第18話 表もあれば裏もある!?ダブル『凛』の日常!!(18)
「やだぁ~蓮君!笑ってなんかいないよ?」
そう言って、私の腕にギュッとしがみ付く女。
「ま、ますみちゃん・・・!?」
「顔色悪いよ、平気?ますみでよければ、膝枕しようか~?」
「いりませんよ!」
「なになに!?急に、ますみと凛道さんの密着度増したんですけど~!?」
「もしかして、ますみ!OKもらえたの!?」
「やったじゃん!カップル誕生~」
「違いますっ!!」
お祝いを始める女子高生に言った。
「僕は、ますみちゃんとカップルになってません!!」
「え!?違うんですか、凛道さん?」
「違います!」
「どういうこと、ますみ?」
「ん~実はねぇ~」
親友達から集まる視線に、彼女は笑顔を浮かべながら答えた。
「まずは、合コンからってことになったのぉ~!」
「・・・・・・・・・・・・・・は?」
(合コン・・・・?)
聞きなれない言葉に、反応が遅れた。
その間に、ますみちゃんは言った。
「ほらぁ~蓮君もますみも、会うのは今日で2回目でしょう?それで男女交際は難しいじゃない?だから、あたし達と蓮君ヤマト君で、合コンして交流しようって話になったの~!?」
「はあああああああああああ!?」
「うっはー!マジか~~~~~~!?」
〔★ますみの恋の呪文、凛もヤマトも叫んだ★〕
「な・・・なに言ってんのぉ・・・・!!?」
「だから、合コン!来てくれるよね~蓮君?」
「なにが合コンだよ!?僕は絶対―――――――」
行かないと言う前に、背後から負荷がかかる。
「あの子もか!?あの子も来るんか!ますみちゃん!?」
「あう!?ちょ、重!?」
私の後ろに隠れていたヤマトが、大きな体を乗り出しながらますみちゃんに問う。
「あの子来る、あの子!?ますみちゃん、そこんとこをくわしゅう~!」
「どこの子だよ!?ヤマト、重い!あと、指さしてる手が震えすぎで誰のことかわからない!」
「来るんでしょうかー!?」
「もちろんよ、ヤマト君~」
巨大大型犬のようになったヤマトに、小悪魔がささやく。
「この場にいる女の子、全員参加よ!ねぇ、みんな?」
「ウソウソ!?マジ、ますみ!?凛道君と合コン!?」
「やーん、行くに決まってるじゃん!話題のイケイケボーイ!」
「やばい、あたし可愛い系大好きなの~」
「ますみの彼氏候補を取るつもりはないけど~」
「見るだけでも癒されるよね~?」
「その上、一緒にツーショットしたって言えば、他の子達が羨ましがるよー!」
「というわけで~全員参加でーす!」
「「「「「「よろしく~♪」」」」」」
「だから行かないって!!」
大合唱する女子達に、本気でダメ出しをする。
「何度言われても、僕にも都合がある!ヤマト、君だけ行きなさい!」
「え~?この合コン、蓮君とヤマト君がセットで来てくれないと、できないのになぁ~?どう思う、ヤマト君?」
「うはははは!凛をすまきにしてでも、連れてくで!」
「だって♪蓮くーん♪」
「そーくるかっ!!?」
〔★ますみは策士だった★〕
(なにこの子!?今の女子高生ってこうなの!?)
彼氏になってと言いだすわ。
いきなり合コンと言いだすわ。
あげく、ヤマトを使って私にまで来いと言うのは・・・・!!
「勝手に決めるな!俺は行かない!!」
(強引すぎでしょう!?絶対、行かない!!)
