第10話ITO派経済学10 ~積極財政と注目すべき経済指標~

一言でいえば失われた30年とは財政緊縮の30年であった。謎はすべて解けた。もう終わりにすべきだ(´・ω・`)。


政府の収入というのは税か国債しかないわけです。でも歳入が足りないからといって増税すると市中に出回るお金、マネーストック(M3)を吸い上げてしまう。結果、お金を持ってるのは政府と日銀だけで民間は誰もお金を持っていない。これが失われた30年、デフレ不況の正体でした。


国債の発行額を絞る。財政健全化というヤツですけど。民間はそれによって全然健全じゃなくなる。緊縮財政とは増税と国債発行額の減少によりマネーストックを吸い上げる政策。日本はこれを30年続けてきた。経済が悪くなるのは当たり前なのです。


まだ研究の余地はありますが、積極財政を敢行できる素地がある時代というのは意外と限られている。つまり長年の緊縮財政により経済が傷んでいる時期が最も効果的。井上準之助の後の高橋是清のように。それが「今」だという訳です。


財政のやり方として一律無条件のBIは良い考えだと思いますが。公務員の大量雇用&待遇改善、博士課程研究者への給与支給、大学授業料無償化、まあ様々なアイデアが出ています。


大切なのは、できるだけ利権の温床にならないような配慮。クーポンや電子マネーではなく現金にこだわった給付金とか。政官財。中抜き、許さん。みたいな。


また、財政とはまた違った話なのですが、「生命倫理」の研究を進めたい。つまり「安楽死」についての研究ですね。これは医学、法学のみならず哲学の範疇になってくる。生命とは死とは何なのか。慎重に、しかし性急に進めなければならない。


単なる自殺幇助であってはならないが、人として安らかで尊厳を保った最期を迎えたいというのは誰しもの願い。言わば究極の終活です。


tasan理論ですね。長期で見ると財政赤字は無限に増えて、それに比例してGDPも無限に増える。失われた30年間、GDPがほとんど増えなかったのは財政赤字が増えなかったから。財政赤字と名目GDPは強い相関性がある。また、財政赤字はマネーストック(M3)、インフレ率とも強い相関性がある。


要するに財政赤字を増やせば名目GDP、マネーストック(M3)、インフレ率は上がり経済は過熱する。インフレ率が上がるので実質GDPの増加は緩やかなものになるが、株価や景況感(PMI)は劇的に改善し、好景気となる。


積極財政をやるときは経済指標に注目することが重要になってくる。名目GDP、実質GDP、株価、景況感(PMI)、そして、ジニ係数。


4%を超えるインフレではあるが同時に名目賃金名目家計所得も伸びて、実は今すごく景気がいいんです。岸田政権の高支持率の背景は経済が一番大きい。実質賃金実質GDPは同じでもデフレ経済とインフレ経済では景況感が違う。これが今の所「ITO派経済学」の一番の発見です(´・ω・`)。


インフレ経済で名目賃金がインフレに追いつかず実質賃金がマイナスになるのは確かにインフレ不況です。しかし、実質賃金実質家計所得がマイナスでなければインフレ経済下の方が景況感はいい(´・ω・`)。


積極財政論者が注目すべきは株価と景況感だったのです。格差是正のためにはジニ係数にも着目する必要はあるが。

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