第23話 天使!?悪魔!?初代メンバー最強武勇伝!!(2)
「わーってるって!烈司もモニカも伊織も皇助もサンキュー!」
「凛たんをなで続けながら言っても、説得力ねぇーぞ?」
「そうよ~みーちゃんてば、あたしへの思いやりが足りないんだから~凛ちゃん、モニカちゃんのところへおいで~!」
「その凛道から、瑞希へいくはずの愛情をわけてもらう気か、モニカ?やれやれ、どいつもこいつも集中力切れか?」
「わはははは!それなら一服入れようぜ!」
「それもそうだな。休憩入れようぜ。」
仲間の言葉を受け、瑞希おお兄ちゃんは私の頭を触る動きを止めた。
「オメーら、何飲む?いつものでいいか?」
「おう。」
「あたしも!」
「定番だ。」
「わはははは!酒!」
「皇助以外、いつものな?凛もいつもので言いか?」
「あ、はい!いいですけど・・・・」
「コラコラ!俺様には飲ませない気か!?」
「酒はダメだって言ってんだよ!」
叱り飛ばす瑞希お兄ちゃんの後についていく私。
それに気づいた瑞希お兄ちゃんが話しかけてきた。
「どうした、凛?違うのが飲みたいのか?」
「そうではなく、お手伝いします!」
(そうすれば、近くにいれるし・・・!)
瑞希お兄ちゃんの質問に下心もこめて言えば、にやりと笑って言われた。
「コーヒー入れるのはマスターの仕事だろう?スタッフは休んどけ。」
「は、はい・・・!」
うなずかずには、いられない笑顔。
「そうよん♪こっちへいらっしゃ~い、凛ちゃーん♪」
「わ!?」
見惚れていたら、背後からモニカちゃんに抱き付かれる。
ご機嫌なモニカちゃんが私を呼ぶ。
「凛ちゃーん♪」
同時に、子猫か子犬でも触るように、なでまわされる。
「わわ!?モニカちゃ~ん!?」
「こら、モニカ!凛を大事に扱え!」
「してるわよぉ~ねぇ、凛ちゃん?」
「おーい、モニカ。早く凛たん連れて来いよ。」
「まさに、連れ去りだな。」
「わははははは!身代金いくらだ~!?」
注意する瑞希お兄ちゃんがキッチンに入り、他の先輩達が待つ席に、私をお持ち帰りするモニカちゃん。
私を手元に置くと、ご機嫌でオネェさんは言った。
「うふふふ!今日は凛ちゃんが来てて、よかったわー!そうじゃなきゃ、手伝ってないもーん♪」
「薄情だな、おーい?」
「だって、みーちゃん!あたし達が来た時、円城寺ちゃん達がジャマで、凛ちゃんが見えなかったのよぉ~」
「わははは!男どもが全員集合してたのは、瑞希姫誘拐事件以来じゃねぇか!?」
「だれが姫だ!?」
「つーか、あいつら引き上げるのが早かったな?円城寺なんか、瑞希がいる日は、日付変わるまで側にいたがるくせによ~」
「同感だ。まるで、悪さでもしていたようじゃないか。聞かれたら困る話でもしていたようだな。」
「言われてみればそうだよな・・・。人の顔見るなり、解散しやがって。凛、何話してたんだ?」
「え!?あ、ああ、はい・・その~」
「遊びに来てたんじゃなかったのか?何の用だったんだよ?」
話を振られ、出された疑問へと慎重に答えた。
「じ、実は~ちょっと顔を合わせで集合解散しただけで~」
「顔合わせ?」
「えーと、確認を取ったと言いますか~」
「なんの?」
止まらない瑞希お兄ちゃんからのツッコミ。
それを止めるために言った。
「前回の、蛇の目からの攻撃をふまえまして・・・第2回真田瑞希さん誘拐事件を想定して、瑞希お兄ちゃんの無事を確かめるために集まっただけでして~」
「バッキャロー!そう何回も連れさらわれてたまるかっ!」
赤い顔でプリプリ怒る瑞希お兄ちゃん。
〔★瑞希は信用した★〕
良い感じに、話を信じてくれた相手に、作り笑いで答える。
「で、ですよねぇ~!?瑞希お兄ちゃんに限って、ないとは思いましたが~念のためと言いますか~」
「どこに念を入れてんだ、ばか!大きなお世話だぞ!?」
私の話に、継続して大声を出す瑞希お兄ちゃん。
「そう思ってるなら、馬鹿な話をしてんじゃねぇぞ、凛!?俺を保護してるつもりでいるのか、オメーらは!?」
「ははは!いいいじゃんか、瑞希~」
「愛されてる上に、心配されて、ぜいたくじゃないの~?」
「ガキ共の好きにさせてやれ、瑞希姫。」
「わはははは!今度も凛助王子が助けに来てくれるからな~」
「だから姫言うな!今度もねぇーよ!」
私のデタラメに、瑞希お兄ちゃんがさわぐ。
その様子を見て思う。
(よかった、誤魔化せて・・・・!)
