第16話 魔法の代償はこりごりくん
pm2:00
剣崎の話によると魔法は以下の通り
使用方法は触れて願うこと。(全ての生き物)
魔法には有効時間があり、その時間は八時間。
魔法を使用した代償を払うこと。
剣崎は話を続けた
「魔法を利用して、人の気持ちをコントロールすることによって利害が発生するよね」
「お金を払わせたりとかですか?」
「うん、それもある。例えばコボくんが、嫌いな女の子にキスしなくてはいけって、依頼が来たとしたら、いくらでその依頼を受ける?」
「キス!実はまだキスもした事なくて...」
「じゃぁファーストキスって事になるよね?もちろん、そのぶん高く依頼受けるでしょ?」
「まっまぁ、そうなりますよね」
「僕はホスト時代に、僕を好きでもない姫を無理やり魔法で好きにさせて、お金を使わせている。魔法がかかっているからその場は楽しめてるかもしれない!しかし魔法がなければ僕を好きになることも、お金を使う事もない。その人の気持ちが動くぶんの代償を僕は精算しなければならないんだ、というより精算させられるんだよ」
「精算って?お金払うんですか?」
「請求書でも来てお金払うほうがまだいいよ」
「お金じゃないんですか?何で精算を」
「気持ちに見合った分の記憶が失くなるんだ」
「記憶?」
「思い出とかそういうもの全て」
「赤ちゃん時の記憶とか俺もないですよ」
「俺も最初は気付かなかったんだ思い出なんてあまりないから、人によってはタイプがあるから、まぁ、こんな僕でも許容範囲ってのに入る場合と絶対この人は無理ってのがあって、絶対無理って人の心を動かすと膨大な時間の記憶が抹消されるんだ」
「いつ記憶がないの気付いたんですか?」
「たまたま幼なじみに会った時に気付かされた!小学生二年の時に引っ越して、それから会ってなかったんだ。でも久しぶりに街で声かけられて名前も名乗ってくれたのに、全く覚えてないんだ、相手を引き留めて詳しく聞いたら、昔隣に住んでていつも遊んでたって、でも僕が全然わからないから僕の事を記憶喪失だって、病院に行けってね」
「それでどうしたんですか?」
「家に帰って、アルバム見たらいたんだよ!面影あるし、親に名前言って聞いたら懐かしがって元気だった?とか聞いてくるから間違いなく幼なじみは存在したんだ」
「じゃぁ剣崎さんの記憶が失くなってるってことですよね?」
「そうなんだよ。それからアルバムを見て、覚えている記憶をノートに細かく書いていって、小学生の時と中学生の時までノート書いたんだ!」
「ノート見たら思い出したりするんですか?」
「いや、全く。僕の今わかっているとこだと小学校五年生までの記憶はないんだ」
「えー!」
「修学旅行やら家族旅行もあったけどない、友達との記憶もあったけどない。このまま魔法使い続けたら、多分言葉すらわからなくなってしまう」
「そんな言葉まで...」
「うん、実際小学生で学んだ漢字は読めなかったし、足し算とか引き算も、九九すら言えなかった。」
「えー!」
「だから、ホスト辞めて小学生の国語と算数はもう一度勉強したんだ。」
「そんな事まで失くなるんですか?」
「うん、めちゃくちゃ不便だと思ったのは計算が全然出来なかったんだよ。ご飯食べに行って値段見ても、どのお札使えば足りるとかわからなくなって、帰ってお札の価値と足し算と引き算を最初に勉強したもんね」
「マジですか!」
「うん、だから僕はもう魔法は使いたくないんだ」
剣崎の言う魔法の代償のやばさに、
小阪は愕然とした。
これから使えるようになる魔法に希望は何一つ持てなくなっていた。
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