そう言ってるのに・・・・
「ヤマト君、連絡先教えて~場所と日にちの相談しよう~」
「せやせや!連絡先、交換しよー!うはははは!」
「おいいい!?ダメって言ってる本人の前で、なにしてんの!?」
止める私に構わず、携帯番号を教え合う2人。
〔★凛の意志は無視された★〕
「あ~よかった!これで合コンできるね~」
「せやね~!これで合コンできて、えかったわ~!」
「よくない!ヤマト!ちょっと来い!」
息ピッタリで言う男女の、男の方を捕まえて引っ張る。
そして二人で話し込もうとしたけど―――――
「どこ行くの、ダーリン!ますみも、仲間に入れて~♪」
「誰がダーリン!?赤の他人でしょう!?」
腕にくっついている小悪魔によって邪魔される。
「てか、ますみちゃん、いい加減に放して!」
「なによぉ~今さら、悪巧みー?」
「やったのは、君だぁ!あのね、絶対に僕は嫌だからね!?」
「こりゃ、凛!好き嫌い言ったらあかんで!」
「ますみちゃんにあかん言ってた君はどこへ行った―――――――!?」
「かんにんや、凛!このままでは、わしの恋の芽がつまれてまう!」
「だったら、ヤマトだけ行きなよ!」
「ええ~!?それなら、合コンは中止!永久に、このメンツでは無理っ!」
「ああああぁぁぁあああ!!あかんあかん!凛はわしが連れて行くから、開催して!!ますみちゃぁん!!!」
「ヤマトぉぉぉぉ!?」
「後生(ごしょう)や、凛!!」
パンと両手を合わせると、拝みだすヤマト。
「ホンマ、好みやんね!女神やねん!好きやねん!」
「俺に言われても・・・・」
「なぁ!ますみちゃんと無理に付き合えとは言わへん!参加して、義理だけ果たしてやればそれでいいやん!?」
「義理も何も、僕はあの子に恋愛感情は永遠にないんだけど・・・?」
「たのむわ!独り暮らしで一人ぼっちのわしに、彼女を与えたまえ~すすめたまえ~!」
「どんな祈り方してんの!?」
〔★ヤマトは本気を出している★〕
「たのむ凛!恋は突然始まり、突然なくなるもんなんや!これ逃したら、わし会えなくなるかもしれへんやん!?」
「え?ますみちゃんとアドレス交換したんだから、彼女から聞きなよ?」
「冷静に切り返せるなー自分!?直接がええねん!直接が!凛にならわかるはずや!恋する切なさという奴が!!」
「うっ。」
(確かに・・・・・・・)
片思いという立場から言えば、ヤマトの言ってることはわかる。
理解はできる。
「お願いやぁ~凛!付きおうてくれたら、何でもするさかいに~~~~!!」
「ヤマト・・・・」
一生懸命頼む友達に、気持ちが変わる。
(・・・・・・・・・ヤマトには、助けてもらった借りがあるしね・・・・)
お礼をする機会かもしれない。
なによりも、恋する女のことしても、応援はしてあげたい。
とはいえ、どの子が好きなんだろう?
〔★凛はまだ、ヤマトの好きな子を把握していない★〕
「なぁ、頼むわ!凛の交際相手を、交際を決めるわけやない!」
「でも、合コンでしょう?それはちょっと・・・」
「なにゆーとんねん!?当たりはずれがあるやろう!?ハズレの時に、無理してカップル作る合コンはないで!凛はついてくるだけでええ!適当に流して、笑って済ませればいいねぇん!」
「え?そんなことしていいんですか?」
「かまへんかまへん!合コンは何が起こるかわわからへん!恋愛の神様がどんなジャッジするかわからへん!告白お断りしたんに、しつこくせがむ女やで!?可愛いけど、かまへんわ!」
「確かに・・・お付き合いは出来ないとお断りしたけど・・・友達と遊ぶ感じでいいのかな?」
「せやせや!それでええ!付き合うと油断させておいて、笑顔でサヨナラしたらええねん!それでオッケーや!うまくいくで!」
「そうね、本人の前で話さなければ、うまくいってるだろうね~・・・・・!」
「「あ!?しまった!!」」
「しまったじゃなーい!」
〔★情報はもれていた★〕
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