気違い外道女子高生珍道中

「クラスのヤツらの教科書とムカつくジジイ共のカツラ集めて焼き芋やろうぜ!!」


 友人の奈子がそんな狂った提案をしてきた。それに対して、もう1人のきちが…友人は


「やるなら校舎内でやりましょうよ。ほら、ここに丁度いい長さのぼっこありますし、火災報知器も壊して」


 などと抜かす…まったく、なんて奴らだ


「焼くならじゃがいもとか栗もやらないと、失礼です」


 …そう、我ら3人合わせてなまこ組。清楚な狂人奈子、学校1の天才にしてバカの小春、そして、周りから天然ボケなツッコミと言われている私真子。我らが揃えば、百人力だ!!


 ―さてさて、視点を変えてみまして、私は彼女らの同級生。名をSとしましょう。彼女らがどんな人間かを知らない読者の皆様のために、少しご説明。


 彼女らなまこ組は、この学校が生まれてからいままでで1番の天才と才女の集まりとされていた。


 3人のうち誰もが眉目秀麗質実剛健。よく言う立てば芍薬座れば牡丹、歩く姿は百合の花とやらだ。


 しかし、蓋を開けてみればまぁ下劣。その優れた顔と頭を全力で活かして暴れることと言ったらもう筆舌に尽くし難い。最初は呼び名の無かった彼女らだが、何時しかそのゲテモノぶりと、3人の名前の頭文字から取り、なまこ組なぞと言われるようになった。


 ちなみに、ラゼラータには漢字の概念は存在する。しかし、読者諸兄のよく知る漢の国なんてものは無いので、桜花文字と呼ばれているぞ!


 この国の文化の多くは日本とよく似た桜花なる国のものだ。したがって、漢字の名前もあるという訳だな。


 では、更に視点を戻し、校内で芋を焼こうとするアホ共をゆっくり観察してみよう。


 ―

「なんにせよまずは、薪を集めきゃな。どうする?ロッカーに釣竿入ってたし、軽く騒ぎでも起こしてカツラ釣りでもするか?」


「効率悪くありません?だったら、他クラスを回って置き勉している畜生共の教科書やノートを集めた方がよろしいかと」


「まず火を起こして集まった先生張り倒してやればいいんじゃない?そのまま全裸にひん向けば活用出来そうだし」


「お!それいいねえ!」


 という会話をしたは言いけれど、少し待って欲しい


「考えたら、バレたらお父様に怒られますよね?折角みんなと遊ぼうと思ってお小遣いを貯めていましたのに、それを減らされるのは酷いです。やっぱりやめましょう」


「うーん、そうは言っても芋はもう用意してるからなぁ…」


「外でやりましょうよ。落ち葉たっぷり集めてやれば大丈夫ですわ」


「そうね、そうしよう。そのついでにカツラ釣りやりましょうか」


「じゃあ準備だ!!」


 ―ここで再び視点は変わります。おっとご安心を、これで終わりです。


 この会話、放課後の空き教室でなんてあまっちょろいことを考えている皆様の為にお話しますと、めっちゃ授業中です。そして担当の教員はカツラです。


 ―

「あー…ゔぅん!そこの3人。静かに」


「(^ω^💢)🖕」


「(*´ω`*)🖕」


「( '-' )🖕」


 この後私たちは仲良く叱られましたが、ついでにカツラを奪い取って焼き芋をしました。クラスメイトのみんなも集まって、禿げた先生の頭を見下ろしながら食べる焼き芋はとても美味しかったです。


「明日は何するかー」


「私、カラオケ大会をしてみたいです。あの数学科の無理した若作りで悪臭ただよう人の鼓膜破りましょう」


「ちょっと、失礼だよ!やるならちゃんと上手に歌わないと」


 夕暮れを背に、私たちははしゃぎながら帰ります。そう、また明日楽しく遊ぶために

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