第25話 天使!?悪魔!?初代メンバー最強武勇伝!!(4)
「も、もちろんです!厳しいとわかってますが、頑張ります!」
ストローから口を離すと、瑞希お兄ちゃんの話に合わせる。
「絶対、足手まといにならないようにします!お祭りを盛り上げます!」
「凛たんが頑張ってくれそうなのはわかるけど、毎週土曜日に来れるのか?今だって、来たり、来なかったりだろう?」
「来れます!来ますよ、烈司さん!夏休み中はずっと、土曜日は瑞希お兄ちゃんのために出勤しますから!」
「ほらなー!?ホント、凛は可愛いやつだなぁ~!」
「むにゅ!?」
嬉しそうに言ったと思ったら、私をギュッと抱きしめる瑞希お兄ちゃん。
「いろいろ教えてやるからな~?ほら、カフェオレも好きなだけ、おかわりしろよ!」
(い、いろいろ教えてるって・・・!?)
抱きしめられたのはもちろんだけど、甘いセリフは気持ちがうっとり!!
(むしろ、いろいろ教わりたーい!!)
〔★ぼんのう全開だ★〕
「ちょっとー!?みーちゃん、凛ちゃんにくっつきすぎよ!あたしの目の前で、イチャイチャしないでよぉ~!」
「凛は俺が面倒見てんだからいいだよ。ほら、『カッフェ・フレッド』でも飲んで静かにしてろ!」
文句を言うモニカちゃんの前に置いたのは、砂糖をたっぷり加えた冷たいエスプレッソ。
「おい、こっちにも水分をよこせ。バリスタの瑞希さんが作った飲み物が、小動物・凛道のおかげでぬるくなっては困る。」
「俺と凛にケンカ売ってんのか、伊織!おら、ご注文の『カッフェ・シェケラート』だよ!」
嫌味を言う獅子島さんに差し出したのは、エスプレッソと砂糖と氷をシェイクしたイタリア風のアイスコーヒー。
「妬くなよ、お前ら~?つーことで、瑞希と凛たんの愛で溶ける前に俺のコーヒーちょうだい。」
「溶けるか、ボケ!ほれ、烈司の好きな『カッフェ・グラニータ』!」
茶化す烈司さんに渡したのは、ミキサーで氷と砂糖とエスプレッソをシェイクしたイタリアのかき氷と言われるドリンク。
「おいおいおい!俺様の分もまだだぞ!早く酒よこせ!」
「だから酒はダメって言ってんだろう!?『コーク・ブラック』でも飲んどけ!」
しつこい百鬼を叱りながら押し付けたのが、炭酸コーラとアイスコーヒーをまぜたカフェイン。
それらの冷たい飲み物を全員が受け取ったところで、やっと静かになる。
「あん、美味しい~♪」
「ふむ、味は悪くない。」
「あ~シャリシャリ感がいいわ。」
「わははは!コーヒーと炭酸水が、ノンアルコールに、化けんのが面白れぇなー!?」
「つーか、瑞希は何飲んでんだ?」
「アイスカフェラテ。」
「自分の分はシンプルだよな~」
「それなのに、あたし達のは手が混んでて~愛を感じちゃう~♪」
「愛もくそもあるか、馬鹿者。オーダー通りに作ってるだけだろう。」
「わはははは!酒飲みたくなってきたー!!」
「オメーは、さっきからそればっかじゃねぇーか!?」
(瑞希お兄ちゃん、楽しそう・・・)
こういう時だけ、瑞希の兄ちゃん達は『男子』だと思う。
1人女の子が混じってるけど、年相応(としそうおう)の若者らしい。
大人の男だけど、仲間同士で騒ぐ姿はクラスの男子と変わりない。
(といっても、あくまで例えよ。あんなゲスイ連中と瑞希お兄ちゃんが同類なんてとんでもない・・・・!)
〔★いじめの恨みは深い★〕
「つーことで!今年は凛も参加するから、オメーらもよろしく頼むぜ!」
「りょーかい。いつも通り、占いの仕事を調整して、手伝いに行ってやるよ、瑞希。」
「あたしもオッケー!夜店用のお洋服と、ディスプレーの用意は任せてちょうだーい♪」
「仕方がない。お前ら兄弟のために、時間を作ってやろう。客層と商品の売れ行きの集計も手伝ってやる。」
「わはははは!面白くなりそうだぜ~」
「すまねぇ。ありがとな、みんな。」
「「「「「気にすんな。」」」」」
瑞希お兄ちゃんの言葉で、すべてが決まった。
息ピッタリで言う彼らを見て思う。
(友達っていいな・・・・)
ストローで自分のカフェインを吸いながらそう思っていれば、その友達の1人が言った。
「ならば今年の土曜は、俺が多めに入ろう。瑞希だけだと、凛道に構いすぎて、接客をおこたるからな。」
「獅子島さん。」
「あら、何言ってんの~!?あたしの方が凛ちゃんと仲良しよ~!?セットで並べれば、可愛い招き猫になるわよぉ~♪だから、あたしのシフトを増やしてよ、みーちゃん!」
「モニカちゃん。」
「祭りは、回転率が命だぜ?コンビネーションが大事だろう?それなら、瑞希と付き合いが長く、凛たんとまとめて面倒見れる俺で決まりだ。」
「烈司さん。」
「わはははは!この中で、一番、自由なのは俺様だぞ!?」
「百鬼さん。」
「なによぉ~!?」
「なんだ?」
「あんだよ?」
「わはははは!!」
「お、おいおい、オメーら!?」
「み、みなさん・・・・?」
そのやり取りで、険悪な空気がただよい始める。
「俺がこの中で、一番適切に対処できる。万が一、凛道が客の服にコーヒーをこぼした時、悪乗りするクレーマーを作らなくていい。」
「こぼしませんよ!?」
〔★伊織は、失敗を前提に話している★〕
「あたしだったら~凛ちゃんを可愛くデコって、さらに客寄せできるわよ!?美容とファッション面で、全面的に凛ちゃんをバックアップするわ!」
「コーヒーをバックアップしてくださいよ!?」
〔★モニカは凛の方を気にしている★〕
「今年は単品のコーヒーのみをメインにするんだぜ?コーヒー作れるのは瑞希だけ。俺なら凛たんを助けつつ、一緒にひと夏の思い出を作ってやれるぜ?」
「仕事しましょうよ!?」
〔★烈司は遊ぶ気でいる★〕
「わはははは!わかってねぇーねぁ、オメーら!凛助と組むなら、相手を選ぶのは凛助だろう!?そうだろう!凛助~!?」
「僕にふりますか!?」
〔★決定権は、凛にゆだねられた★〕
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