黒い糸
シューピザ
第1話 始まり
朝日が登り、沢山の家を照らす。その家から沢山の子供達が出てくる。小学生、中学生、高校生。皆これから学校へ行くのだろう。そんな中に今回の主人公になる彼らもいる。
「お兄ちゃん。いってらっしゃい!」
「いってきます」
いつものように妹が俺を見送ってくれる。彼女の声はいつも元気をくれる。俺は学校へ向かう。俺は
そしてそれから2年後頼る人がいなかった俺たちはとある一族に救われた。その一族の名は「刀坂家」。そこに救われた俺たちは今の街に雨風凌げる家を貰い、そして学校にも行かせてもらえた。だが、家賃や学費は自腹なので俺がバイトをして払っている。毎日大変だが生きていられるだけでも幸せなのかもしれない。なぜなら明日死ぬかもしれないから。今こうして生きていられるのは幸せだ。
そんなことを考えながら歩いていると誰かが声をかけてきた。
「広導君。おはようございます」
「お、おはようございます。夢叶さん」
声をかけたのはうちの学校の先輩の
「今日も元気そうですね。」
「は、はい!元気れす」
「フフフ、恥ずかしがらなくてもいいんですよ。いつも会ってるじゃないですか」
「はい。でもその、何と言いますか、言葉じゃ表せないです」
何故だろう。この美しい紫の瞳に見つめられると心臓がバクバクしてなかなかうまく話せない。何故なのか。
「フフフ、私の目を見ても何もないですよ。そんなことより、今日の英語のテストがあるって聞いてますが大丈夫なんですか?」
「あ、」
まずい考えごとしてたからすっかり忘れていた。このままだと点数が、悲惨なことになる。
「仕方ないですね。少しなら勉強をみてあげますよ」
「本当ですか?」
「その代わり、いちごどら焼き20個今度食べさせてくださいね」
「に、20個!そ、そんなの」
「なら、成績ガタ落ちですかね」
夢叶さんのわざとらしい目がイラつくだが、成績と比べられると、
「20個。ご、ご馳走します」
負けてしまった。でもこれで英語は教えてもらえる。
「それじゃあ、早く行かないと勉強できませんよ。さあ走りますよ」
「え?ちょっ!」
夢叶先輩は俺の手を引っ張り学校に向かって走り出す。この人は行動すると決めると早いのだ。
黒い糸 シューピザ @shyupizza
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