嘘ついてごめんなさい、瑞希お兄ちゃん。
本当は違います。
(瑞希お兄ちゃん達に、気づかれないために急いで解散したんです・・・!)
〔★凛は話題を変えるのに成功した★〕
助けた女の子からの頼みと、ヤマトの一目惚れをかなえるため、合コンをすることになった龍星軍の男達。
彼らとしては、瑞希お兄ちゃん達にばれるのは嫌らしくて、内緒にしろと言われた。
多数決の前に、総長と言う立場の無力さを痛感する。
だから、その直後に帰ってきた瑞希お兄ちゃんとモニカちゃんと烈司さんに、全員が慌て、逃げるように帰って行ったのである。
(本当に・・・・合コンとかどうしよう?)
生まれて15年、合コンの誘いはもちろん、関わることもなかった。
瑞希お兄ちゃん以外の男にも興味がないので、私には無縁だと思っていたが・・・
―蓮君が好き―
―合コンしようよ―
(イマドキの女の子は、エネルギッシュだな・・・・)
〔★凛もイマドキだ★〕
(私を男と思って交際を申し込んできただけでも困るのに、合同でお見合いをするなんて。)
「凛、なんかあったのか?」
「え?」
アンニュイな気持ちでいたら、全員分のカフェインを乗せたトレーを持った瑞希お兄ちゃんがやってきた。
「な、なにもありませんが?」
「そんなわけないだろう?今日は、ずっと変だぜ?なぁ、オメーら?」
「そうよ!モニカちゃんの女の勘が言ってるわ!凛ちゃんが悩んでるって!」
「き、気のせいですよ!」
「嘘は良くないぜ、凛たん。凛たんが悩んでるのは、俺のタロット占いで出てる。話してみろよ?」
「身近な人は占えないんじゃなかったんですか!?」
「烈司の場合は、霊視などに関してだ。今までのデータから見ても、お前が隠し事をしてるのは明白だ、凛道。」
「手に持ってるファイルは、なんですか!?」
「わははは!!なんだなんだ!?女でもできたか!?」
「うっ!?違いますよ!」
近い答えを言う百鬼にドキッとする。
それを百鬼がかぎ分ける。
「おーい、女らしいぞ!」
「マジで、凛たん!?」
「ええ!?いやーん!どこのドロボウ猫よ!?まさか高千穂ちゃん!?」
「なるほど。高千穂との交際が事実かどうか、龍星軍の男全員で凛道に迫っていたとすれば、高千穂だけいなかったのは納得できる。」
「みなさん、勝手に捏造しないでください!」
「凛!俺は、凛が高千穂と付き合うことは応援する。だから、正直に話してほしい。」
「だから違うって言ってるでしょう!?ひどい、瑞希お兄ちゃん!」
「照れるなよ、凛!もっと自分に自信を持てよ。男だろう?」
「わはははは!そう言うな、瑞希!凛助の奴、女の扱いがわからねぇだけだろう~!?」
「ありえるな。思春期のオスらしさが女相手では見られん。」
「いいじゃない!凛ちゃんこのままで可愛いわ!でも・・・強引さもほしいわねぇ~」
「なんだ、オメーら?凛たんに漢らしくなってほしいのかよ?このままでよかったんじゃねぇーの?」
「激変しろとは言わんが、少しは変化してもらわんとな。仮にも俺達の後輩だ。」
「ですから、ハードカバーの本を構えながら言わないでください!」
「瑞希、お前が面倒見るって言ったんだから、責任もって男を教えてやればー?」
「わはははは!いいなそれ!」
「あら~みーちゃんに出来る。」
「たりめぇーだ、馬鹿野郎!」
ニヤニヤしながら言うモニカちゃんに、胸を張りながら瑞希お兄ちゃんは言った。
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