第16話 映画
「アニメ映画の話もそろそろしたいですね」
知樹が次の話題に移る。
「映画も良い作品が多いし、単発で物語が完結するからヨシハルにオススメしやすいよな」
アニメ映画の多さは俺も薄々は感じていた。
「たしかに最近はアニメの映画多いよな!映画の売り上げで話題になる作品ってアニメばっかりじゃない?『鬼詰の刃』とか」
たしか・・・『鬼詰の刃』は日本映画の興行収入を塗り替えたはずである。
「『鬼詰の刃』の映画は社会現象でしたもんね・・・よっさんは見たんですか?」
「俺は・・・見てないわ。『鬼詰の刃』のアニメを見たのも最近だし、そこまでハマらんかったしな」
面白くないわけではないけど・・・映画館に行ってまで見たいって気にはならなかったのだ。
「『鬼詰の刃』の映画『無限発車編』は劇場版オリジナルとかでもなく、完全にアニメの続きだから、アニメ映画単体としての評価は難しいけどな・・・よっさんにみたいにアニメ本編にハマらなかったら絶対に行かないし・・・」
「よっさんに紹介するオススメ作品は、その映画単体で見に行っても楽しめる作品がやっぱり良いですよね」
「そうやな。そうしてくれるとありがたい」
「『バイオレットエバーガーデン』、『青ブタ』、『冴えカノ』・・・最近はアニメの続編をそのまま映画にするパターンも多いからな」
本編もまだ見ていないのにその辺りをオススメされてもさすがに困る。
「まず近年のアニメ映画を語る上で外せないのが深界監督の作品ですね」
「『君の名前は』やな!」
さすがにこの作品は知ってるし、俺も見た。元彼女と・・・うっ・・・頭が・・・
「そうですね!『君の名前は』を筆頭に『天気の子供』、そして現在は『ツバメの戸締り』が公開中ですが・・・よっさんは見たんですか?」
「『君の名前は』は見たわ!・・・元カノと・・・面白かった・・・よ」
あれ?苦しい気持ちが押し寄せてきて、詳細が・・・思い出せない・・・ぞ・・・
「『天気の子供』、『ツバメの戸締り』も面白かったけど、俺は深界監督の作品だったらやっぱり『君の名前は』が1番好きだな」
ケンイチは『君の名前は』を推すようだ。
「僕はその3作品なら『天気の子供』が好きですが、『君の名前は』以前の監督作品も好きなんですよね」
『君の名前は』よりも前の作品・・・有名ではないのだろう。俺は知らない。
「『君の名前は』より以前の深界監督って、ストレートなハッピーエンドにしてくれないのがなぁ・・・」
「それが良いんじゃないですか!美しい映像と素晴らしい世界観、そして心のどこかに余韻を残すエンディングが深界監督の真骨頂だと思います」
「『天気の子供』のラストは自分の好きな人と世界を天秤に掛けて、世界を選ばないのはめちゃくちゃエモかったよな。知樹が好きな理由わかるわ」
「『君の名前は』でかなり万人受けするエンタメ路線に寄せたけど、次作の『天気の子供』では深界監督らしさを出してきてくれたので、僕としてはホっとしました」
「今やってる『ツバメの戸締り』はどうなん?」
今から見るならこの作品だな・・・と思って質問してみる。
「面白かったよ!」
「深界監督が王道のロードムービーを作るとこんな感じになるのか・・・と驚きましたね。多才な人だと・・・」
「圧倒的な映像の美しさと、ファンタジーの世界観、キャラの魅力をテンプレの展開の乗せるだけで、深界監督の色が出てこんなに面白くなるなら、あと10年くらいはアニメ映画のトップランナーとして重宝されそうな感じがするわ」
「どこかのタイミングで自分の性癖を全開にした作品を作って大コケしそうな気もしますけどね」
監督の性癖ってなんだよ・・・
「とりあえず2人が楽しんでいるなら『ツバメの戸締り』も見に行こうかな」
「行って損はないかと」
「でもアニメ映画で語りたいのは、もっと大衆受けせずにアニヲタだけで人気があるやつなんだけどね」
「そうなの?」
「アニメ映画はいっぱいあるからなー。知樹はここ数年でお気に入りのオリジナルアニメ映画って何がある?」
まずはケンイチが知樹に質問をする。
「そうですね・・・良い作品はいっぱいあるんですけど、まず外せないのは『映画大好きポンピさん』ですね」
「絶対に出ると思った!傑作やわ」
この作品は・・・『君の名前は』や『天気の子供』、『鬼詰の刃』と違って聞いたことがないな。
「聞いたことないわ。どんな作品なん?」
