第14話 未知なる魔法はニヤニヤくん
am 7:00
「ん、んぁぁあ」
コタツで寝たせいか、身体が痛い。
カレンちゃん起きる前に部屋の換気しとこう。
窓を開け、コタツ布団をベランダに干す。
「今日は、いい天気だなぁ」
寝不足の目にはまぶしすぎるくらいの晴天だ。
ポキポキ
小阪のLINE通知音がなる。
「朝から誰だ?」
剣崎さんだ!
何々、
今日時間あったら会って話したいことがあるんだけど、昼ご飯でもどうですか?
俺に話したいこと?なんだろ?
昨日会ったばかりなのに...
まぁ今日は休みだし昼ご飯くらいなら...
了解しました。お昼にどこで待ち合わせますか?
昨日のbarの近くにファミレスがあるんだけど、わかるかな?12:00にそのファミレスで!
わかりました。着いたらLINEしますね。
小阪は剣崎との昼食を了解した。
ガチャ
「おはよう」
着替えてメイクをしたカレンがリビングに現れた。
「おはよう」
「コタツ布団干してくれたの?ありがとう。別に気にしなくてよかったのに」
いやいや、あんな悪臭のコタツをカレンちゃんに嗅がせるわけには、いかないですよ!
「一晩お世話になったし...」
「今日これから、ヒナと涼くんと合流してご飯行くけど、コボちゃんも行くでしょ?」
「えっ!えーご飯行くの?」
「何にそんな驚いてるの?なんか用事あるの?」
「いやぁ、ちょっと知人とご飯の約束が...」
剣崎ぃ!!!カレンちゃんとランチのはずが!くそぉタイミング悪すぎ!でも、断ったら怖いめにあわされそうだし、あーついてないなぁ。
「なら、しかたないね。コボちゃんまた今度行こうね」
「はっはい!」
「LINE交換しよ!連絡する」
「うっうん!」
ランチは駄目になったが、無事LINEはゲットできた小阪であった。
am 11:40
このファミレスだな。
到着しました。
LINEで到着を報告する。
ポキポキ
中にいるから入ってきてください。
小阪は店内に入っていった。
「いらっしゃいませ。お一人様ですか?」
「先に1人来てるんで」
奥の席から剣崎が手を振っている。
小阪は剣崎の席へと近づく。
「こんにちわ」
「やぁコボくん!悪かったね呼び出しちゃって」
「いや、大丈夫です」
「とりあえずなんか頼もう!」
メニューを差し出す剣崎。
「チキングリルランチでいいかな、剣崎さんは?」
「俺は先にハンバーグランチ頼んだから」
ピンポン
呼び出し音がなり店員がくる。
「チキングリルランチ1つ」
「チキングリルランチですね。ランチに付くドリンクバーはあちらになります」
店員はお店の中程を指して説明する。
「他にご注文はございませんか?」
「はい、大丈夫です」
「かしこまりました」
店員が去って行き、剣崎が話し出す。
「話しってのは、とりあえずドリンク取り行ってからにしようか」
二人でドリンクバーに行き、それぞれ飲み物を持ち席に着く。
「単刀直入に言うね、コボくん指見せてくれないかな?」
!!!えっ!指?
両手を前に出して剣崎に指を見せる。
「絆創膏剥がしてもらってもいいかな?」
!!!タトゥーの事知ってるのか!
「あっいやぁこれは...」
「タトゥー入ってない?指に?」
「なっ!何で知って...」
「やっぱりなぁ、バーで僕の指見てたよね?その時、指を握って隠してたから」
「あのぅ、これなんなんですか?」
絆創膏を取り指に入ったタトゥーを剣崎に見せる。
「僕も自分以外のタトゥー見るの初めてなんだ!ちょっと模様が違うけどサイズ感は一緒だし、似てるよね。いつから?」
「先週です。指が光って熱くなって火傷かと思いました。」
「まだ。なったばかりなんだね」
「はい、バカにされそうなので絆創膏で隠してました」
「能力の使い方は知ってる?」
「はい?能力?」
「そうか、まだわからないよね」
「なんなんですか?能力って?」
「この指の模様が光って熱を出した時に能力が発揮されるんだ!」
「.....」
そう言えば昨日のリップグロス出た時に熱かったな!
「僕の能力は人の気持ちをコントロール出来るってやつなんだよ」
「人の気持ちをコントロール?」
「うん、二年前にホストしてたろ?あれはこの能力を使っての成績なんだよ」
「えっ!じゃぁお金を出したくなるようコントロールしたって事ですか?」
「うん、一時的にだけど、女の子を惚れさせる事が出来るんだ」
「えーーー!!!」
思わず大きな声を出してしまい、口を手で塞ぐ小阪。
「あまり大きな声ではしゃべれないから、ご飯食べたらカラオケボックスでも行こうか」
「はい!」
なんだ!なんだ!女子を惚れさせる能力?
俺も使えるわけ?カレンちゃんを思い通りにコントロールできんのか?
やり方教えてもらったら、モテモテ人生間違いないじゃんかぁ!
剣崎との不思議な話に夢中になっていると、ランチが運ばれて来た。
「ハンバーグランチのお客様」
剣崎は右手を軽くあげて答える
「はい」
「鉄板が熱くなってますのでお気をつけ下さい」
「チキングリルランチですね、こちらも鉄板が熱くなってますのでお気をつけ下さい」
剣崎は古風なたたずまいで、フォークとナイフというより、箸を好むといった感じの通り箸でランチを食べいる。
小阪は、ナイフとフォークで少し気取った感じでフォークの上にナイフでご飯を乗せて少しづつ食べる。小阪はチキンを頬張りながら剣崎に話かける。
「あっあのぉ!俺もその能力使えますか?」
「うん、使えると思うよ。ただ使い方だけは注意しないとしっぺ返しくらうけどね、フッ」
剣崎は不適な笑みを浮かべた。
使い方?なんだろ?
剣崎さんは本当に魔法使えるのか?
ただの嘘つきなのか?
小説家だけあってネタにされたのか?
疑問はたくさんあるが、今はランチを楽しもう!
pm1:01
ランチを食べ終え、会計を済ませ店を出た二人は小阪の車が停めてあるパーキングへ向かう。
小阪は逸る気持ちを押さえながら歩く。
剣崎がふとしゃべりかける。
「コボくん、この能力は魔法だと思う。30歳を未経験のまま越えたら魔法使いになれるって話は本当にあるんだよ!」
「剣崎さん未経験なんですか?」
「ああ、ずっと夢を追いかけて走り続いて来たからね」
なんだ!このタイミングでカミングアウト!
未経験って、俺もそうやないかぁーい!
でも惚れさせる魔法があるのだから今は経験者的な自慢話かぁ?
俺も魔法で初めてはカレンちゃんと...
剣崎は夢の話でにんまりと笑みを浮かべ、
小阪は妄想でにんまりと笑みを浮かべる。
旗から見れば、童貞っぽいおっさん二人が昼間っからニヤニヤしながら歩いているというカオスな状況であった。
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