第5話ITO派経済学5 ~「税」の役割と財務省の哲学~

たとえば所得税は所得がなければ払えない。すべての税金は何らかの経済活動があって初めて発生するのだから“財源“たり得ない。日本という国がなくなったらそもそも円貨に価値はなくなるのに「防衛費を増税で賄う」との発想がいかにバカげているか理解できない政治家や官僚、“有識者“がいるのはなぜだ?


「税」の歴史も貨幣の歴史と同じくらい重要です。税が賦役貢納であった時代は確かに税自体に意味があった。ただ貨幣経済が発達し貨幣地代となり、更にその貨幣の裏付けも金本位から国債本位と変容するに連れて、「税」の役割、概念も時代に即したものに変わっていくべきですよね。


もはや貨幣は単なる紙切れなのですから交換手段以上の意味はないし、その紙切れを国民から徴収する「税」にも意味はない。あとは「倫理」といった哲学的な問題になっていきますが・・


不思議です。ここにきて財務省や財界が貧乏人増税に異常に躍起になっているのが。どういった背景があるのか。単なるイデオロギーの問題なのか。それとも全然違う理由があるのか。


財務省、財界、要するに支配者階級ですね。彼らの異常性がここにきて目立っているのは、プーチンや習近平と同じ単なる保守的反動なのか。単なるイデオロギーの問題ならいずれ時間が解決するとは思いますが。人間の心ってそんなに簡単じゃないですからね。プライドもあるでしょうし、


自分たちの人生そのものを否定された気分になっているかもしれない。存在そのもを脅かされたとき人間は死に物狂いで反撃してくる。それがrightであるかどうかなどこの場合関係ない。おのれの存在そのものを賭けた闘いなのです。


本当に人間は感情が何よりも優先されると痛感します。こういうときは丁寧な話し合い、譲歩をすることも必要。そもそもが男のプライドが高い連中な訳ですから。面子を潰すのではなく顔を立てるという発想が肝要。


東大法学部から財務事務次官とか人生でほとんど負けた経験がないタイプでしょう。私が岸田さんを心底では信頼しているのは彼は挫折を知っているから。3浪して東大に入れなかった彼が一国の宰相にまで上り詰めたのは、蹉跌の経験が大きい。敗北を知る男は逆境にも強いのです。


負けた経験が男を強くするというのはあると思います。「聞く力」という発想もそこから来ているはず。嘲笑の対象になったりもしますが、私は基本的には良い思想だという印象。

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