第16話 表もあれば裏もある!?ダブル『凛』の日常!!(16)




あまりの展開に、頭が追い付かない。





「蓮君、今、彼女はいるの?」





そうこうしてるうちに、ますみという子が私へと近寄ってくる。





「ますみ、蓮君のこと、本気で好きなんだよ?」





一歩一歩、近づいてくる。





「蓮君・・・・ますみと、恋人になってくれるよね・・・・?」




自信に満ちた女の言葉。





私の答えは決まっていた。







「ごめんなさい。絶対にお付き合いは出来ません。」


「ええええ!?」




〔★美少女の告白を断った★〕




即決でお断りすれば、言った本人が顔色を変えながら聞いてくる。




「うそ!?ど・・・・どうして!?」


「せやで!こんな、お花の妖精みたいに可愛い子やで~!?」


「君は付き合言えない理由を知ってるでしょう、ヤマト君!?」


「あ、そーやった!うははははは!ほな、ガレージに入ろかー?」


「ええ、行きましょう。」


「って、行かないでよ!!」




さりげなく、立ち去ろうとしたけど彼女はそれを許さなかった。






「待って、蓮君!行かないで!」






すばやく、私の腕にしがみつく女子高生。


必死に振りほどこうとするが、さっきのことがあるので強く出れない。


仕方ないので、謝った。






「ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、お付き合いできません・・・・!」


「怖っ!?無表情で、ごめんなさいの無限ループしないでよ!どうして、だめなの!?」





怖がられただけで、離れなかった。




〔★凛の呪文、効果はあったが結果は出てない★〕




「蓮君、あたしのどこがだめ!?最初が悪かったなら、その分、これから直していくわ!」



(ダメとか直すとか言われても・・・・・)




直しようもないし、そもそも・・・・






「ホント、ごめんなさい。お付き合いできません。」



(私も、女の子だし・・・)







この子だって、男だと思って私に告ったのだろうけど・・・





(付き合えるわけない。私、瑞希お兄ちゃんが好きだもん。)






〔★凛には本命がいる★〕





「本当に無理です。ごめんなさい、ごめんなさい、この通りです。ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい・・・」


「だから怖いよ!こんな告白の断り方されるの、はじめてなんですけど!?」




(こっちだって、女子からの告白は初めてだよ!)




〔★初めて同士ではあった★〕





「うはははは!えらいこっちゃー!凛の人生がかかっとるでぇ~」


「人の人生の分かれ道を、アメ玉食いながら見物するなぁー!助けてよ、ヤマト!」


「てゆーか、ヤマト君だったよね!?蓮君があたしと付き合えないわけ知ってるんでしょう!?教えて!」


「なに言いだすの、彼女!?」


「ますみよ!蓮君が教えてくれないなら、知ってる人から聞くもん!お願い!」


「ホント、なんてこと言いだすんですか!?」



(冗談じゃない!ヤマトは、私の正体をばらさないと言ってるけど・・・)






「お願い、ヤマトくん・・・・!」






つぶらな瞳で、上目遣いで、小悪魔のようにささやく姿。


今さらだけど、フワフワの髪を束ねたシュシュは、動くたびにいい香りがする。


その上で、見た目もスタイルもよく、胸も菅原凛ぐらいにありそうな美少女にお願いされたら――――――――――





(男は拒めない!!)




〔★確率による判断だ★〕




「お願い!教えて、ヤマト君!」


「やめてー!ヤマト君!言わないで~!!」



「あたりまえやんか。」







叫んだ私達に彼は言った。






「わしと凛はツレやで?言うわけないやんか?」


「え!?」


「ヤマト!?」


「あんたに頼まれてもな、わしは凛の秘密は言わへん!ほかあたり~!」


「うっ・・・」


「ヤマト・・・・!」


(言わなかった・・・・!?)





信じていたけど。


口が軽くて、声が大きいから。


信じていたけど。


馬鹿笑いして、ヘラヘラしてるから。





(うっかり言うかと思ったけど~)




「ありがとう、ヤマト!僕もヤマトを信じるよ~!ごめんねぇー!」


「うははは!さりがなく謝罪入れたってことは~わしを信じてへんかったんかー?」


「今はそんなことないよぉ~!」




〔★繰り返す、『今は』信じている★〕





「そういうわけだから、ますみちゃん、君とは付き合えません!」


「えーまとめないでよ!?まだ、付き合えない理由を聞いてないよぉ~」


「ダメなものはダメです!ほら放して!行こう、ヤマト!」


「うはははは!あきらめや~お嬢ちゃん!あかんもんは、あかんって!」




見かねたのか、ヤマトが女子高生の腕を掴む。




「はいはい、離しーや!」




私から、彼女を引きはがそうとしてくれるが・・・




「いやぁぁぁ~!蓮くーん・・・!」


「いたたたた!痛いよ!?」


「うははは!こりゃ、あかん!強烈に張り付いとるのぉ~」




〔★はがれなかった★〕




「ますみちゃん、ますみちゃん!世の中には、もっと良い男がいると思うから~ぼくのことは――――――!」


「あきらめない!蓮君が彼氏じゃなきゃ、あたし死んじゃう・・・!」


「うははは!あほやなー!そう簡単に死なへんわ~!ちゅーか、ホンマ離れへんし・・・凛、一度話し合うか?」


「妥協するな!!」




〔★ヤマトの提案は、却下された★〕




こうして、離れてくれない状態で騒いでいたら。





「え?なに?」


「なにがあったの?」




人が集まってきた。





「ますみ、どうしたの!?」


「なにやってんの、ますみ!?」


「ますみっち、困りごと~!?」


「みんなぁ~来てくれたの!?」



「「え!?女子高生の集団!?」」






やってきたのは、ますみちゃんと同じ制服をきた女子達。





〔★女子高生達が現れた★〕





「み、みんなぁ~!みんな、良いところに来てくれたよ!」


「え!?ちょ、ますみちゃん!?」



「どーしたの、ますみー!?」


「なになに~?」


「もめちゃったてる系ー?」



「いっぱいキター!?」


「うはははははは!」




〔★ますみは味方を呼んだ★〕

〔★凛達はかこまれた★〕





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