第12話 酔った彼女を送り狼くん

pm 11:47


お酒の弱いカレンは、とうとう潰れてしまった。

ヒナは涼にくっついてお酒をまだ飲んでる。

「そろそろ締めますか!マスターおあいそ!」

涼がマスターにお会計を告げ、マスターから伝票を貰う。

「6000円だから、小阪さん半分お願いします」

涼に言われて、小阪は財布をバックから出してお金を出そうと中を見ると。


あれ?たしかレアカード入れてあったはずだけど...ない!ん?昨日置いてきたんだけっけかな?あれぇ?

「....」

財布の中を不思議そうに見てる小阪を剣崎は見てお金が足りないのかと声をかける。

「涼!僕が出すよ。マスター!はい」

剣崎は一万円をマスターに渡してお会計を済ませる。

「祐さんすいません。ご馳走さまです」

ヒナも続いて

「ごちになりまーす。」

「今日は楽しいお酒だったし、久しぶりの後輩との再開だから奢らせてくれよ。」

剣崎は体型はスマートではないが、振る舞いはとてもスマートであった。

小阪はマスターからお釣りを貰う剣崎の指にタトゥーがあるのに気づいた!


ん?あれは!俺の指にあるタトゥーとかなり似てる!人差し指の同じ場所!


小阪は絆創膏で隠した指を握りながら剣崎の指を凝視する。


「コボくん?どした?あまり人の財布の中をじろじろ見ないでくれよー」

「えっ!あっ!すいません。指のタトゥーが気になって」

小阪は自分の指を強く握り答える。

「ん?コボくん指どうしたの?」

「いや、すいません。なんでもないんです」

「......」

「ご馳走さまでした。」

「ああ、いいよお礼なんて、今日は楽しかったから。帰り道、気をつけて帰りなよ。それと女の子もちゃんと送り届けること!」

「はっはい!」

マスターにタクシーを二台頼むとすぐ来てくれるということで四人は店を出ることにした。

小阪はカレンをおんぶさせられ、涼はヒナがくっついて離れないままでいた。

路地裏は道が狭いので、少し歩いた大通りの道にタクシーが待っている。

「小阪さん、ヒナは俺が送っていくのでカレンちゃん宜しくお願いします。」

「涼くんにLINE聞いて、コボちゃんの携帯にカレンの住所送っとくね、」

「はい」

そんな会話をしてると剣崎が店からでてきた。

「コボくん!LINE交換してくれないか?」

「えっ?いいですけど、今この状態なんでバックから携帯だしてやってもらえますか?」

「了解!」

小阪のバックを開け、携帯を取り出して自分のスマホでLINEの交換をしてバックに携帯を戻した。

「ありがとう!じゃぁ気をつけて、また連絡するよ」

「はい!お疲れさまでした」

剣崎さん何で俺とLINE交換?カレンちゃん狙ってんのかぁ?それにしてもカレンちゃん全然起きないなぁ、グラマーなのに全然重くない!太もも柔らかいなぁ!

あれ?この状況って二人きりでカレンちゃんの家に送るってことだよな、えーーー!!!

マジか!生きててよかったぁ!

おんぶするのも初めてなのに、女子の家にお邪魔するのも初めてだぁ!まて、カレンちゃん実家暮らしか?それって本当に送るだけやんかぁ!!!

今この時を、楽しむしかない!

よし!背中に神経集中だぁ!胸が当たってるはずだが、全然感じ取れない!肩甲骨動かしてみるか!

「ん...んん」

やばっ!起きたか?

「コボちゃん?」

「起きた?カレンちゃん送ってくからね」

「....」

ん?また寝た?それにしても酒臭いなぁ!でもほんのりいい匂いもする。

なんか位置が変わったのか胸が当たってるのがわかるぅ!肩甲骨発動!

「ん..あ..ん」

肩甲骨で刺激されたかぁ!

ヤバイ!俺も脳が刺激されてあっちが硬くなってきたやんかぁ!


少し前屈みになりながらも、大通りへとたどり着いた。すぐ前に、頼んだであろうタクシーが停車している。タクシーに近づくと後部座席のドアが開く。

カレンを後ろ向きでタクシーに下ろし、奥で座らせる。

「どちらまでですか?」

タクシー運転手に行き先を聞かれ

「ちょっと待ってください。」

バックからスマホを取り出してLINEを開く


お疲れ!

コボちゃん!ちゃんとカレン送るんだぞ!

◯◯市◯◯72-1 ミネルヴァ204号室

カレン1人暮らしだから部屋まで宜しく🖤


!!!

1人暮らしだぁ!!!


タクシー運転手に行き先を告げ、

いざカレンのアパートへ!




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