第20話 表もあれば裏もある!?ダブル『凛』の日常!!(20)




「うははは!一番、可愛かったからぁのぉ~!言っとくけど、自分らには渡さへんで!わしの彼女になってもらおう!?なぁ、凛!?」


「そうだね。頑張って恋人を作ってください。僕は、空気になって過ごしますから。」


「えっ!?マジで、凛さんも行くんですか!?合コンへ!?」


「仕方ないでしょう、可児君?」




ヤマトとは反対の位置、私の横に立っていた可児君へ諦める気持ちで言った。




「ヤマトが、ますみちゃんの友達を好きになったって言うから・・・」


「だから、行くってんですか!?」


「彼女を与えたまえ~すすめたまえ~て、お祈りされたら仕方ないでしょう?」


「どんな祝詞(のりと)っすか!?」




〔☆良い子のためのワンポイント解説☆〕

祝詞(のりと):神様へささげるお祈りの言葉のことだよん♪




「ということで、ますみちゃんとは男女交際をしない前提で、ヤマトの恋を応援するために合コンへ行ってきます。」


「もはやそれ、合コンじゃねぇー!ただの飲み会だ!」


「どちらかといえば、食事会だよ、円城寺君。僕ら未成年だから、お酒は飲めない。」


「うるせぇよ!浮かれやがって、このボケ!」


「むしろ、テンションは下がりっぱなしです。」




(何が悲しくて・・・女の子にモテなきゃダメなの?瑞希お兄ちゃんにモテた方が、どれだけ嬉しいか・・・)




〔★現実はうまくいかない★〕




「それで凛道!いつ、合コンに行くんだよ・・・・!?」


「え?いつなのかな、ヤマト?」


「うっははは!今度の日曜日の夕方からやってー!」



「「もう決まってんの!!?」」



「つーか、大河が驚くのはわかるが・・・」


「話を振った凛道まで驚いてどうする!?」



「決まってるなんて思わなかったんだもん!?」




〔★早すぎだ★〕





「さっき、ますみちゃんと別れたばっかりなんですよ!?ヤマト、いつの間に!?」


「うはははは!今、メールで来たんや~!待ち合わせは、『猫の群れの銅像』の前でええかって!どこや!?」


「今してるの!?今、メールしてんの!?」


「まぁまぁ、凛さん落ち着いて!」


「『猫の群れの銅像』って・・・・桃山女学院の名物のあれか?」


「あれって、なに?秀君?」




知ってる風な彼に聞けば教えてくれた。




「いや、あそこは・・・・桃山女学院の生徒が、女子力本気で、相手をデートに誘う時のパワースポットで、縁結び効果もあるって言われてんだよ。」


「よかったね、ヤマト。きっと縁が結べるよ。」


「うははは!めっちゃうれし~!!」


「そっちかよ!?自分の心配は!?」


「つーか、他人事みたいに言ってますが、完全に凛さん目的ですよ?」


「可児君。」




秀君に代わって、五分刈りの友達が私に言った。




「凛さんの良さに女が気づくのは良いことです。桃山女学院の女子と言えば、レベルの高い女としても有名です。」


「そうみたいだね。」


「そうだよ、馬鹿!この間デビューした、桃肌ガールは、桃山学院出身の女子だぜ!めっちゃ最高だぞ!?」


「お天気お姉さんも、女学院出身者が多いよなぁ~モデルもだけど、意外とエッチ系路線の有名人も、あそこが母校でさ~」


「まぁここら辺じゃ、付き合う女のブランドしては、申し分ねぇだろう!桃女と合コンできると聞けば、群がる男は大勢いるぜ。もっとも、普通の高校の奴らが相手にしてもらえるようなもんじゃないから、余計に他の奴らは騒ぐんだよ。」


「せやね~!ホンマあの子、可愛かったからのぉ~」


「そうですか・・・」



彼らの話を聞いて気づく。




(男目線と、女目線じゃ、見方が違うんだ・・・・)




桃山女学院、可愛い子が多いとは聞いていた。


学校でも、よく聞く学校名だった。


元友達の2人とも、そのことを話したことがあった。




(あゆみが丘学園の男子は、桃山女学院の生徒と付き合いやすい・・・・そういう意味か。)




お金持ちも名声も、親が持ってる男なら、当然ってことですか?




(ふふ・・・馬鹿な女達。目先のことに惑わされ、真の男らしさとカッコ良さをわかる人に気づかないなんて・・・・!)



その点、私は幸せ!



(瑞希お兄ちゃんと出会えたから!!)




〔★その割に苦労が多い★〕





「桃山女学院の生徒は人気なんですね~」


「当たり前だろう!?『イイ女の宝庫』って言われてんだぞ、凛道!?」


「本来なら、ヤンキーが合コンしていい相手じゃないぜ、凛君!?」


「そうですよ!もしかしたら、笑いのネタとして呼ばれた可能性もあります!」


「浮かれてんじゃねぇーぞ、凛道!」


「それもそうだね・・・」


「うはははは!」




ヤマト以外の言葉を聞いて思う。




(男を見る目がある女子の中に行くということは、私の男装がバレるんじゃない・・・?)




今のところ、ヤマト以外は知らない。


瑞希お兄ちゃん達も・・・多分、知らない。



そこへ行くとなると、今まで以上に気合入れなきゃ!




(でも逆に、バレなかったら、私の今後の凛道蓮ライフは安泰ってことじゃない!?)




〔★凛はいい方向で考えた★〕




心配にもなったが、血もさわいだ。


チャレンジャーという感情が、私を前向きにさせた。





「よし、決めた!モニカちゃんに頼んで、合コン用の服をコーディネートしてもらおっと!」


「「「「なんでだっ!!?」」」」


「うははは!」




〔★ヤマト以外からツッコミが入った★〕




「なんでって・・・え?」


「お前俺らの話を聞いてたか、凛君!?相手は桃山女学院だぞ!?」


「黒い噂もある女達だぜ、凛道ぉ!?」


「凛さん、あなた仮にも、龍星軍の総長!しかも、ロシア系のヒットマンに狙われ中なんだぜ!?」


「え!?アジア人じゃなくて!?」


「そっちは知らねぇーよ。とにかく、バラバラで動くな!固まって行動した方がいい。龍星軍としてだ。」


「円城寺君。」


「そこまで、朝霧さんに頼むんじゃねぇ。つーか、あの人だと、合コンそのものぶち壊されるぞ?」


「もしもし、モニカちゃん?」


「って、言ってる側から電話するな!!」




〔★凛は通報した★〕




「なにを慌てることがあるのです、円城寺君?」


「お前はそれでいいけど、関西放送のラジオ野郎はどうする!?」


「え?ヤマトのこと?」


「うははは!わしやな~」


「オメーがお節介はじめたなら、最後までしてやれよ!頭の務めだろう!?」


「そこまで僕の責任!?」




〔★凛は管理職のつらさを知った★〕





  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る