第11話「まいくろ かぷせる」
香和ちゃんは言います
「先生!いい匂いで具合が悪くなるって、なんでですか?
理愛ちゃん、うちのお花みたいな匂い、好きって言ってた・・小鳥のタオルも、よろこんでました・・!」
「いい匂いだけど、体に良くない化学物質なんです。」
先生は、黒板に白いチョークで丸をたくさん書きました
「この丸は、"マイクロカプセルさん"と言います。目に見えないくらい、小さな小さなカプセルさんです。みんなの服にもたくさん付いています」
みんな、自分の服を見ましたが、カプセルさんはやっぱり見えません
先生は、その白い丸の中に、今度は青いチョークで点をたくさん書いていきます
白いカプセルさんの中は、青い点でいっぱいになりました
「この青い点々は、いい匂いの香り成分です。カプセルさんは、香り成分をたくさん包み込んでいます。カプセルさんに入れないと、香り成分はすぐに消えてしまいます。だから、いい匂いがずっと続くように、守っているんです。」
「カプセルさん、いい奴だね!」
先生は、青い点を包み込んでいたカプセルさんの白い線を、手でこすって消しました
「カプセルさんは、擦れたり濡れたり太陽に当たったりすると、壊れます。」
「あ、カプセルさん、しんじゃった!」
カプセルさんの中にあった青い点々が、あっちこっちに散らばっていく絵を、先生は書いていきます
「カプセルさんが壊れると、中の香りちゃんたちがはじけて出てきます。それで、いい匂いがします。こういう香りのことを"マイクロカプセル香料"と言います。
さて、このカプセルさんのカラダは、何でできているでしょうか?」
「チョコレート!」
「違います」
「ホワイトチョコ!」
「違います」
「いちごチョコ!」
「ぎりチョコ!」
「・・チョコだったら美味しいけど、違います。
カプセルさんのカラダは、イソシアネート君という材料がたくさん集まってできています。イソシアネート君は、人間の体の中に入ると病気にさせたりする、危険な化学物質です」
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