第3話 帰宅後の派遣社員くん
pm 21:00
「ただいまぁ」
疲れきった小阪は帰ってすぐに離れの部屋へ向かう。
部屋にはところせましと趣味のカード、フィギア、未開封のカードの入った段ボールの山。その隙間にベッドがあり小阪はベッドへ倒れこんで枕に顔をうずめた。
「今日は疲れたなぁ、そういえばさっきの光はなんだったんだろ?」
指先を伸ばして眺める。
「疲れてるのかぁ」
疲れているせいか小阪の下半身はカチカチになっている。おもむろに手で下半身を撫でる。
コンコン。
離れの部屋の扉がノックされる。
一瞬ビクッとして小阪は布団に素早く潜り込む。
「お帰り、ご飯出来てるからね」
母親が小阪が帰ってきたのを知って声をかけるため部屋のドアを開け顔をのぞかせた。
小阪は布団から顔だけだして
「わかった。後で食べるから出てってよ」
焦っていたので、少し強めの口調で答える小阪。
「部屋で食べるのはいいけど、後片付けはしっかりしなさいよ」
「わかったから!早く出てってよ」
「はいはい、あまり夜更かししないでね」
母親はため息をつくと、ドアを閉めて出ていった。
小阪布団を被り、いまだ熱くなっている下半身を苛立ちながら擦り続けた。その時...
「熱っ!!!」
人差し指の先が熱くなり発光している!
「なんだ!これ」
パンツから手を出して人差し指を立てて凝視する。第一関節と第二関節の間がまばゆいばかりの光を出しまわりが熱で歪んでいる。
時間にすると10秒ほどであったが光は消え熱も出していないようだ。
「.....」
元に戻った人差し指を見ると、何かの模様の様な火傷?いや、タトゥーをしたような痕がが人差し指の第一間接と第二関節の間に指輪をはめているように一周ぐるっと描かれた。
「なんだ?何が起きた?夢?いや現実?」
一瞬の出来事で混乱するなか人差し指の非科学的に描かれた模様をじっと見つめる。
「火傷にしては痛くないし、なんか不思議な模様だなぁ」
少し落ちきを取り戻した小阪は頭を整理しようと模様を見つめながらさっき起きた出来事を思い出す。
「だめだ!全然わからない!」
スマホを手に取り検索するも事例はない。
怪奇現象?何か呪いのようなものの類いか?
部屋の隅にある洗面スペースで手を洗ってみたが落ちない。模様を写真に撮り検索をかけたが特にこれといったものもでてこない。
いくら考えたところでどうすることも出来ない。しかし指に模様が描かれてしまったという事実だけはわかった。
「とりあえず絆創膏貼って隠すかぁ」
小阪は謎を抱えたままその日は食事を捕らずそのまま眠りについた。
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