「映画プロデューサーのポンピさんとその下で働くジーン君がメインの話で、映画制作がテーマのお仕事アニメですね。ざっくり説明するならジーン君の成り上がりストーリーって感じかな」
「90分という作品の長さの中での起承転結、キャラの魅力や成長、映像の見せ方からオチまで完璧な仕上がりの作品だと思います」
「アニヲタでこの作品を見ておもしろくないって言ったやつは見た事ないよな?」
「たしかに・・・そのレベルの作品ではあると思います」
「そんなに評価高いんだ?なぜ一般人に認知されてないんだろ??」
「アニメ映画ってさっきも言いましたけど、じつは毎年かなりたくさん作られてて、常に何作か公開されている状態なんですよね・・・でも、公開期間が短かったり、上映館が少なかったりで、全然一般の人には知られないまま終わっていく作品が多いんですけど・・・」
知樹は続ける。
「極論を言ってしまえばアニメ4話分・・・90分強の作品を作って、映画館で流して興行収入1億円も行けば余裕でプラス。さらにはすぐにサブスクで流すから製作費をそっち持ちにしたり・・・映像ソフトも1クールで何巻もあるアニメより売れやすいですからね。単純にアニメ映画は儲かるんでしょうね」
「当たればラッキー。当たらなくてもトントンくらいに出来る算段があるから、数打てば当たる方式でいっぱい作るくせに、宣伝費は削るからそこまで認知されていない・・・のかな」
「そうか・・・俺が知っている以上に、たくさんのアニメ映画があるんだろうな・・・」
「ケンさんの好きな作品当てましょうか?」
知樹は・・・ケンイチにはオススメ作品を聞かずに当てようとしている。
「自信あり気やな。いいよ当ててみーや」
そしてケンイチが受けて立つ。
「『AIの歌声を聴かせて』は絶対好きでしょ!」
知樹はビシっと断言する。
「あああ・・・はい、大好きです」
どうやら正解だったようだ。
「ポンコツAIが歌を通して、主人公達と触れ合っていくストーリーで、青春、友情、恋愛、そして歌と、ケンさんの好きなもの全部乗せですよね」
「間違いないわ。特に歌・・・ミュージカルアニメと言っても過言ではない作品なんだけど、その歌の落とし込み方の設定も素晴らしくてね・・・傑作やわ。絶対にオススメしたい」
たしかに・・・今日聞いたケンイチの好きな作品の傾向にばっちりハマっている。
「他にも・・・ここ数年の作品なら『ジョゼフと虎と魚たち』も推したいわ」
ん?この作品は聞いた事があるぞ??
「あれ・・・『ジョゼフと虎と魚たち』って映画かドラマでやってなかった?聞いた事あるわ」
「『ジョゼ虎』は小説原作で昔、実写映画になってますね」
「足に障害持った女の子と健常者の男の子のラブストーリーやわ。実はアニメ版と邦画版はストーリーが違ってて、見比べても面白いねんな」
「原作付き作品なのにストーリーが違うんや?」
そんな事もあるのか。
「そもそも原作自体が短編小説の中の1篇で、それに色々肉付けして実写映画を作ったって感じやわ。それを去年また原作に色々肉付けしてアニメ映画化したけど、その肉付けが全然違うから同じ名前だけど違うストーリーの話が出来上がったって感じやね」
「理解した・・・それで『ジョゼ虎』もオススメだという事ね」
「そうやね・・・『ジョゼ虎』は実写映画でもかなり賞を取った作品で、海外でもリメイクされるくらいやからストーリーに関しては間違いなくトップクラス。そこにアニメの幻想的な映像表現とキャラの萌えが加わった事によって、実写とは違う魅力を持った素晴らしい作品になってると思うから・・・オススメしたいです」
『ジョゼ虎』はたしかに面白そうだ。見てみたいと思う。
2人が言っている通り、アニメ映画は興味のある作品をちょっとの時間で見れそうなので、楽しそうである。
そう言えば今、俺自身が気になっているアニメ映画があった。
「『スラムダッシュ』って2人は見た?」
『スラムダッシュ』・・・俺達の青春時代のバスケ漫画が20年振りくらいに映像化されたのだ。
「見ました」
「見たよ」
当然2人ともすでに見ているようだ。
「それで・・・面白かったん?」
それがまずは聞きたい。
「面白かったですよ」
「面白かったわ」
おお!2人ともに好評のようだ。これは期待できる。
「でも・・・」
知樹が話を続ける。
「僕の期待値が100だとしたら80くらいの出来だったかな?」
あら?案外、絶賛でもない感じか?
