第44話 僕の気持ちは

僕は心臓が馬鹿みたいにドキドキして、息をするのも苦しいくらいになってしまった。いま、キヨくん僕に付き合おうって言った?僕が呆然とキヨくんを見つめていると、キヨくんは少し困った顔で顔を逸らした。


「急にこんな事言われても困るよな。でも、俺結構、玲に仄めかしてきたつもりだけど。」


そう言って、黙ってしまったキヨくんはいつもの余裕なんてなくて、強張った横顔を見せていた。僕はそんなキヨくんを見ていられなくって、そっとベッドの縁を握るキヨくんの手を握った。



キヨくんが僕の方をハッとした様に見たけれど、僕は顔を合わせる勇気は無かった。


「…僕、キヨくんが僕の事好きなのかなって思ってた。でもそれって、どんな意味の好きか分からなくて、もしかして女の子が好きじゃないから、男の僕の身体だけ目当てなのかなって思ったりして…。だって、しょっちゅうキスしてくるし。」


キヨくんは僕の肩を掴むと、グイッと顔を見合わせて言った。



「どうしてそんな風に考えた!?俺、玲とのキスが初めてだって言ったよね?」


僕はキヨくんが何だか怒ってる様な気がして、焦って言った。


「だって!キヨくんいつもキスしたいって言うばっかりで、僕のこと…好きだとか言わなかったから。だからキス友になるのかなって!」


キヨくんは僕の顔を見て、大きくため息をついたけど、ふわっと優しい顔をして囁いた。



「…俺は好きでもない相手とキスなんてしないよ。玲とキスしたかったんだ。好きだから。…玲は俺とキスして嫌じゃなかった…よな?何で嫌じゃなかった?」


僕は顔が熱くなるのを感じながら、それでも何となくキヨくんを困らせたくなって言った。


「…嫌じゃなかった。気持ち良かったから…。」


キヨくんが僕の顔を見つめながら、眉を上げて僕の言葉の続きを待っているのを感じて、僕はそっぽを向いて答えた。



「…キヨくんの事好き。昔から大好きだから、側に居られなくなった。今は、もっとキヨくんにキスして欲しいくらい好き。」


キヨくんはクスッと笑うと、僕をぎゅっと抱きしめた。キヨくんの腕の中はいつだって安心感があって、そして今はドキドキする。キヨくんは喉を鳴らしながら僕の耳元で笑っているみたいだった。


僕が顔を起こしてキヨくんを見上げると、キヨくんは甘い微笑みを浮かべて囁いた。



「玲は俺の事、キス友にするつもりだったのか?玲って俺を弄ぼうとしたんだ、な?」


僕は慌てて首を振って違うと言ったけれど、僕の顔はキヨくんの両手で包まれてしまった。目を細めたキヨくんの色っぽい瞳が眼鏡の奥で光った。


「玲になら、俺弄ばれてもいいよ。これから俺の事ずっと振り回してよ。俺、そんな玲が大好きだから。」


そう言うと、僕の疼く唇に柔らかく唇を押し当てた。僕は4回目のキスって数えたけれど、それから家の人が帰って来るまで馬鹿みたいにキスしてたから、何度キスしたのかもう分からなくなった。



自分の部屋に戻って、のぼせた頭でベッドに倒れ込んだ僕は、枕に顔を押し付けてう“ぅと呻いた。僕に彼氏ができた。凄くかっこよくて、大好きな幼馴染のキヨくん。はぁ、もう嬉しくて死にそう…。






~お知らせ~


ピュアキュンなキヨくんと玲はここまでです♡

付き合い出した二人のカップル編へ突入していきます!シリーズ2でお楽しみください♪R18展開になると思われます。その場面のみ表示しませんのでよろしくお願いします。なお、アルファポリスではR18展開含め先行更新してます☆





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