第9話ITO派経済学9 ~数学編、RM-FTモデル~

中野剛志先生や森永卓郎先生の理論によると、現在進行形の財務省による緊縮財政、大増税は金融引き締め、利上げと同じ効果を持つ。MMT下では金融政策も財政政策も基本的に似たような役割を果たす。増税も緩和縮小も市中に出回るお金(マネーストック)を吸い上げ、景気を冷やす効果がある訳です。


つまり、今後、景気やインフレが過熱した場合。利上げ、金融引き締めと同時に財政緊縮、増税によって抑えることができる。逆に景気後退局面では、利下げ、金融緩和と同時に財政出動、減税によって景気を下支えする働きが期待できるという訳です(´・ω・`)。なんか当たり前のこと言ってるな。


これを数式にすると、 利子率(R)、金融政策(M)、財政政策(F)、税率(T)を組み合わせて、 RM―FTモデルと(´・ω・`)。


失礼。マネーストックと金融政策はそれほど関係はないと。マネーストックを決めるのは財政政策で、金融政策はマネタリーベース。 マネーストック(MS)とマネタリーベース(MB)も分けて数式にしなければ(´・ω・`)


また、税収と経済成長も相関関係にあり。長期で見ると税率を上げれば必ずしも税収が増える訳ではない。また、税率と景況感(PMI)も逆位相関係にある。ラッファーカーブは長期ではかなり現実の経済に当てはまる学説であると(´・ω・`)。


「ITO派経済学 ~バルク経済学~」は、積極財政派の経済学者たちの言説をすべて統合したものにしたい。いわば、経済学の「全部のっけ」です(´・ω・`)


まあ保守派も、クラウディングアウトとか実質GDPは増えないとか、そういうことを言いたいのでしょう(´・ω・`)。一理ある。


2000年代の円高デフレ不況下でも、松方デフレ、井上準之助の金輸出解禁のときも。デフレですから名目賃金名目GDPは伸び悩んでも実質では減らなかった。それでもPMI、日銀短観など景況感指数は悪かった(´・ω・`)。


一方、インフレ下、高橋是清財政など名目賃金名目GDPが大幅に伸びると、景況感は改善する。株価もインフレデフレ、マネーストックの増減に左右されますから、本来なら名目株価実質株価と分けて考えるべきですが、経済学者にそういう習慣はない。


結局、ケインズが指摘していたように普通の労働者は名目でしか経済を考えていないし、バーナンキが指摘するように、株価や景況感を重視するのが正しいマクロ経済学のあり方なのかもしれない(´・ω・`)。


そういう意味で言うと、積極財政派が重視すべきは名目賃金名目GDPであり、株価や景況感指数であると(´・ω・`)。


いずれにせよ、歴史や諸外国の教訓を鑑みると、積極財政をしても長期では実質賃金実質GDPの伸びは緩やかなものになるでしょう(´・ω・`)。ただ、名目賃金名目GDPは大幅に伸び、円安株高が進み景況感は大幅に改善することが予想されます。やはり個人的には少なくとも現在は積極財政をやる価値はあると考えます(´・ω・`)。


とりあえず、積極財政論。簡単な数式にしてみます。

名目賃金×名目GDP= 景況感(PMI)×株価×X


名目賃金×名目GDP÷インフレ率= 実質賃金×実質GDP

であるから、


また、

名目GDP=マネーストック×X


グラフのひとつは、縦軸に、名目賃金×名目GDP。横軸に、景況感(PMI)×株価を取る。両者は比例関係にある(´・ω・`)。


高橋是清の積極財政など歴史を顧みると実質ではほとんどGDPは増えない(´・ω・`)。しかし、名目賃金名目GDPが伸びることで民間経済は活性化し文化学術芸術は栄えイノベーションも生まれる。


2010年頃の円高デフレ不況も実質ではGDPは減らなかった。ただ、名目賃金名目GDPが減少したことで消費者マインドが冷え景況感が悪化した。実は経済にとって大切なのは名目GDPなのです。少なくとも景況感(PMI)や株価は名目経済に比例する(´・ω・`)。


名目で経済を見ることの大切さは、1929年の世界恐慌時に古典派経済学の限界を感じたケインズも指摘していた。一般の労働者は実質でなど経済を考えていないのです。名目でも賃金が上がれば消費者マインドは改善する(´・ω・`)。結果、民間経済は活性化する。

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