しかしケンイチが反論する。
「逆に俺は期待値が100なら120くらいの衝撃を受ける作品やったわ」
これは・・・
「意見が真っ二つに分かれたな!」
ちょっと面白くなってきた。
「意見は別に分かれてないんですけどね・・・面白いという評価は共通なので・・・期待以上だったか、期待以下だったかの違いで」
知樹は期待以下だったと評価したワケだが・・・
「どんなところが知樹は期待以下だったの?」
「原作者ががっつり制作に参加しているので、期待が爆上がりだったってのが、まず前提にありますが・・・リアルなバスケ映像にこだわるあまり、せっかくアニメにしてる意味がなくなってるかなと。あとは原作未読の人でも楽しめるように、今までの展開を知らないと理解できない名シーンは削ったりしているのですが、それなのにあの赤髪はなぜあんなに偉そうで前に出てくるのかとか、キャラに対する説明が少なくて、中途半端に感じるんですよね」
ほうほう。
「僕達、原作大好き勢は試合の流れやキャラを見ただけで、いろんなバックグラウンドが脳裏に浮かぶのでめちゃくちゃ感動するし、面白いんですが、初めて『スラムダッシュ』に触れる人にはそこまでの感動はないんじゃないかな?そしてそれなら、もう初めて見る人への配慮は捨てて、原作を読んだ人だけが楽しめる、名シーンを全て入れた完全版を見たかったかも?って思っちゃいますね」
これが知樹が期待以下だったと思った理由らしい。
たいしててケンイチが期待以上だったと思う理由は・・・
「まずスポーツアニメを完全の3D映像作品にする事の凄さね。各キャラの身長・体重はもちろん、選手同士の距離感、コートの距離、リングの高さ全てに正しい数値を入れているから、実際の試合を見ているような感覚になったり、視点によっては自分が実際にプレイしていた景色そのままの映像が見れるねん」
これは・・・ずっとスポーツをしていた人間の目線かな・・・ピンとこない。
「漫画の1コマだったら描かれていなかったけど、3Dモデリングで再現すると、実際の立ち位置にプレイヤーが存在するので、映像を見ながら、「なんでそこに花道が突っ立ってるねん!素人か!」とか、「へばったミッチーがフラフラしてて邪魔でドライブ出来ないわ!」とかのまるで実際のコートにいるような雰囲気を感じる事が出来る」
「つまり漫画ではわからなかった、必要なかった情報量が映像に詰まってるって事ですね」
知樹がケンイチの言いたい事を言語化してくれる。
「そうそう!そしてそのリアルに近い映像から、アニメ的な嘘や演出・・・パスとかドライブのスピードを上げたりすると、めちゃくちゃスピード感が出て、ありえない迫力になるし、スローモーションやストップモーションを使うと自分がゾーンに入板のか?って思うくらいの集中した感じになる」
かなり大袈裟に言っているとは思うが・・・実際のスポーツ中継を見ていたら、急にアニメみたいなスピードで動く選手が出てきた・・・みたいな感じか??
