ヒメ』と申しますわ。この学校で一番可愛い女子ですの。以後、お見知り置きを。」

最後に長ーいワンピースの端をつかんでお姫様みたいににっこりとした。

まるでさっきの毒舌は嘘みたいな穏やかな笑顔で。

あ、私も自己紹介しなくちゃ!

「えっと、私は、辻堂リリコです!ヒメちゃん、よろしくねっ!」

私が手を差し出すとヒメちゃんはその手をパシッと叩き落とした。

わたくし、女子には興味ないんですの。いいからライさんと話すのでどこかに消えてくださいます?」

さっきの綺麗な笑顔は何処へやら、鼻の上にシワを寄せて睨まれた。

ヒエェぇぇ。こっわ!なにこの表裏見えまくりの子は!

ブルブル震えているとライくんが私の代わりに聞いてくれる。

「喧嘩すんなヒメ。ヒメは闇夜界って言いたことあるか?」

すると話しかけられて嬉しいのかヒメちゃんは笑顔を取りつくろった。

「教えて欲しければ、放課後に二階の空き教室においでください。そこのブスは来なくてもいいですわよ。」

にっこり笑顔でまたブスと言われマシタ…。

来なくていいって言われたけど、桜ちゃんが、私の大好きな親友が危ないんだ!

「あの、私も行っていいかな⁉︎」

思い切って言ってみた。

「そうだな、リリコも関係者だから一緒に行こう。」

ライくんは笑顔で返してくれた。

でもヒメちゃんはもちろん笑顔じゃない。

「フンっ!」

そっぽを向いちゃった。

なんかちんまりコリスみたいで可愛いなっ。

「でもヒメちゃん、なんで知ってるの?」

ちょっと気になったから聞いてみた。

「あら、ご存じないんですの?」

くるりとこちらを向いた彼女はニヤリと笑っていた。

わたくし、学園一の情報通なんですわ。」

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