第9話 発砲事件現場でカピカピくん
pm10:05
「さぁこの後どうする?知り合いのBARで二次会でもどう?」
ヒナとカレンは同時に答える。
「いきたぁい」
そう言って涼の腕にしがみつく。
「コボちゃんも行くよね?」
カレンが小阪の腕に腕を絡ませる。
またしても、胸があたる感覚が小阪の腕から脳へと運ばれ、硬直する小阪。
「まだ緊張してるの?硬いよ!」
「小阪さん違うとこも硬いんじゃないっすか!」
酒が入った涼にいじられる小阪。
その言葉に反応して目線を下に向けるカレン。
とっさに股間を押さえて隠す素振りを見せる小阪。
「かっ硬くない!」
そういいながらも肘を尖らせて腕を硬直させる小阪。
「コボちゃん、やっぱり身体、硬いよぉ」
腕を引っ張るカレン。引っ張る度に胸と肘が何度も当たる。
肘に当たる柔らかい感触を肘に全神経をそそいで感じとる小阪。
マジ柔らかいなぁ、カレンちゃんめちゃくちゃ俺に近寄るし、好きじゃなきゃ男子の腕なんか引っ張ったりしないよなぁと、思いながらカレンの左手に目線を移すと涼の右腕に腕を絡ませている。
ちょぃちょぃちょーい!涼くんの腕を離しなさぁい!男なら誰でもいいのか!
涼に対する嫉妬が生まれる。そこからは被害妄想と涼への嫉妬と怒りが爆発する。
クソ!クソ!クソ!どうせ彼女いない歴イコール年齢ですよ!俺はどうせ引き立て役ですよ!あんな右手、腱鞘炎になって自慰禁止令ですよ!
たとえ小阪が思った通り、涼の右手が腱鞘炎で自慰が出来なかったとしても、涼には言葉は悪いが処理してくれる女の子たちがいるのだ。夜の生活も涼は前戯することはほぼ無い、そして彼女がいるってことはここだけのお話で....
そんな事を小阪は、知るはずもなかった。
pm10:15
ワチャワチャしながら繁華街を歩く四人。
裏路地に入ると、少し薄暗い。
「この道怖い」
ヒナは涼の腕にさらにしがみつく。
「大丈夫だよ、ほらすぐ前にあるBARだよ」
「こんなとこよく知ってるね」
「昔、ホストの先輩が教えてくれたんだ」
「ホストしてたの?」
「うん、ちょっとだけね」
「今もしてそうだけど」
ヒナが上目遣いで睨む。
「してないよ!ホントに懐かしいなぁ、ここ俺がホスト時代発砲事件あったとこでねぇ」
「発砲事件!!!」
「その時、その発砲事件を解決したのがホストの先輩だったんだぁ」
「なんか、ドラマみたいな話だね」
「今は何してるかわからないけど先輩この街で数々の伝説作った人だからなぁ。発砲事件はそのうちのひとつだよ」
小阪は今までわりと近い存在に感じていた涼に対して、少し距離を感じた。
涼くん闇の部分あるんだぁ、なんか俺の知らない部分が見えて、可愛い後輩って感じてたけど大人というか、「涼くん」なんて気軽にこの辺で、声かけたら、どっかから輩がでてきてやられそうだな。発砲事件だなんて、何の因果か俺もついさっき発砲事件おこしてますわ!
でも、今日は楽しい飲み会!涼さんについていきます。
さっきまで嫉妬に狂っていたやつがホントに呆れる。夜風が強くなってきて、小阪の股間を風が抜ける。
さっきの発射により濡れた股間は想像以上に冷えるのであった。
もちろんパンツはカピカピのまま、この後の展開ひとつで、カレンをワンチャンお持ち帰りとか、どこかで休んでいかない?とかは恋愛経験のない小阪には、わかるはずはなかった。
初飲み会でただ隣の席で飲んでお話してるだけで発射されてるなんて普通はない事だろう。
次のお店では発射しないことを祈るばかりだ。
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