「バスケが大好きで、自分自身もプレイする原作者が完全監修して、3Dスポーツアニメをを手掛けたからこそ完成した、奇跡の産物やと俺は思うわ」
ケンイチの熱い演説が終わった。
「2人の意見はわかったわ。とりあえず面白いって事では一致してるねんな?」
「そうやな」
「それは間違いなく」
2人は同意する。
「じゃあ今月中には見に行くかー。せっかくだから映画館で見たいしな」
「絶対に映画館で見た方が良いですよ」
「最後のシュートシーンで無音のスローモーションになるねんけど、初見の小学生が小声で呟いた「入れ・・・」っていう声が聞こえてきてめっちゃエモかったで」
「小学生とかも来てるんや?」
「ちょくちょく来てましたね」
「親世代に連れて来られるパターンもあるんじゃないかな?俺も息子ともう1回行ってもいいかな?って思ってるし」
「ファミリー層の中におっさん1人で行くのは少しハードル高いなぁ・・・」
「いやいや、そうは言ってもがっつりおっさん、おばさんばっかりですよ」
「俺達がド本命世代である事は間違いわ」
それなら安心だ。
「ケンさんってけっこうアニメ映画行きますよね?今年何作くらい行ったんですか?」
知樹がケンイチに聞く。
ケンイチはこの中では唯一の既婚者だ。普段どれくらいの頻度で映画館に行くんだろうか?
「俺は・・・はっきり言って多いで。映画館が自転車で15分圏内にあるから、9時に子供達を寝かしつけて、その後に平日でも、レイトショーに行くもん」
「マジか?平日のレイトショーなんて考えた事ないわ」
どんなけアニメが好きなんだ。
「結婚すると逆に、少ない事由時間を出来るだけ有効に使おうと考えるようになるからね。そう言った意味でも子供産まれてからは飲み会に行ったり、ゴルフしたりするよりも短時間で家の中で完結するアニメ鑑賞が多くなってしまったわ」
「近藤は平日の夜に出て行って何も言わないの?」
「さおりはさおりで1人で邪魔されずにイラスト描けるから、どっちかって言うと歓迎ムードやな」
うーん・・・このヲタ夫婦め。
「でもこんなのケンさんのとこだけですよ。ヲタクは嫁選びをミスると人生がめちゃくちゃになる危険を常にはらんでいます」
知樹はモテるのにいつまでも結婚しないのはこの辺りが理由なんだろうな。
「俺も今は一人身だから、平日のレイトショーとか全然いけるな・・・」
ヲタクライフを満喫するには万全の環境だ。
「一人身だったら、グッズやライブなんかの遠征費とかにもめっちゃお金使えますしね」
「俺は聖地巡礼とかもしてみたいわ。家族がいると一人旅はさすがに難しい」
「聖地巡礼っていうのはアニメの舞台になった場所に行く事よね?」
「そうやね。アニメを見てないとありがたみがわからない場所が多いから家族旅行に組み込むとヒンシュクを買いそう」
そりゃそうだ。
「ヲタクの彼女を見つけるか、ヲタクに理解のある彼女をみつけるか、一人身を覚悟してヲタク道を突き進むか・・・永遠の課題ですね」
「最後は嫌だな・・・」
知樹にはヲタクをやめるという選択肢はないようだ。
「それで・・・俺が今年見たアニメ映画の数だっけ?」
ケンイチが急に話を戻した。
「『夏へのトンネル』、『劇場版からかい上手の高橋さん』、『劇場版ゆるキャンプ△』、『ソードアークオンライン夕闇のスケルツゥオ』、『ブルーサーマル青凪大学航空部』、『ハロー・ドン・グリーズ』、『機動戦士ガンダルククルスドアンの城』・・・」
ケンイチは宙を見つめながら、思い出すように指を折る。
「『オットセイタクシー』、『バブルガム』、『六畳半タイムマシンブルース』・・・あとは子供達と『転スラ』、『ドラエモン』、『ミニオン』、『バッドボーイズ』なんかも行ってるな」
かなりの映画を見に行ってるな。俺なんか1年に2~3回映画館に行けば多い方だ。
「『ガンダル』は一緒に行きましたね!あとは・・・『ゆるキャンプ△』、『SAO』、『バブルガム』、『転スラ』、『オットセイタクシー』は僕も見ました」
知樹もなかなか見てるじゃないか。
「知樹は基本的にアニメの続編であったり番外編が映画館で上映されるなら見に行くスタイルやな」
一瞬で知樹の視聴傾向を見破るケンイチ・・・恐ろしい子。
「そうですね。最近は半年から1年くらいで動画サイトで見れますしね。『バブルガム』も劇場公開した2週間後には動画サイトにあったので家で見ました」
動画サイト様様である。
「ケンさんが今年見た映画でオススメってありますか?」
「そうだな・・・」
知樹がケンイチに質問する。知樹も見てない作品が多いので気になるようだ。
「個人的には『夏へのトンネル』がオススメかな」
「どんな作品ですか?」
「SFをベースにしたひと夏のジュブナイル作品やね。ストーリーは田舎に転校してきた女の子と時間の流れが早くなる代わりに欲しいものを与えてくれる「ウラシマトンネル」の秘密を共有した主人公との秘密の共同戦線・・・みたいな感じ」
「ひと夏のジュブナイル作品・・・それだけでエモさが伝わりますね」
わかる。ひと夏のジュブナイル作品って言われるだけで胸がキュンとなる。おっさんなのに。
「小説原作で、内容を上手くまとめながら見やすい90分作品に仕上げてるわ。オススメやで」
「こんなにいろんな映画見てたらハズレの作品とかないん?」
ふと疑問に思った事をケンイチに聞く。
「まぁ・・・あるよね。知樹も見てるけど『オットセイタクシー』はイマイチやったな」
知樹も頷きながら・・・
「ですね。すっごい面白い作品だったから事前情報で本編の再編集版と聞いていても見てみようと思ったのですが、ダイジェスト版ってワケでもないし、再編集の仕方もいまいち面白くないし・・・少し新規映像が追加されただけで、見に行って損したって気持ちの方が強かったです」
この作品に関しては2人共同意見のようだ。
「でも、基本的にアニメ映画のクオリティかどれもそこそこ高いですよね。少なくとも作画がヒドくてめちゃくちゃって事はないし、だいたいの作品が1本の映画で完結してますしね」
「まぁそれでも退屈だな、自分とは合わないなという作品もあるけどな・・・俺は正直『バブルガム』はイマイチだった」
「僕は面白かったと思いましたけどね。パルクールしてる時の爽快感・・・映像の美しさや動画のクオリティはアニメ映画の中でもトップクラスだったと思いますよ」
『ゆるキャンプ』、『スラムダッシュ』、『バブルガム』・・・映画に関しては2人の意見がズレる事がちょくちょくある。
「映画に関しては2人の評価が逆になる事も多いな」
2人は少し顔を見合わせてから、返事をする。
「さっきも言った通りアニメ映画は総じてクオリティが最低限保たれているとは思うので、良い悪いってよりは好き嫌いの・・・好み話になるからでしょうね」
「今日の話題に入ってこないレベルでひどいアニメ作品なんて山ほどあるからな」
「そうですね。全然面白くないアニメはわざわざ最後まで見ない事が多いので、あえて語ることも少ないですしね」
それもそうか。
映画はそもそも、そこそこ面白い事を前提に話をしているので、そこから先の好き嫌いの判定の時に違いが出るという事なのだろう。
「アニメ映画の話はこんなもんかな?」
ケンイチが話を締めにかかる。
「とりあえず『スラムダッシュ』は映画館で絶対に見て欲しいですね」
「そうだな!それと『ツバメ』は『君の名前は』が好きなら見て損はないと思う」
今映画館で見れてオススメなのはこの2作品か。
「それで暇な時に動画サイトで『ポンピさん』、『アイうた』、『ジョゼ虎』は見て欲しいですね!どれも満足できる作品だと思います」
「逆に今年の『夏トン』辺りはまだ動画サイトにあがってないからしばらく待たないと見れないかな」
「アニメ映画はチェックしやすくてハズレ作品も少なそうだから、楽しみだわ」
「あとは・・・今月末に劇場公開される『かがみの孤島』も要チェックやと思うわ」
また急に知らん名前が出てきた。
「たしか原作が本屋大賞を獲った小説ですよね?やっぱりケンさんは見に行くんですか?」
「当然!公開した次の週の平日フラっと一人で行ってくるわ」
「フットワーク軽いな」
「面白かったら教えてください」
「オーケー!」
オススメされた作品を家で見るのも良いが、映画館の雰囲気の中で楽しむのもまた別格の良さがあるのであろう。
俺も来週辺り仕事終わりに『スラムダッシュ』のレイトショーにでも行くか。
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